2006年1月2日(月) 【いつか来た道】

 正月の呑気ネタのようで恐縮ですが、最近昭和30年代がマイブームで、家族で、福山の「三世代テーマパークみろくの里」の「いつか来た道」を訪ねました。遊具にも乗らんと近場で間に合わせました。
ttp://www.mirokunosato.com/ituka/ituka2.html

 フィルムコミッションというよりセットで、この地では、多くの日本映画(時代劇)が撮影されていますが、いわば昭和30年代の有楽町や横丁の街並みをそのまま再現した映画セットのようなつくりで、昭和39年生まれの私には、懐かしいというよりも、あぁそうだったんだろうなぁ、というのが分かります。特に駄菓子屋では、富田町のやまやの婆さんの顔が、ついでに風車や、わらび餅や、竹笛のおっさんの顔も浮かんで来ました。
 しかし、平成12年生まれの子どもには、ダイヤル式の電話からして、ぴんと来ないようです。思い出の駄菓子屋が、コンビニではなぁ・・・・。

 昭和には、大正ロマンに憧れたでしょうし、その時代にバイタリティーがあり、しかも余裕や寛容さがあるように思えるのは、今だからかもしれませんが、こうも羨ましく思えるのはなぜなのでしょうか。
 一方で、コペンハーゲンのチボリ公園で感じたのは、むしろそれが、彼の地の「いつか来た道」で、三世代全てに思い出になる懐かしい場所なんだろうなということを妙に思い出しました。


 今が、「いつか来た道」と懐かしんで貰える時代なのか、あるいは、「いつか行く道」になっているのか、分かりませんが、連綿と繋がるのは、結局は、人間の繋がりしかないような気がします。あぁ、あの頃、あの人がいたよなぁ、という。
 それが、たとえありふれた何げないものでも、意味がないものはない、それはいつか分かる時が来るのでしょう。

 切ないことですが、目を閉じる現世の最期は、思い出しかないし、逆に、誰かの思い出にしか残りません。
 だから、「いつか来た道」こそ大切にすべきではないかしら。

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