2004年2月15日(日) 【食糧自給率について】

 農林水産省が昨年末に発表した平成14年の食糧自給率は、平成10年から5年連続の40%ということです。

 著しい経済成長で円高が進行した昭和45年後半から農林水産物の輸入が急増。昭和40年度の73%から、50年度には、54%と急落。昭和60年度移行、日本人の食生活が大きく変化したことなどから再び急降下、平成10年度には、ついに、40%になりました。


 食生活の変化というのは、要するに、日本の気候・風土に適し自給可能な米の消費が減り、畜産物や油脂類でカロリーを摂取するようになったということです。
 それだけ、とうもろこしなどの飼料穀物や、大豆・なたねなどの油脂原料が輸入されています。

 それに加えて、食の外部化、経済のグローバル化、デフレ不況が、低価格かつ安定的な輸入食糧への依存度が高まり、環境悪化による漁業生産のダウンも手伝い、反転の方向へは構造的に向かい難くなっています。

 それでも、牛丼騒動に見られる輸入途絶等の不測の事態への備えや、世界の食糧需給の安定のため、自給率は、どうしても上げていかなくてはいけません。


 特に、「食」に関しては、食の安全の問題、脂肪摂取過多による生活習慣病、大量の食べ残し・廃棄、輸送等に伴う環境への負荷の増大等問題は目白押し。

 そのためにも、「食育」の推進、日本型の食生活への回帰、地産地消の実践が重要になります。

 さらに、生産する「農」については、農家数、農業就業人口農業生産額、農地面積、耕地利用率の全てを上げていかないといけません。


 ちなみに、岡山県の食糧自給率は、40%。これは、高熱量作物である米の生産が、全国比96%より多い133%だからですが、野菜の51%、畜産物の75%を除き、小麦、大豆、いも類、果実、魚介類は、6%〜28%で、食糧自給には、遠いものがあります。

 もちろん、東京都1%、大阪府2%、神奈川県3%に対して、北海道190%、秋田県158%、山形県128%と、都市部と農村部の比較はできませんが、岡山県が、仮に、生産調整しなくても、最大60%までしか、自給率は上げられない現状では、未来に大いなる不安があります。

 06年から、人口減に転じますが、中国やインドが日本並みの大量消費を始めて、砂漠化が進めば、日本の食糧危機は、かなり高い確率でやってくることになります。


 街づくりでいえば、市街地を大きくく広げず、田園や森林が二重に街を包むという、環境に負荷をかけず、自給自足を目指す、コンパクトな街づくりこそ、日本が生き残っていく道だと思います。

 なにより、季節外れのものを食べたいとか、珍しいものを食べたがるような贅沢を慎み、足るを知ることが大切で、たとえそういう趣味がなくても、朝からコーラを飲むとか、毎日、丼ものを食べるとか、真夜中に、お好み焼きを食べるとか、思わずスナック菓子に手を伸ばすとか、子供とお菓子の取り合いをするとか、そういうことが、いけないのだ、と、歌丸さんが、言ってました。

 ちなみに、我が子は、先日、知らぬまにピーナッツを食べ過ぎて、夜中に鼻血を出しました。まずは、そういう食べ物を子供の目に付かないところに置くようにしないといけません、と、妻が言ってました。

 要は、食生活を見直そうということですね。

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