2001年1月23日(火)【祈必勝 秘書から議員へ】

 選挙事務所でよく見かける「祈必勝」ですが、実は、岡山県議会議員 佐藤真治のものもあります。ただ、岡山市内での需要が殆どないため、幻の「必勝為書き」と言われています。
 ほとんど役に立たないと思われますが、おまじないの一種として、頼まれもせずに届けることもあります。御利益は、んーよくわかりません。
 何か「勝負事」に、私の「必勝為書き」が必要な方は、お申しつけください。え?んなもん、いるか?そうでしょうねぇ。


 本日は、倉敷市議選挙の陣中見舞いにまわりました。とりわけ気になるのは、早稲田大学の後輩であり、かつ秘書仲間でもあった32歳の候補です。

 2世議員のようで、2世議員でない、ベンベン。経営者のようで経営者でない、ベンベン。市民運動のようで、市民運動でない、ベンベン。町内会長のようで、町内会長でない、ベンベン。それは、何かと尋ねたら、はー、秘書上がり、秘書上がり。っとくらー。

 保守系議員に至る系譜として以前は、特に都市部では、議員秘書上がりというのがあったのですが、おそらく私は、岡山市では、十数年以上ぶりの秘書上がりといえるでしょう。
 とりわけ、小選挙区下で、自らの秘書を選挙協力して頂く地方議員の対立候補にぶつけるというのは物凄いことで、それは代議士の人物の大きさとしか言いようがないのです。感謝してもしきれません。
 多分、私が逢沢代議士の立場なら、私の出馬を許可したり、協力することはできないでしょう。それだけ、凄い方なのだと改めてしみじみ思います。
 逆に、私の責任もまた、どんどん重大になっていきます。
 今後このパターンで、秘書が出られるものなのかどうか・・・・。


 かように、例えば将来議員を志して秘書にして貰えても(秘書になる動機・経緯は様々ですが)、そこから先は、本人の資質や努力もさることながら、「親分」の度量で人生どうにでもなってしまいます。引き上げて下さる方に恵まれるかどうか。私は、その面で極めて幸運でした。
 まさに、徒弟制、縁(えにし)、義理、人情、順送りの発想が全てのような、良い意味で、保守系政治は「古い」社会かもしれません。
 加えて、自分ではどうしようもないもの。「運」が、人生を左右します。

 自民党の派閥や政治のメンタリティーの基本は、外部の方には、ちょっとわかりにくい、民主党がドロドロだと平気でけなすような、こういった人間関係にあるのです。
 保守の本質は、「赦し(ゆるし)」かもしれません。そこに、妬みや恨みつらみ、徹底的な攻撃はない、のです。どんなに戦っても、どこかで、引く。赦す。


 政治改革、党改革をいくら叫んでも、変えるべきではない「情」の部分がある。だから、政治なのであって、算数の計算のようにスパッとは割り切れないのです。
 そこらへんを例えばマスコミが全て否定したら、あるいは否定したから、おかしくなった、「情」がない、「赦しがない」もっと言えば「愛がない」そんな社会になった気がします。そもそも、人生は、不可解なり。人間だもの。
 人間世界のことだもの。人間世界のことなのに。だから政治があるのです。

 もっとも、特殊な人間関係は、行き過ぎれば、時にそれは「癒着」や腐敗の原因にもなります。結局、汚職は、堅い人間関係が、一番ひどい形で出てしまったものと言えなくもありません。
 しかし、どこの世界にも強固な人間関係は、あります。その組み合わせです。
 KSD問題で、偶さか象徴的に血祭りに挙げられた方がいても、野党を含めて、それをスケープゴートに別の問題を逃げ切る人もいるでしょう。
 どうせ、氷山の一角ではないか、皆さんそう思われているのでは?
 全部繋がっているのかもしれません。

 今の私には、こういった危うさは、まだありませんが、いずれ苦しむのだろうなと思います。要するに、一線の画し方に尽きるのかもしれません。
 どんどん悩もうと思います。どう画するのか、新しい時代の新しい画し方を模索しないといけません。

 大きく脱線しました。


 秘書上がりについてです。

 そうは言っても、秘書ならば、理に合わぬことも、本意でないことも多々あったでしょう。秘書残酷物語や勘違い(虎の威を借るきつね)を少しは体験したでしょう。選挙、生の政治、人間社会を見てきて、しかし理想があって、自ら立とうとする。皆まで言うな。わかる。だから、エールを送りたいのです。

 例えば、真冬の深夜の運転手で、車の中で代議士が出てこられるのを待ちながら、いろいろ考えている。そんな時に、寒かろうと家の中から、缶コーヒーを持ってきて下さる方がいる。なにげない優しさ。そんな情に救われたから、恩返ししたい。
 人間バンザイ!!人間なんてララーラ、ラララ、ラーラ。それでも、人間が好き。人間社会が好き。
 秘書上がりは、要するに、そんな連中です。だから、チャンスが貰えるのかな。私利私欲が先に立てば、実は、その前につぶされるでしょう。

 ちなみに、岡山市第一選挙区の自民党県議5人のうち4人が、いわゆる秘書上がりです。そうは言っても、根本では、どこか通じるものがあるのです。


 この春、運転手でお互いしょっちゅう顔を合わせていた同世代の元議員秘書がもう1人、自らの地元に戻り、地方選挙に立候補する予定です。本当にうれしいです。
 2人とも、頑張れ!頑張れ!頑張れ!

 チャンスを頂けた者として、全ての議員秘書に恥じないよう、私も頑張ります。

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