2000年10月28日(土)
【ソウルフル!ソウル(韓国)】

 派閥の親睦旅行から恥ずかしながら帰ってまいりました。岡山ーソウル便もあるので、多くの方が、ソウルには行かれたことがあると思いますが、私は初めてでした。実に楽しゅうございました。

 「選挙区外の気楽さ」を多くの議員が、満喫されたようで、こんなことでもなければと、思い思いに楽しまれたようです。
 同時に、そこは議員ですから、国際政治や歴史についても、ずいぶん考えさせられる旅でした。


 観光名所の景福宮にしても、「気」を削ぐために、ほんの90年前に、朝鮮総督府が置かれましたし、豊富秀吉軍が侵略者として、破壊した建物だとか、日本の傷痕は、そこら中にあります。
 正確には、日本が大陸に関心を示したのは、千数百年前からで、見方を変えれば、いわゆる朝鮮半島は、日本と中国の侵略に常に脅えていた歴史です。そのことは、事実として認識すべきだと思います。

 今回は板門店のそばの軍事施設地域内から北を見たり、北朝鮮が秘密裏に南に向けて掘った通称第三トンネルの見学(地下74メートル!!登りがキツい!!)も、しましたが、これとて、日本の武装解除を名目にした、米露の戦いの結果で、「北朝鮮は、恐いね」などという資格は、日本にはないのかもしれません。

 同時に、敗戦国日本が、分断統治されなかったのは、まさに僥倖であり、一歩間違えれば、南北ともに武装して、「北日本は恐いね」と米原あたりから、双眼鏡で独裁者のいる北日本を我々は見ていたかもしれない、と思うと、国際政治というものが、つくづく恐いものだと思います。

 韓国は、18歳で身体検査、原則20歳から2年間の徴兵制をしいているわけですが、国防ひとつとっても、日本は平和ボケしていると痛感しました。
 国際社会のパワーバランスの中に自国が、あるということに日本人は、あまりに無頓着かもしれません。


 さらに、夜の明洞(日本で言えば、新宿か渋谷)を歩いている若者を見るにつけ、都会にもまだ幾分儒教的なところもあり、茶髪やガングロ、厚底ブーツ、超ミニスカートといった若者は、そうおらず、道を尋ねても実に親切丁寧で感じが良く、彼らの世代の次の世代には、おそらく日本人は、精神面とか人格面で圧倒的に差が開くだろうな、と思いました。

 また、昼夜の南大門市場を尋ねると、日本で言えば上野のアメ横を10倍パワーアップした破壊力で、まがいものも多いのですが、したたかさや、勢いを感じました。なにより、彼らは一生懸命です。

 真夜中12時過ぎても関係ない、ともかく呼び込みをしまくる。個人的には、「日本人からは、いくらむしり取っても構わないんだ」という、割きりを感じますが、彼らのパワーには、ただただ脱帽です。


 ただ、自国の女性を平気で、「売ろう」とするのには、抵抗を感じますが、それだけ日本人が、品性下劣な証拠であり、それが、生きる術なのでしょう。
 しかし、生きることに熱心な姿は、目標を見失った日本人が、謙虚に見習うべきところだと思います。

 たいした資源が、あるわけでなし、ほとんど日本と同じ物を生産する韓国。10年前に来られた方が、感嘆の声を上げるほど変貌するソウル。
 良くも悪くも、日本人のメンタリティーを一番理解している国だと思います。いたずらな「やられる」という潜在的な恐怖心でなく、正面切っての友好関係が、もっと深まれば良いと思います。
 さしあたって、2002年ワールドカップの共同開催があります。スタジアムは急ピッチで、工事が進んでいました。

 できれば、今度は釜山から、入ってみたいものです。
 岡山県としては、岡山ーソウル便が、うまく使いこなせたらいいですね。


 ところで、安いからと修学旅行で、高校生が韓国に行って、免税店で物を買ったりするのは、良いことでしょうか?女子高生は、国外でも地べたでアグラです。
 外国についてそれなりに充分勉強して行ってはいるんでしょうが、日本という国についての認識、日本人であることの責任・自覚が、不十分な者には、海外渡航・出国を許さない、なんてことには憲法で保障されているのでなりませんね。

 特に、老若男女問わず、集団になった日本人の飛行機の中や、買い物中の態度は、まさに世界への恥さらし・国辱という場合があります。

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