2000年9月17日(日)
【政治家とカネ お金なら、ない!】

 またまた、日曜日の戯れ言です。日曜日は不評です。ご覧になるのが、月曜日の朝でしたら、心よりお詫び申し上げます。週始めに、本当にすみません。


本日は、先輩議員の御身内の葬式で、会派の若手は、立礼に立ちました。議員の御身内の方の心労が、身につまされるようでした。
 ありがたいことに、議会事務局も出て、県執行部も並びたいへんなことでした。(お願いだから、両親には、少なくとも私が議員を辞めるまでは、生きていてほしいです。)

 話変わって、先日、あるベテラン議員が、秘密裏に、これほど失礼、かつ、おもしろいものはないという「議員の金持ち順リスト」を作り、私は堂々貧乏の2位にランクされました。これを聞いた妻が、「悔しいね、絶対1位よね」と、胸を張り、トホホでした。(1位は、自慢かやー!?)

 実際、普通は、自民党の若手が一番貧乏になる仕組みになっているのですが、最貧乏にランクされた先輩議員と立礼に並んで立ちながら、グチグチ言いました。(やっぱり「早稲田」には、貧乏が似合うなぁ!)
 「 家が、大きな商売をしてるだの、2世でもない僕たちには、自ずと限界があるね。」という言葉に、少し黄昏ている私でした。

 ちなみに、毎月15日支給の今月の給与は、額面が、807500円もあります。秘書時代の軽く3倍以上です。これ全て私たちの税金で、感謝いたしますが・・・・ここから、所得税、県町村税、共済長期掛金が引かれ、手取りは、644300円になります。ここから、死ぬほど高い国民年金、国民健康保険(もちろん自腹です!!)をひくと、60万円を軽く割り込みます。

 ここから、30万円を生活費として抜きますが、その中には、保険料や妻の活動費(妻にも、しばしばお誘いがある)、出産準備費、医療費も、もちろん含んでいます。ついでに、ヘソクリもその中から、いざという時のためにしておくよう(私を捨てて逃げられるように)頼んでいます。

 残り、30万円に遥かに満たない額から、10万円を事務所の家賃で引きます。さらに、事務所の光熱費、通信費、維持管理費等さっぴくと、既に10万円強しかありません。ここから、慶弔費、交際費(活動費)を捻出しても、黒字の月は、ひと月としてありません。20万円を越える赤字もザラです。

 1回、飲食の伴う会に出れば、6000円は、かかります。物理的にも、時間が幾つかの会合とバッティングして出られませんし、全部は断れませんので、何回に一回は出る、という会が、連日続きます。会のはしごをして、ビール1杯8000円で退席ということもあります。

 自分の新聞を出したり、選挙応援に伴う出費も不定期に、かさんできます。

 加えて、選挙資金も貯めなくていけません。
 昨年の選挙で、私の把握した部分では、選挙の法定費用に、それまでの政治活動費用を加えて、約1200万円かかり、うち個人で賄えたのは、800万円です。
 次回、どんな形を取っても、数百万年は吹っ飛ぶでしょうから、その貯金も捻出しないといけません。
 活動を広げれば広げるほど、お金は湯水の如く出て行きます。
 背伸びをした活動の一切はお断りしたい、それが本音です。

 結局は、政務調査費では足らず、賞与で穴埋めし、私の小遣いは、議会出席の時に出る出県旅費が、財源です。それで、主にガチャポンをし、「週間ベースボール」を買います。最近は、それが楽しみで生きています。



 もしも、私が自営業の経営者や社員で、かかった費用のどこかが、伝票で落とせるなら、選挙には手弁当で来てくれる組織があり、家計を圧迫することなく戦えるなら、全てを自分でしなくてもよいだけの支援が、政治スタイルを決して曲げない形で、あるのなら・・・・・もっと、お金が、あれば。あ〜お金、お金。お金ってそんなにいいものなのかしら?(「夕鶴」のおつう談。)

 しかし、もしも、そんな立場なら、私は立候補しなかったでしょう。また、そういう立場の人間ばかりが、立候補すべきでもない、と思います。
 もし、私が、金持ちのトップクラスにランクされていたら、きっと、奇麗事ばかりで、今だって自分自身の言葉として、なにも腹から語れなかったに違いありません。こんなメールも送りはしないでしょう。政治も、これで良いでしょう。自分に、不満がないのだから。誰の、何を伝えるでもなかったかもしれません。もちろん、立派な方も、たくさんいらっしゃいますが、私は、きっとそうなるという話です。


 結局、役割なのだと思います。この形で、議員にさせて頂いたには、理由があるはずです。
 私は、年俸1000万円を越える高額取得者ではなく、お小遣いが3万円あればびっくりのサラリーマンなのだと、ご認識下さい!!サラリーマン、使用人の怒りを知れ〜!!(プロレタリア真ちゃん)

 とはいうものの、やっぱり会社員は、なんだかんだで手厚く守られているとも思います。人を雇うのがどれだけたいへんか、一人だとどれだけたいへんか。感謝して働こうよ!!経営者は、たいへんです。結局、社員の人数分の悩みを抱えてしまいます。
 庶民感覚から大きくかけ離れないところに、いつもいたいと思います。


 議員である限り、伝える術のない人の声になりたいと思います。お金も、時間も、力もある人には私なんかいなくても大丈夫!私なんかよりもっとうまく伝えられる人もいるでしょう。佐藤じゃなきゃ駄目なんだ、という人の、声になりたいと思います。それが、11分の1の役目です。
 ただ、少数意見には、少数になるそれなりの理由があると思いますし、時に、弱さを武器にする人もいることを重々認識しながら、少しでも多く、小さくても大切な声を議場に運ぼうと思います。



 今、政党以外への企業団体献金禁止の抜け道として、与野党問わず、各議員の後援会組織が、各党の地域支部に組織替えしています。党員50人以上で、例えば、私なら、自由民主党岡山県第一選挙区第四支部を作ってしまう、といったものです。企業献金をそもそも受けたことのない共産党のターゲットになっていくことでしょう。
 また、政党間の献金は、自由ですから、結果これでザル法です。

 選挙のあり方を含め、今後改革の必要なところです。おそらく、本当に純粋に政治を志す人がいても、これだけお金がかかっては、歳費が「これだけ」では、まず選挙に出られないし、出ても民主党の某代議士のように、維持できないでしょう。
 たちまち、食えない状況に追い込まれて、その結果、手っ取り早くお金が手に入る方法に走る議員がいたとして、議員だけをあるいは責められないのかもしれません。

 私は、選挙までは、なんとか、食べてはいけますが、このままでは、選挙の時に、間違いなく、すぐ資金ショートを起こすでしょう。
 早晩、私自身が腹をくくって、しかるべき方に、御相談に行く必要があります。が、しかし、私自身が、スタイルを迷っています。


 今日は、洗いざらいぶちまけた形になってしまいましたが、この状況で、皆様は、どうすべきだとお考えになりますか。
 選挙は、避けて通れません。また、死んでも落ちては行けません。それは、絶対です。ただ、通れば良いというものでもないのです。

 政治家とお金。それは、選挙スタイルであり、同時に、政治スタイルの象徴です。36歳の佐藤真治は、時代の趨勢の中で、どう転がっていくのか、どう生き抜くのか、自分で、自分に期待します。

Copyright (c) 2000 SHINJI SATO Inc. All rights reserved.satoshin.jp