2008年12月25日(木)
【道州制という名の「内戦」】

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 今朝の午前6時50分過ぎのNHK岡山ニュースの冒頭、アナウンサーが、「今日はクリスマスです。そろそろ子ども達が、プレゼントに気付いているかもしれませんね。」・・・おっ、うまいっ!!我が家のウリ坊が、ごそごそ。

 ちょっと遅れて、午前7時45分のNHK岡山ニュースの冒頭、アナウンサーが、「今日から冬休み、子ども達はプレゼントで遊んでいるかもしれませんね。」・・・これまた、うまいっ!!我が家のウリ坊が、既に、0系新幹線の展開を始めています。
 世知辛い世の中の暗いニュースばかりの今日この頃、こういう洒落が効いたニュースの出だしは、粋で良いです。
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 さて、本日、中四国地域の広域連携や道州制の導入に関心を持つ有志により、『三海(さんかい)倶楽部』が発足、県も、政策審議監が、設立発起人に名を連ね、道州制推進の一環として、倶楽部に参加協力します。

 設立趣意書を読むと、環境規制や土地利用、観光振興などの県域を越える課題が増大しており、県より区域の広い「道」や「州」を設け、広域的な地域課題に一元的・総合的に取り組む必要性が謳われています。
 個人的には、良い事だと思いますが、昨今の道州制を巡る議会の状況からすると、様々な意見が出そうです。


 今回の12月定例会でも、行財政構造改革大綱に関して、道州制の記述について、揉めに揉めて、所管の総務委員長としては、本当に素晴らしい体験をさせて頂きましたが、直感的に、自民党中央は、道州制推進ですが、県レベルでは、推進と明言する議員は、極めて少ないと思います。
 もちろん、私は、何度も申し上げますが、推進の立場です。

 ただ、岡山県においても、78市町村が27市町村になった市町村合併に、かなり無理があり、広域行政に対して、否定的な見解が基礎自治体レベルではかなりあり、とりわけ、町村会は、真正面から、道州制の推進は反対の立場を取っておられます。

 前述の設立趣意書にもあるように、広域的な課題への対応に力点を置けば、周辺部として、切り捨てられている実感のある町村からの賛同は、およそ得られ難いのは理解が出来ます。
 既に辛酸をなめ尽くしている立場からすれば、県が道州になるのは、さらに、遠くなるだけのことです。
 これは、絶対にクリアしなくてはいけない最重要課題です。


 しかし、それでは、道州制と都道府県合併の間に差違はないわけで、県が合併したらたいへんだという話とさして変わりません。

 私が考える道州制は、内戦に近いものがあります。中央集権国家体制に対して、地方から反乱を起こす(もちろん武装するわけではないですが)という、あくまで「戦い」です。


 我が国の何がおかしいのか?を一言で言えば、国税と地方税の割合が、6対4であるにもかかわらず、実際の事業は、国と地方で4対6である、要は、いったん国に、税金を召し上げられて、地方に再配分される間に、異様な無駄(人間、権限、財源)があるということです。
 これを正す、霞ヶ関や永田町から、ある意味、人間、権限、財源を取り戻す、その手法が、道州制です。

 薔薇色の未来と言うよりも、このままだと、日本が本当にぶっ潰れるぞという、やむにやまれぬ状況の中での選択です。


 敢えて言えば、県も、国と基礎自治体の間にあって、中間マージンを搾取する、そうした無駄な機構のひとつである、したがって、破壊するということです。ちなみに、橋本大阪府知事は、2018年までに、府庁を解体し、関西州に合流すると宣言しています。

 また、無駄の象徴のような国の出先機関も廃止、ないしは、州レベルで統合して、国は、地方の些細な事まで、いちいち口を出さないでよろしいということです。せいぜい、国防や防衛、外交、全国一律の医療水準や金融政策を担当するということです。

 一方で、市町村といった基礎自治体に、どんどん人間、権限、財源を戻して、自立的自律的に住民サービスを行う、政令指定都市は、ひとつのモデルと言って良いと思います。
 自立・自律のためには、地方にも、それ相応の覚悟が要ります。困ったら、県や国が助けてくれる(今まで、助けてくれたかは別にして)ということは、もはやないという覚悟です。


 身近な地方自治体に比べて、国の出先機関にチェックが入らないのは、つくづく我々も理解が出来ました。

 また、旭川下流部や百間川のような国の管理河川は、まるでゴルフ場のように整備され、県管理になると草刈りさえままならないというのは何なのか?国の外郭団体が地方のあちらこちらにばらまいた施設の処理に、四苦八苦する現状はなんなのか?
 今回の赤字国債発行は、その規模は別にして仕方ないにしても、これが地方なら、遙か昔に、財政再生団体転落で、国の管理下に入るところ。

 本当に国に任せていて良いのかしら?県に任せて良いのかしら?とにかく、最も我々に身近な基礎自治体に、人間、権限、財源を取り戻そう、それが地方分権です。

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 思うに、得るは捨つるにあり。自らリスクを負うか、真空にしないと次はないと思います。

 ところで、道州制ということになれば、直感的に、地方のマスコミは困るだろうと思います。全国紙の東西が、同州規模になり、単県エリアのマスコミは、かなりの影響を受けると思われます。
 したがって、道州制に関わる地方のマスコミの論調は、厳しいものにならざるを得ないと考えておくべきだと思います。

 さらに、どうあれ公務員は、首になりませんが、議員定数は大削減です。私のイメージは、州議会議員は、10万人に一人。岡山市なら、4区で7人、倉敷市で、5人、全県で、20人です。
 仮に、10年で州議会が誕生すれば、県議会議員の半数以上は失職。だからこそ、今後10年以上耐えられて、州議会議員になる可能性のある県議会議員を選ぶべきだとも思います。

 ちなみに、岡山市・加賀郡選出の県議会議員は、現在19人もいます。最終的には、これを7人にするという、大椅子取りゲームを始めましょうということになります。
 逆に言えば、党の長期的戦略も、これにならう必要があるわけです。


 来年早々に、政令指定都市の区割りに沿った岡山市・加賀郡選出の県議会議員の貼り付けの議論を始めますが、私は同時に、定数削減の議論を喚起すると申し上げて参りました。

 当座は、岡山市の政令指定都市化に伴い、岡山市・加賀郡選出の議員の定数減(1区1名の4人減。したがって、現職の一人は、必ず落選する)を主張しますが、基本的には、前述のように、56人を20人まですべきと考えていますので、どうという数ではありません。
 どうあれ、報酬カット、期末手当カットよりも、議員の生首を飛ばす方が、効果的です。

 いずれにせよ、道州制の議論を議員が嫌うのは当然です。何人か議員を首になりましょうという話と裏腹ですから。



 おそらく、党派に関わりなく、まず賛同を得られない孤立無援の戦いを新春早々始めて参りたいと思います。「議員定数削減」は公約ですから、ボコボコになるまで勝負します。ひでぇ事になると思います。

 もっとも、議員定数削減を主張した議員が落選するというぐらい格好悪いことはありませんので、それも心したいです。もちろん、スタンドプレーをする気持ちなどさらさらなく、今、ここで県議会議員をやっている己の意義を問いたいだけです。痛くても、生きている手応えが欲しい。

 しかし、人生は何が起きるか分かりません。4選目に出馬させて頂くかどうかだって分かりません。私は、あらゆる可能性を限定しません。
 ともあれ、今、必要だと思うことをやるだけです。「ハチドリのひとしずく」です。



 ともあれ、県を壊さないと道州制にならないのは、赤子でも分かる理屈です。それが、嫌な方が多いのも理解できますが、それでは、国(霞ヶ関)の思うつぼ。地方が反対してたら、地方分権なんてできるもんか。
 私は無駄です!殺して下さい!と元気に言うのが、本当の侍です。

 道州制という名の「内戦」は、まずは、岡山市の政令指定都市移行に伴う県議会議員の定数削減という「内戦」に具体化されます。
 この不景気に苦しむ仲間にかなう苦しみは、私も、喜んで受けさせて頂きます。大丈夫です。この世相に平気で笑っていません。

 来年も、難しい年になるのが、既に分かっていますが、それでも非常に楽しみです。こうして目標を造って、人生を豊かにするのであります。


 とは言うものの、今日は、X’mas。
 http://jp.youtube.com/watch?v=ehBBrZUx6Yk

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