2008年4月18日(金) 【ももっち&うらっち】

 夕刻から「瀬戸大橋開通20周年記念イベント」ということで、児島を地元とする産業労働警察委員長の提案で、委員の有志で、児島観光港から、「瀬戸の夕暮れあじわいクルーズ」を体験して参りました。http://www.optic.or.jp/kanko/okayama/kinen.html#ajiwai


 二週間にわたり、金・土曜日に開催されるイベントで、今日は、瀬戸大橋がライトアップされる明日のように、予約で一杯という状況ではなかったので、県観光物産課の職員の方々なども参加。

 いわゆる御座船に乗って、2時間、幸い、夕日を眺めることもでき、ばらずしを味わいながら、「岡山さわら連」による初披露の『吉備の海田楽』を拝見したりの、大名気分・・・と言っても、結局は、そう海も瀬戸大橋も見ないで情報交換になりましたが。

 知っているようで、巨大なビルのような自動車の輸送船に驚いたりしながら、全国でも有数の観光遊覧船を実感しました。

 特に、4月25日(金)は、まだ間に合うようです。午後5時半出航は、なかなか乗れないが普通だとは思いますが。
 もちろん、観光遊覧船は、毎日出ています。


 さて、お馴染み「さわら連」の方との話で、非常に気が合って、楽しかったのですが、吉備というと、備前、備中、備後、さらには、美作を包括できるぐらい広い概念で、海ですら、痛恨の樽流しを越えられるぐらいのもので、少なくとも、備前、備中を越えられるとのことです。「さわら連」も、かなり、「吉備」を意識されているようです。

 また、先般、香港に行かれた際に、ゲームの影響で、「桃太郎」の知名度に驚かれたという話がありましたが、私はイランの本屋で、桃太郎の絵本を見たことがあり、おそらく、世界で通用する最も有名な日本のヒーローだと思います。

 ただ、その故郷・岡山のアピールが不足しているのではないか?というのは、その通りだと思います。



 先般の委員会で、香港便定期就航にあたり、地元企業の海外展開の中でも、工場建設か貿易拠点で、目的が異なれば、総合戦略的に、企業支援の方法を体系的に考えるべきではないのかと問いました。
 逆に、観光客誘致の方法も、闇雲に、後楽園や瀬戸大橋を紹介すれば良いというものではないのではないか、と感じておりました。

 とりわけ、香港については、超巨大都市ですから、多少の観光地では、京都とは張り合えないのは自明です。
 そうした中で、桃太郎の故郷は、田舎というイメージなのだから、むしろ、滞在型、交流型の観光戦略で勝負すべきではないか?という、さわら連の代表の方の御指摘には、唸るものがありました。その通りだと思います。

 台湾や韓国の観光客が、ゴルフと温泉目的の場合も多いのですが、いわゆる香港の富裕層にしてみれば、中途半端な都会は魅力がないかもしれません。

 むしろ、足守や建部や吉備中央町で、地域の温泉にも入りながら地元の方々と交流もする、そういう観光の方が、バスで、観光地をグルグル回るよりも、刺激的かもしれません。



 私も、海外でのホームステイ経験と言えば、後にも先にも、デンマークのソーホェという田舎町の3日間が全てですが、近所の湖へのサイクリングが、やたらと印象に残っています。

 なにか、おもてなしというのは、ことさら立派なものを建てたり、観光案内板のハード面の整備をしたりすること言うのではなくて、自分達の日常の生活の中に、入ってきて貰うこと、受け入れることだと考えれば、WELCOMEの意味が、変わってきます。



 4月末には、香港便の定期就航に合わせて、岡山の観光キャンペーンが当地で行われます。おそらく、後楽園と瀬戸大橋が前面に出るのでしょうが、桃太郎の故郷らしさ、桃太郎縁の場所、場合によっては、田舎臭さをアピールする方が、耳目を集めるかもしれません。

 私も議会で提案させて頂いて、「ももっち」には、「いぬっち」、「さるっち」、「きじっち」のお供ができたわけですが、彼らなら、岡山県を世界にアピールできるのではないかしら。

 桃太郎の桃が、この川を流れてきました!という風景は、おそらく、懐かしい日本の山村風景です。香港の方、吉備の田舎にお越し下さい!の方が、売れるんでないか?

 弱点だと思っていたところが、利点なのだ、という発想は、私は非常に好きです。


 ところで、かねてから、気になっていたのは、桃太郎の結末です。本会議場でも、鬼のキャラクターもつくるべきだと申し上げたのですが、幾ら、悪事を働いたとは言え、桃太郎軍に、壊滅されて、おまけに、金銀財宝を強奪されるというのは、アメリカナイズされた展開。
 鬼が少しかわいそうではないか?と思うのが、日本人的発想。

 願わくば、桃太郎と鬼は、恩讐の彼方に、和解をして欲しいのです。さらには、桃太郎の孫は、こともあろうに、最近、鬼の孫と、付き合っているらしい・・という。

 てなわけで、岡山県のマスコットキャラクター「ももっち」ですが、あの者は、性差を超えた存在らしいので、鬼を彼女に決めてはいけないのですが、鬼というより、温羅(うら)をキャラにした「うらっち(仮称)」をつくって、二人は親友だということにならんでしょうか。

 個人的には、「ももっち」は、優等生過ぎて、キャラが立っていないのです。品行方正です。ドラえもんで言えば、出来杉君。

 ちなみに、我が家では、なんと言っても、ヒーローは、彦根の「ひこにゃん」。最近、忍びの者であるネズミの家来ができたらしいのですが、年賀状の返事が来ると言うことで、今年、彦根城の「ひこにゃん」宛に年賀状を出したら、本当に、返事が来たのです。

 この「ひこにゃん」は、全くな〜んにも考えていなさそうなところが、素晴らしいです。http://www.hikone-400th.jp/hikonyan/ ・・脳天気。



 「さわら連」的には、我関せずではなくて、争い事を好まない岡山県人の良さをアピールするためにも、今こそ、桃太郎と鬼は和解する時なのだ。「平和の吉備の国」というストーリーを世界に発信する、そういうロマンを追いたいものです。

 そのためにも、今、岡山県に必要なのは、まずは「うらっち」!!願わくば、Mrカラスコやドアラを越える強烈なキャラで、「ももっち」を凌駕して欲しいものです。

 なお、温羅(うら)を裏にかけて、「おもてなし(表無し)」というのは、ちくわ笛の住宅氏説らしいです。「うらっち」は、観光大使に成り得ます。

 時には、こういう「お調子をこく」ことが、岡山県にも必要です。

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