2000年5月11日 【それぞれの業】

 いつ、どこで、どんな形で、議員になろうとも、まず議員と名がつけば、およそ何かの無理をしていない者はないと思います。

 私は、岡山5区の出来事をコメントする立場にはないですが、それぞれの議員が必ず似通ったドラマを持っています。(私は、決して議員が主人公などと思ってもいませんが、少なくとも濃い支援者の方以上に、当事者であったはずです。)
 立候補するまでに、当選するまでに、当選してからも順風満帆に行ける者は皆無でしょう。皆なにか、あるのです。

 そして、選挙である以上、必ず誰かを傷つけています。結果としてであれ何であれ、全く望まずとも、誰かにご迷惑を掛けてしまっています。
 そのことに、平気なわけがないのですが、対処しようもないものが、すなわち、「業」になるのだと思います。背負っても背負いきれないもの、自分ではどうしようもないもの、があります。そして、それは議員が、議員である限り、選挙をする限り、死ぬまでついてきます。

 そこから来る批判や、時には誹謗中傷すら、黙って受け止める以外ないのです。あるいは、心が、むせび泣こうが、やり過ごすしかないのです。そして、言い訳してはいけません。なぜなら、経緯はどうあれ、議員になろうとしたのは、選んだのは、自分なのですから。

 私は、小選挙区下で、代議士秘書から、県議になるチャンスを頂戴した人間です。これは、ものすごいことなのです。そのことから、多方面に様々な影響を及ぼしてしまう事実を目の当たりにして、日々苦しんでいないと言えば、嘘になります。しれっとして、平気なわけがないのです。私は、私の「業」をしょっています。
 馬鹿を言うなと怒られそうですが、時々ならなけりゃ良かった、やりなおしたい、と心から思います。そのくらいめげそうになる時もあります。

 ただ、今の自分にできることを最大限恩返しする以外にないし、抽象的ですが良い議員になって社会全体に還元する、恩返しする以外にないのです。
 「愛と夢を公正に分かち合う社会」を作るために、政治の世界にいるのですから。それが、目的なのですから。

 高校生の詩ではないですが、「強く」なりたいと思います。 票を投じて下さった方、生まれ来る子ども達のためにも、「負けられない」のです。


 総選挙が、近づいています。

Copyright (c) 2000 SHINJI SATO Inc. All rights reserved.satoshin.jp