2003年12月19日(金)
【教育基本法の改正について】

 市内各地域で、小学生が不審者に声をかけられたり、襲われたりするような事件が多発する中、京都で再び、池田小の事件を思い出させる事件が起きました。
 子ども達の心に、また大きな傷を作ってしまいました。

 地域に向かって、学校を閉ざしてしまうこともできるのかもしれませんが、その方向が一概に正しいとも言えないと考えられ、しかし、ガードマンを雇うにも予算が要りますし、PTAや地域住民で守るにも限界もあるとも考えられ、しかし、社会構造上、この種の事件は、今後も減らないのではないか、とも考えられ・・・・・・北の国から状態ですが、大切なのは、あくまで子供の安全。そのためにも、ともかくは、まず地域がしっかりと手を繋がねばいけません。

 しかし、地域コミュニティがしっかりしていることが、あるいは、なにがしかの排斥に繋がらないとも限らないとも思われ・・・・・
 なかなか良い方策が見つからない状況です。


 昨日の本会議で、教育基本法の早期改正を求める意見書が提出されたその内容について、お知らせ致します。

 これは、岡山県議会として、内閣総理大臣、文部科学大臣、衆議院議長、参議院議長に宛てて提出されたものです。
 法的拘束力というと微妙なものがあり、一説には、あまり目を通して頂けないのではないかとも言われています。

 「現行の教育基本法は、終戦直後の昭和22年、占領下のもと現行憲法とともに制定され、個人の尊厳、教育の機会均等、9年間の義務教育、平和的な国家・社会の形成者の育成を目指した。その結果として、国民教育の普及拡大や教育の量的拡大などの面では大きな成果を上げてきた。

 しかしながら法制定から半世紀を経た現在、国際社会と我が国の社会は、大きな質的変貌を遂げ、同時に、今日まで日本の社会を支えた社会・経済システムは、ここに来て看過できない歪みを露呈している。例えば、教育の基本に係わる青少年の規範意識の無さ、公徳心、公共心、愛国心、郷土愛、家族愛、歴史・伝統の軽視、日本人としてのアイデンティティの欠落など、社会的存在であるべき人間としての大事なものが失われつつある。

 今こそ、我が国の教育に関する基本的かつ抜本的な改革が求められており、そのための教育基本法改正問題は、今日の日本の最も重要な課題の一つである。
 よって、国においては、歴史や伝統文化を尊重し、愛国心・郷土愛の涵養や国際的視野を有する有為な人材の育成などを目指す新教育基本法への早期改正をされるよう、強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。」


 私も、今後の議論の中で、一番内容を詰めたいし、公明党が、かねがね反対していたのは、「愛国心」という言葉です。逆に、今回、自民党が入れたかったのも、この言葉です。

 ただ、偏狭なナショナリズムとして使っているのは、ごく僅かのようにも思います。

 愛するに足る国か、という声もあれば、愛する国にするのが愛国心だという声もありますが、いずれにせよ、愛国心という言葉が出ると、JFKのような爽やかさというよりも、いきなり右翼と言われてしまうのも、悲劇ではあります。

 少なくとも、基本法で謳うからには、自然な気持ちと言うのではなく、言葉自体の是非も含めて、内容は、はっきりしないといけません。

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