2000年12月30日(土)
【長文20世紀の終わりに  行政への提言書の扱い】

 話はがらりと変わって、NPO法人を標榜するある団体から、知事に提出した提言書につき、なしのつぶてである。問い合わせた佐藤に経過説明せよ、と書留め郵便が送られてきて、なぜか私が、年明け早々呼び出しを受けることになりました。
 あまりに失礼な書かれ方だったので、かえって喜んで、出席することにしました。

 一応、27日(水)に担当課から、レクを受けたものの、この団体が過去十年にわたり、提言書や陳情・請願を様々な議員を通して、当局に提出していることが、判明致しました。

 実は、当局が一番困るのは、この提言書です。昨日書いた「審議会」は、「諮問」に対して「答申」するので、その提言を行政は、恭しく扱いますが、行政が頼んだ覚えもない団体からの突然の提言書は、本当に扱いに困るのです。

 基本的には、市民・県民が直訴するそういう形式は、できていません。例えば、青空知事室で、実際に政策に結びついたものがあったようですが、もし、任意の一部の方の提言書に対して、まともに、行政が答えるなら、それはそれで、民主的コントロールが及んでいないのです。

 これは、提言書でなくてもありえます。首長が、ある団体の長と会って偶さか聞いた話(提言)をまともに受けて、政策にし、いきなり発表する。実は、その団体のメンバーすらよく知らなかった。結果その団体まで混乱する。
 そこあるのは、首長の行政権の乱用であり、民主主義の原理にもとっています。ある方には、極めて都合の良い首長でも、ある方には、鬼になります。

 あるいは、もしも、そこに選挙でお世話になったから、という特殊事情が介在するようなことがあれば、少数者の人権は、行政に平気で踏みにじられるでしょう。少数者の意見は、圧殺されるでしょう。
 真の民主主義は、徹底的な議論を経た(少数者の人権に配慮した)多数決によってのみ実現されます。

 ゆえに、公開された議会が重要なのです。そこで、徹底的に議論されるべきなのです。議会の採決を持って、行政に執行させる、それが本来の姿です。
 提言書は、行政でなく、議会にどんどん出して下さい。議論させて下さい。

 請願権は、憲法上の権利です。要望等は、どんどん議長に向けて提出して下さい。議会や委員会や部会が、混乱するぐらい大量に毎議会提出されるべきものです。
 そして、議員を説いて下さい。議員を説ける形で、提出して下さい。とことん議員を使えば良いのです。
 行政に媚びることも、すがることもありません。市民・県民自らの手で、議員を議会を行政を動かすのです。


 そのためにも、動く議員を選ばなくてはいけません。議員は、自由で民主的な社会を作る道具にすぎないのです。そのために、動かない議員は、動けない議員は、反目に動く議員は、不要です。それを選挙で選ぶのです。それこそが、21世紀の選挙です。
 また、それの応えられない議会なら、なくなってしまえと思います。全部お上に任せれば良いのです。


 いつも申し上げることですが、定例議会は例えれば、株主総会です。年4回の株主総会の株主は、我々市民・県民です。
 岡山県株式会社の代表取締役社長は、知事。副知事は、専務や常務。各部長は取締役。県警本部、教育庁は100%出資の子会社。社長は、県警本部長に教育長です。

 会社の状況や方針について、株主代表訴訟のように、代表権を持った議員が、株主たる市民・県民の代表として、質問という形で問いただします。
 それが、本会議です。
 ゆえに、議員は、株主の声を運ぶ道具です。だからこそ、うまく議員を使うのです。逆に言えば、議員が質問しなければ、機能していないのです。

 議員は、道具です。私自身市民・県民の道具ですが、私は、私にとっても、道具です。自由で民主的な社会の構築のための道具になる、良い道具をうまく使う、それだけです。

 市民・県民・議員・議会全てが、変わらないといけません。

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