2008年1月19日(土)【共助とは言うけれど・・・】

=======================================
 この1ヶ月、忘年会、新年会続きで、だんだんお腹が気色悪くなってきました。もう食べたくありません。でも、食べています。


 朝一で、20周年の岡南飛行場界隈に。児島湖花回廊が、一部切れている難しさがありますが、「空の日」のイベントを民間主導で行っていく中で、私はこの地域に大きな夢を感じます。

 とにもかくにも、田園が広がる人気スポットにしたいですし、世界で初めて空を飛んだ鳥人幸吉を生んだ岡山(もっとも、追放しましたが・・・)のとしては、児島湖で、鳥人間コンテストをやりたいぐらいです。花火大会なども、雰囲気はあるのですが、移転は難しいでしょうが・・・。

 そして、防災ヘリコプター基地も、是非、岡南飛行場につくり、陸・海・空に繋がる防災拠点として、整備すべきだと思います。
=======================================

 そこから、難病患者等就労支援講座。岡山県難病相談・支援センターの活動報告のようでもありましたが、疑問も感じました。

 この時期に、こうした国の外郭団体が絡んだ催しが行われるのも意味があるのかもしれません。ただ、なんで、市町村まで協力していないのか、私には理解できかねます。予算の使い方を精査する必要もあるかもしれません。


 難病を抱える方や人工透析患者に、仕事を直接紹介することは出来ないが、関係機関と連携を行い情報提供や職場訪問等、就労の手伝いをするわけですが、まさに、医療、福祉、教育、労働の縦割り行政の狭間に落ちているように思えてなりません。

 特に、職業安定行政機関であるハローワークは、国の機関であり、労働委員会がある県の産業労働部よりも、岡山労働局との関係の方が、かような就労支援の場合は、実際には強くなります。
 県北では、窓口が、ハローワーク津山になっています。


 この問題は、難病だけでなく障害者の就労についても当てはまりますが、障害者自立支援と就労支援は、あくまで連携すべきもので、その前提には、当然、生活支援、医療支援も必要です。

 そして最後は、ハローワークが窓口で、本人の個別ニーズに応じた地域連携が必要とするわけですが・・・つまり、それ以外の行政は、何をやっているのでしょうか?
 県の役割が、いよいよ分からんな。

 イメージとしては、リスタートさんの「おかやま若者サポートステーション」とも、「おかやま若者就職センター」とも、民間の就職支援とも違いますが、障害者就労支援は、行政がマトリックス組織で対応しなくてはいけないものだと思います。

 それにしても、厚生省と労働省が合併して、厚生労働省ですが、就労についても、岡山県の窓口が、難病の場合は、医薬安全課、あるいは、障害福祉課というのは仕方ないのかな?
 保険の関係もあるのでしょうが、職業安定行政機関は、一義的に国であるべきなのでしょうか?

 非常に考えさせられます。
 この問題は、もっともっと膨らませられるはずなのに、目的が不明の会でした。

     ===========================

 そこから、友党・公明党の新春の集い。公明党員が、統一地方選挙・県議会議員選挙で、私に票を入れて下さることはないでしょうが、党の関係は、そういうレベルのものではありません。
 福田総理の所信表明演説に、国民が連発されたのも、連立政権の良心とも言える友党の思いを受けてのことでしょう。

 自民党党大会では、来賓の太田代表の御挨拶では、イチローのように、1番も3番も打ちます、とのことでしたが、メジャーでは、3番打者最強説があります。

 連立も9年目。「大衆とともに語り、大衆とともに戦い、大衆の中に死んでいく」という公明党の立党精神には、いささかの揺るぎがないことに、心から敬意を表します。
 今日も、47人の県内の地方議員がずらりと並ばれましたが、ともかく、嘘やはったりが一切ない、勉強熱心な真面目な議員ばかりです。

 思えば、最初の小選挙区の総選挙での相手は、公明党候補でした。先方の秘書に、「あんたら、自民党は、○○と○○の見方か!俺たち公明党は、○○と○○と○○の味方だ!!」と言われ、「なんて立派な人なんだ、是非、勉強させて下さい。」と申し上げて、なぜか○○新聞を3ヶ月とったことがあります。
 こういう『怒りの葡萄』のような思いは、連立を組んでも、公明党内の誰一人、一切ぶれていません。


 で、公明党さんが立派なのは、ようわかったけん、問題は、我が自民党です。いや〜感心しました、お見事ですね、では、済むはずがありません。
 つくづく、本当に、つくづく、自民党がしっかりせにゃおえん!!という気持ちに、今日もなりました。

     ===========================

 そこから、『岡山県防災シンポジウム2008』のパネルディスカッションに。

 この催しも、主催が、岡山県、岡山地方気象台、(財)消防科学総合センターで、あるいは、阪神・淡路大震災の起きた1月17日あたりに、開催することに意味があるのかもしれません。
 「あなたは、自然災害から愛する地域を守れますか?」ということで、特に、平成16年の台風の被害をベースに地域防災について語られました。


 思えば、平成16年の8月30日の16号、9月7日の18号、9月29日の21号、10月20日の23号と続き、特に、16号と23号の被害は甚大で、一連の台風で、県内だけでも、床上浸水6362件、床下浸水9682件、死者も8人。

 ちなみに、平成16年度の総合防災訓練が台風の影響で中止になったのは、8月29日でしたが、気象予測の段階で、県も対策本部を立ち上げたものの、要するに、スーパーコンピューターの計算を越えた想定外の高潮の被害でした。

 ちなみに、この年の今年の漢字は、『災』でした。


 M6の東南海・南海地震が起きた場合、こうした浸水した家屋が耐震構造上大丈夫なのか?九州を横断する台風ならば、高潮の心配があるというメカニズムを理解しておく必要性、「警報」について安易に考えていないか?避難指示が出されて一斉に避難した場合の対応、避難場所は、高潮に襲われることを前提にしても、郊外ではなく市中につくるべきだ等々、考えさせられる指摘が多くありました。


 ところで、このシンポジウムでも、まとめは、連携、連帯、日常的な活動等、要は、共助の部分=地域コミュニティの再生を強調するものになりました。要は、自主防災組織の強化ということになり、夢づくりプランなら、その設置数が、数値目標に掲げられるわけです。

 ただ、本当に、知恵と強固な結束に基づく、共助の強化で足りるのでしょうか?
 午前中の難病患者の就労支援と同じように、最後は、そこに持ってきますが、では、行政は、何をするのでしょうか?



 フロアからの質問等で、パネリストの行政関係者が、はぐらかされた点が、私は、まさに問題だと思います。

 いわく、海岸の堤防の嵩上げが、遅々として進まないのは、漁業補償との関係があるからだが、どう思うのか?

 ハザードマップの表示の中に、地域住民なら危険と思う場所が、明確に表示されていないが、なぜ、作成の際に、地域住民の声を聞かなかったのか?

 避難場所に指定されている小学校まで距離が遠く、公会堂を避難所にしたいが、海抜ゼロメートルで、非常食も、防災装備も水に浸かる。二階建てにしたいが、一切の補助が無く、地域住民が、資源化ゴミの回収等で積み立てをしている。なんとかならないか?

 全て、生命に直結する生の声です。
 そして、実は、縦割り行政の弊害が背景にあるものもあります。地域コミュニティの強化では済みません。
 これは、早急に対応すべき課題です。


 自助、共助、公助の中で、自立・自律の自助と、地域コミュニティの再生を歌い、共助が、強調されるのはよく分かりますが、協働と連携の美名の元に、公助が、逆に弱くなっていないか?公務員は、何をするのよ?と、気になるところです。

 まるで、地域コミュニティーを支える方は、時には、公務員の指図を受ける無報酬の「共務員」です。

 実は、市民と近い、あるいは、市民そのものである岡山市職員には感じませんが、県庁職員には、公務員が、共務員を「管理」するような発想を時として感じる事があります。
 協働というのは、金と口を出すだけで、一緒に汗をかく気が本当にありますか?あるいは、一緒に汗をかいてはいけないのですか?と、問いたくなるときがあります。

 例えば、消防団員は、消防局員に限りない尊敬の念を抱いていますが、それは、彼らが、紛うことなきプロだからです。
 例えば、もしも、まちづくりを行政マンが標榜するなら、彼が、まちづくりのプロでないといけません。

 あらゆるジャンルで、民間にどんどん引き抜かれる、逆に、どんどん民間から引き抜いてきたプロが集う行政組織でなければ、いやしくも、民間との協働や連携を謳うべきではありません。市民の先駆的な活動を応援するのなら、応援だけをしてくれれば良いのです。
 民間は、リスクを背負い、命懸けの場合もあることを理解して貰わなくてはいけません。

 さもなくば、むしろ、機動的な市民の動きの阻害要因ですらありますし、場合によっては、市民の命に関わります。


 共助とは言うけれど、それは、公助の補完ではなく、自助の延長線上のものです。行政が、共助を強調することに、注意したいものです。

 一方で、県行政の苦しさも感じます。就労も防災も、もう少し国から権限・財源が、移譲されてくるべきじゃないかしら。

Copyright (c) 2008 SHINJI SATO Inc. All rights reserved.satoshin.jp