2005年2月21日(月)
【職業観・勤労観の醸成について・ホリえもん】

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 本日は、中国経済産業局の「創業意識喚起活動事業」成果発表会にお邪魔しました。NPO法人ビジネスインキュベータ岡山と同会と連携する岡山県早期起業家教育研究会の主催によるものです。
 対処療法的な就職支援活動もさることながら、学校教育の中で、職業観・勤労観の醸成を図っていくこと、さらには、それに伴う技能修得であったり、進路選択を促すことが重要です。
 特に、産学官、小学校と中学校と高校と大学、学校と社会等々が全て連携する推進をしたいと思います。
 しかし、職業観や勤労観の醸成も、基本はやはり、家庭教育であると思います。
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      ↓ 詳しくは

 売り手市場のもとでは、学校教育が、実際に社会に出てどう役に立つのかということよりも、重要なのは、学校教育自体が、自己完結するかのようなことも許されていましたが、今や、即戦力指向が高まり、業務が高度化し、外部委託等の比重が高まる中、新規学卒者に対する求人が激減。

 特に、高卒採用経験のある企業の採用中止が目立ってきています。


 一方で、「あすなろの木」のようなフリーターが増加。フリーターと失業者を合わせると、15歳から34歳の若年者では、5分の1以上、400万人を大きく上回ります。

 現代若者気質と言えば、遊びや消費活動が早熟化する反面、生産活動や社会性等は未熟で、勤労観や職業観も未熟で、コミュニケーション能力、対人関係能力、基本的マナー等、職業人としての基本的資質・能力の低下が叫ばれています。

 一方で、必要以上に、親が、長期の経済的依存を子供に許容するため、精神的・社会的自立が、益々遅れています。

 もはや、中教審が、高校と大学の連携をいかに円滑にするかを論じていた時代は過ぎ、現在は、学校と社会が、いかにスムーズに接続できるかが問題で、そのためのキャリア教育、アントレプレナー(起業家)教育の重要性が指摘されています。



 要するに、社会的・職業的に自立して歩くことができる人材の育成を目標に、ある意味で、企業に委ねていた職業観・勤労観の醸成を発達段階に合わせて、小・中・高と積み上げていくことが必要であるということです。
 早い話が、社会や企業で、すぐに使える人材を育てて欲しい、ということです。


 さらには、日本版デュアルシステム(実務教育連結型人材育成システム)として、若年向けの実践的な教育・職業能力開発の仕組みとして、企業での実習と学校での講義等の教育を組み合わせて実施することにより、若者を一人前の職業人として育てる仕組みの構築が急がれます。

 この際は、企業と専門学校等の連携・協力が必要になってきます。



 とりわけ、対処療法的な就職支援活動もさることながら、学校教育の中で、職業観・勤労観の醸成を図っていくこと、さらには、それに伴う技能修得であったり、進路選択を促すことが重要です。

 しかも、それは、できるだけ早い時期が良い、岡山県「早期」起業家教育研究会の「早期」は、そういう意図です。

 また、このことは、商業高校だけの問題ではなく、なんとなくとりあえず進学するモラトリアム的な普通科でも、極めて重要なことです。



 具体的には、全国の9割が行っているという中学2年生の職場体験(岡山では、「チャレンジワーク14」)の充実に加えて、来年度新しく予算要求されている「キャリア教育推進事業(予算要求額1468万円)」や、「目指せスペシャリスト推進事業(同1200万円)」が、注目に値します。

 ある意味で、産学官、小学校と中学校と高校と大学、学校と社会等々全てが連携するということです。

 国で言えば、内閣府、文部科学省、厚生労働省、経済産業省が、若年・長期失業者対策を連携して当たっています。



 ところで、
 義務教育のある一面は、言うまでもなく、立派な日本国民を育てることにあります。ゆえに、義務教育は無償です。
 それは、立派な社会人を育てることでもあります。

 現在言う立派な日本人、社会人というのは、第一義的に「お国のために」戦場で戦う御英霊のような方ではなくて、まずは、日本国民の三大義務を果たす人間のことです。

 日本国民の三大義務とは、すなわち、勤労の義務、納税の義務、義務教育を受けさせる義務です。いわば憲法上の権利もあれば、憲法上の義務もあります。
 原則があれば例外があり、ゆえに、福祉主義が、指導原理としてもあるのは、言うまでもありません。

 いずれにせよ、そのための教育をしましょうということです。自由を謳うのもよろしいが、まずは社会のお役に立つ人間を育てようとする教育が基本ではないでしょうか。


 ゆえに、実は、教員は、社会をきっちりと見ておくことが、何よりも肝要で、大学の学問研究でない限りは、それが社会でいかように役に立つか、確信を持って、教授する必要があります。

 「お国のために」の反省に立ったとしても、豊かな人間性が、いかに社会で役に立つかは、自明です。




 気になるのは、職業欄に自営業と書く人が減っていることで、1990年の261万人が、2001年には、135万人に大激減していることです。

 チンチン商売と言われながらも、私も、陶器屋の倅で育ちました。いわば、小売商人が元気でないと、適正な職業感は育たないと私は思うのです。あるいは、それは、商店街かもしれませんが。商売人が元気でないと。

 そういう意味では、起業する人間が、うじゃうじゃ出てくることで、這い上がってくる連中は、非常に強い活気ある経済と言えます。
 起業家魂、アントレプレナー教育も、極めて重要です。



 しかし、一方で、こうした勤労意欲であるとか、職業観の基本は、私は、やはり家庭にあると思います。
 親の働く姿を見て、子供は育ちます。

 要は、親がダラダラ生きないことが、一番の職業教育のように思います。
 そして何よりも、己の職業が、社会でどんな意味があるのか、胸を張り、堂々と子供達に教えることも必要です。

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《日本の高校進学者100人のその後の進路》
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高校中退  7人
高校卒業 93人
           うち就職 16人
     うち大学短大進学 42人 中退 4人
                  卒業38人
                      進学 5人
                  インターン 1人
                      就職21人
             進学も就職もせず11人

 うち専門学校・専修学校等進学 26人 中退 3人
                  卒業 23人
                      進学 4人
                      就職 17人
             進学も就職もせず 2人

     うち進学も就職もせず  9人

※在学中もさることながら、社会に移行する時点でのリタイアが多い。
 大卒者の3割が、進路未決定。しかし、一切就職活動をしない者もいる。
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就職後(初職から3年後)のリタイア率

 大卒      3.5割
 短大卒       4割
 高卒        5割
 専門学校等   不明
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25歳までに、何がしかのリタイア経験がある者

            58人
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 余談ですが・・・・

 ホリエモンの動きは、事が動く時には、そういう人も必要であろうというものだとは思いますが、何か結果として、仮に、金銭的には潤っても、最終的には、勝てないやり方、あるいは人生観のように思えます。
 実はもっともっとえげつない人間はいるでしょうから。

 人間臭い、実に良いエリートなのでしょう。江川卓氏に雰囲気が似ています。己ができるばかりに、できない者の気持ちが本質的に分からない人間というのは、明らかにいます。
 そういう人間が、意外に誰かに踊らされているのかも。


 いつの時代にも、覇道と王道の違いというのはあると思いますが、勝てば官軍という言葉もあります。ただ、何事にも、大義がいります。

 現在のマスコミに、どんな問題があって、何を変えようとしているのか、その部分をマスコミは報道しないですが、プロ野球同様、おそらく問題の本質自体は、突いているのではないかしら。
 あるいは、大義が、意図的に茶化されているのもかもしれません。

 しかし、いずれにせよ、彼の議は分かりますが、大義が分かりません。時代が変わったというのは、大義ではありません。

 どうあれ、彼は若いです。後世畏るべし。しかし、海千山千は、もっと畏るべし。あるいは、より大きな大義は、後付けされるというのも、歴史です。


 彼が政治家ならどうするだろう?という見方をしています。あるいは、なぜ彼が政治をしないのか?を聞きたいものです。

 しかし、一番聞きたいのは、彼の職業観・勤労観です。私は、多分、ホリエモンのようになりなさいと子供には教えません。

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