2002年2月11日(祝・土)
【台湾特別編3 日本人はどう生きるべきなのか】

 日本の若者が、あまりにだらしないので、徴兵制を採用すべきではないか、という話は、この頃、冗談まがいによく耳にすることです。

 私もだらしないですし、本当に、若者が、だらしないかどうかわかりませんが、新人類と言われた我々からしても、なんとも、だらしなく見えるのは事実です。

 もっとも、私が、今、10代なら、もっとだらしないでしょうし、ストリ−トミュージシャンにせよ、深夜のバイトだって、よく頑張ってるなぁ、という気もします。

 要するに、特に、若い男が、だらしなさそうだ、という気がするわけです。


 台湾でも、2年間の徴兵があり、男は鍛えられ、国のために自分が何をすべきか明確に答えられるようになる、と言います。

 台湾で、地下鉄や路線バスに乗って、男性は皆、徴兵に行ったんだなぁ、と思うと、妙に不思議な気がします。
 お隣の韓国、釜山で、聞いたのは、大学の途中に、彼氏が徴兵に行っても、たいがいの女性は、待たないものだ、徴兵から返ると頼もしくなって、かえって男性は、もてます、という話でした。

 ただ、はっきりしているのは、仮想敵国がないと、徴兵の弊害も出るだろうなぁ、ということです。若者を鍛え直したり、思想教育したり、場合によっては、経済波及効果を及ぼすというのが、徴兵の本来の目的ではないでしょう。
 やむにやまれぬ事情でないと、限りある人生の時間の時間の制約は、できません。徴兵など、ないに越したことはないのです。

 こういった日本の事情が、ある面で、平和ボケ、国際感覚(外交は、国益を守るための武器を持たない戦争である。ゆえに、外務大臣は・・・・)の欠如を生んでいるのは事実ですが、むしろ僥倖というべきなのでしょう。
 しかし、はっきりしているのは、徴兵に行った若者には、様々な面で、まず勝てません。冷徹な事実です。
 私も、中国や韓国や台湾の同世代の連中と戦えるかどうかわかりません。


 台湾では、TOEICで満点を取るような連中が、日本語を専攻しています。ただ、バブル崩壊以降、日本離れが急速に進んでいます。また、さらに、台湾大学ではなく、安くて、さらに人的ネットワークがある、北京大学に進学する者が増えていると言います。
 日本のアイドル歌手のCDや、アダルトDVDが、出回っていますが、果たして、それで、日本に心が向くのか。憧憬を抱く国でしょうか?

 恥ずかしくて書きたくはありませんが、日本の男性の夜の素行が、台北市長の逆鱗に触れ、いわゆる取締りも厳しくなっています。いったい、日本男児は、アジア諸国に、なにをしに行っているのでしょう?
 一方、あいかわらず、日本人向けの免税店は、ブランド商品が並び、かなり高額のものが売られ、若い女性が買い求めています。日本人しか行かないでしょう。どこが、不景気なのか。


 海外に行くたびに、ああ、日本って、いいなぁ、としみじみ思えなくなっている自分に気付きます。どんどん世界からずれ、どんどん自国を見失い、昔言われた倫理観も、勤勉の美徳も失われ、「日本売り」に象徴されるように、世界中から、いい笑い者になってるんじゃないか?

 どう考えても、おかしい。日本は、日本人は、こんなはずじゃないんだ、そう繰り返すばかりです。日本人は、そこまで馬鹿じゃない。皆、立ち上がろうとしているんだ。負けてはいけないのです。


 政治が全て悪いのでしょうか?

 しかし、このように考えると、要するに、若者の見本になるべき格好良い生き様の男性がいないということこそが、一番の問題であり、つまり、自分が、私自身が、一番問題であることに気付きます。
 若者が、どうと言い始めた時点で、格好の悪い「おっさん」になり、目標とされなくなるわけですね、きっと。

 求めても仕方ない、要するに、自分が、どう生きるか、です。

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