2008年11月19日(水) 【初の国民保護訓練】

 午後には、初めての岡山県国民保護訓練(実動)が、桃太郎スタジアムなどで行われました。

 武力攻撃やテロなどから国民を守る国民保護法(「武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律」)に基づく条例や基本計画に沿う訓練です。

 本日は、国籍不明のテログループによる化学剤散布事案が発生し、多数の死傷者が。その後、テログループは、化学剤を所持したまま船で児島湾に逃走しました。
 児島湖に船で逃走すると、締め切り堤防で、ゲートに鋏まれて、しばらく、ボラのいけすに入る必要がありますから、周到に準備していたのでしょう。


 例えは極めて不適切ですが、ガチャピンにムックのような色合いの宇宙服のような防御服を着た消防、警察、自衛隊の特殊な隊が、「展示」ではなく、予め被害者が何人で、どういう状況でいるという情報などなしに、まさに「訓練」として、機敏に動きました。

 私は、毒を撒いた上、逃げ惑う観客に、ライフル銃を持った残存集団が見境無く発砲し、それに、自衛隊が応戦するシチュエーションの方がリアルだと申し上げましたが、明らかに、『シュリ』と『西部警察』のイメージに引っ張られている事に気がつきました。

 国民保護法に基づく実働訓練で、市街戦を想定するのは、やはり、無理がありますが、想定できるなら、有事でもないでしょう。

 実際のところ、相手がライフル銃なら、ジュラルミンの盾など軽く通過、短銃でも垂直に来れば通過、なにより、ブロック塀を吹っ飛ばす破壊力で、鉄人28号のように、ダダダダダーンと跳ね返すことなどないとのこと。武装勢力なら、なおのこと。
 そうなると、やはり、自衛隊の本格的な出動が想定されるのが、有事なのだと思います。どこまで想像を膨らませるか・・・・。


 いずれにせよ、駐屯地を除けば、今まで防災訓練で、河原や運動場で、「展示」として、自衛隊は登場していましたが、市街地で、警察や消防と連携しながら、迷彩服を着た隊員による訓練が行われるようなことになるのか。
 実際の有事はそういうことなんだけれども、なかなか、これは難しい訓練だと思います。もちろん、市街戦を想定した展示は、自衛隊駐屯地では、よく見るわけですが。

 ともあれ、来年は、これに消防防災ヘリコプターが加わって、今日のように、防府から自衛隊のヘリの飛んできて頂かなくて良いということになって、良かった良かったと思えるのか、ちょっと分かりません。


 9月1日の防災の日に絡めた総合防災訓練と比べて、今後、この国民保護法に基づく国民保護訓練が、どう展開していくのか、自衛隊のあり方まで含めて、議論が必要になってくるのでしょう。

 一方で、テロという暴力的手段に訴えなくてはいけない、その背景がなんなのか、そこに無関心でもおれません。

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