2002年9月7日(土) 【『七人の侍』を考える】

 昨夜、集中アンテナで入るNHKBSで、『七人の侍』の後半を観ました。毎度のことながら、菊千代が、半ケツを出して死ぬ場面では、悔しくて、涙が出そうになります。彼は、その死をもって「侍」になれたろうか・・・?

 私は、TV「東京ラブストーリー」の赤名リカと「七人の侍」の菊千代に関しては、感情移入してしまい、この2人への悪口は、許さない、そういった者です。大体どうでも良いのですが、この2人は、特別です。
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I○ ○I  菊千代については、多分、この△に、自分を重ねてしまうので
I○ ○I ょう。自らのアイデンティティーを賭けた野武士との戦いで、侍に
I○ ○I してみれば、まさに、「侍」の誇りを賭けた戦いあったのでしょうが、
I △ I 菊千代にしてみれば、何物かわからない自分が、まさに、「侍」に
I た I なるための戦いでした。
       彼は、○になれたのかなぁ・・・。

 戦い終わった後、生き残った侍達は、疎外感に襲われますが、今回は、妙に共感しました。議員と侍を比較すると、侍に失礼なことは百も承知で、ある意味での疎外感は、共通かもしれません。ただ、封建時代ではなく、地方議員は、大概が、△なのです。地方議員は、議員に生まれません、議員になるのです。

 そして、不思議と長野の県議会議員のことを思いました。
 彼らは、△から○でなく、野武士扱いされて、昔の仲間から、石もて追われるようです。

 誰にだって誇りはあります。私は、人間にとって一番大切なものは、誇りだと思います。死ぬ間際まで持っていたい物は、あるいは、死んでも守りたいものは誇りです。それを失った時に、人間は人間でなくなります。
 一番してはいけないこと、残酷なことは、誇りの部分を傷付けることです。

 絶対的な正義もなければ、絶対的な悪もない。ましてや、誇りについては、裁く資格は、神以外ないのですが、いずれ、人間の誇りまで含めて裁かれるのが、議員の宿命です。
 辛いだろうなぁ、侍になろうとしていた長野の県議達にとっては・・・・。


 観る度に、己の状況で、誰に共感するかも含めて、見方が変わってくる、やはり、「七人の侍」は、不朽の名作です。

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