2001年10月19日(金) 【県のシンクタンク】

 本日は、最近おもしろくなってきた決算特別委員会。本日の調査は、岡山県のいわば、シンクタンクといえる企画振興部。個人的には、知事部局の中で、最も楽しいところで、岡山県政の未来を決める重要な部です。
 私が、県庁職員なら、是非行きたい部です。

 よく叡智を結集し、と安直に言いますが、この部から、どんどん施策が飛び出てくることが、岡山の活力になります。つまり、岡山の未来ビジョンを示すとすれば、この部です。岡山県の命運を握っていると言えるでしょう。

 もっとも、実は、この企画振興部から、まだ知事のカラーが飛び出ていないというのが、大方の評価です。
 この部の所管である、岡山情報ハイウエイ、吉備高原都市、倉敷チボリ公園、航空行政など、前知事の積極施策が、今となっては、大きな課題となり、その処理に四苦八苦しているのが現実と言えると思います。


 実際には、平成9年度に策定された「岡山県長期ビジョン」で、県政の目標とされた「快適生活県おかやま」の実現のために、今、中期計画の「夢づくりプラン」を造っている最中です。

 しかし、この「夢づくりプラン」なるものが、よくわかりません。
 我々議員が、時に県政に停滞感を感じるというのは、この部分が、具体的に示されないからです。当選以来、これでもかと美辞麗句を並べた、「アクションプラン」や「基本計画」や「ビジョン」を幾冊と頂戴しますが、どれも総花的で素晴らしい作文なのですが、具体性がない。端的に言うと、数字が示されない、そのことに大いに不満なのです。

 数値目標を示さないのですから、評価のしようもない、何年か経ったら、また漫然と計画を作り直す、その繰り返しです。きれいなパンフレットを造ること自体が、目的なのか、これでは、「のび太の夏休みの学習計画」です。

 10月中には、「夢づくりプラン」の大枠が示されると思いますが、いわば岡山県政の命運がこれで決まります。是非ご注目下さい。


 ところで、議員は、議員で、提案をしていないわけでもないのです。例えば、本日の委員会でも、「ものづくり立県」として、その基本となる「科学」の振興については、どう考えているのか、という問いに対しても、非常に曖昧でした。

 個人的にも、福祉、環境の観点からの産業振興の道はあると思うのですが、手段としてのITに夢中で、どう活かすかの話が出ないのが、非常に不満です。今後どうやって、我が県は、食っていくのか。

 結論的には、もはや行政をあてにする時代ではないのかもしれません。


 ただ、どうしても、企画振興部が避けて通れない問題があります。それは、市町村合併の問題です。県のあり方、国のあり方の話です。

 この市町村合併、平成17年3月までの飴と鞭の時限立法は、どうせ、延長されるんではないか、というのが、一般的な見方です。

 一方で、78市町村の半数以上が、過疎団体で、過疎対策の重要性が叫ばれ、各地方振興局で、地域住民の要望を踏まえ、事業相互間の調整を行う「地方振興事業調整費」は、総計約25億円。振興局長の裁量権が強くあります。

 岡山県では、人口特例により、平成16年3月までに、邑久郡3町が合併して、人口39000人の邑久市が、誕生するというのが、一番現実味のある話のようです。
 仮にそうなっても、どこまで、追随するか???


 いずれにせよ、企画振興部からあっと驚くような企画が飛び出てくることを切に祈ります。

Copyright (c) 2001 SHINJI SATO Inc. All rights reserved.satoshin.jp