2005年4月14日(木)【地方政党結成は可能か?】

=======================================
 本日は、ローカル・マニフェスト推進地方議員連盟設立準備運営委員会出席のため、日帰り上京。5月22日(日)に、東京ビックサイトで500人規模の連盟結成大会を開催するための実行委員会を兼ねるもので、いわば北川正恭前三重県知事のコーディネートで、全国から集まった約30人の地方議員が、協議しました。私は、同議連の運営委員という立場になりました。
 全国ネットの地方議員の組織というのは、自民党の青年議員連盟もありますが、結局具体的にすべきことが不明な親睦会になりがち。しかし、この会に関しては、既に、地方議会で何事かをなしてきた猛者(ある意味、変わり者?)が多く、さらなる理論武装を持って事を成そう、場合によっては、したたかな計算を持って一戦交えよう、という意図がありありと伺え、非常に刺激的です。
 覚悟があるという意味では、野武士の気概があります。蛸壺の中で見えなかった、求めていたものがあります。実に、嬉しいです。
 この種の会は、議員派遣というわけには行かず、政務調査費か自腹以外になく、東京くんだりまで行くのは、時間も、お金も、気持ちも、たいへんですが、必ず県政に還元できると確信します。
=======================================

     ↓ 詳しくは

 結論を急げば、ローカル・マニフェストの先には、ローカル・パーティー、すなわち、地方政党結成があるというのが、論理的帰結です。
 ただ、しかし、例えば、私自身が自民党を離れるということは全く考えてもいないため、既存の政党に属しながら、地方政党を作ることが、現実的ではあります。
 もっとも、二重党籍が難しいため、結局は、新たな政治団体結成という道が考えられます。



 具体的に、千葉県流山市では、こうした手段で、保守系(当然自民党を含む)の地方政党「新世会」が生まれ、最大会派になっています。この政党は、ローカル・マニフェストの推進を標榜しています。

 そもそも、地方自治におけるローカル・マニフェストの意味ですが、地方自治は、議会と首長の二元代表制を採用していますが、大統領制と称されるほど、議会と比較して首長の権限が強く、政策の実効性から首長に追従する首長与党と呼ばれるグループが存在しています。
 岡山県議会なら共産党以外オール与党です。

 しかし、議会と首長のチェックアンドバランスの関係からは、地方自治には、与党・野党は、存在しないはずですが、首長与党という立場を背景に、水面下で根回しをするので、限られた財源が適正に配分されないという事態も起きうるのです。

 あるいは、時として、絶対権力の首長の暴走行為を骨抜きにされた、いわばレベルの低い議会は、止められなくなります。

 その状況を打破するために、市民・県民の皆さんと協働で作成するマニフェストに基づいて、執行部に、正々堂々の政策論争を展開し、市民・県民の声を反映させる、それが、議会が、ローカル・マニフェストを掲げる意味です。

 このことは、既存の政党の対立軸とは全く異なるものです。




 そして、それは、すなわち議会改革を意味します。

 流山市の「新世会」の言葉を借りれば下記の通りです。

 <地方議会の現状>

  @二元的代表民主制を無視した首長に対する誤った与野党
   意識
  Aドブ板議員、ポスト争い、
   数合わせによる会派機能の形骸化
  B議員特権、アンダー・ザ・テーブルによる交渉
  C情報不足による住民からのクレーム、投票率の低下
  D予算編成権は執行部にあり、現行の段階では議会は、チェ
   ック機関にすぎない

    ↓

 <地方議会の課題>

  @二元的代表民主制を無視した首長に対する誤った与野党
   意識の改善
  A政策・立案能力の強化
  B情報公開の更なる推進
  C議会の意思決定と住民意識の乖離を正常化するための施
   策の実現
  D議会の権限強化
   (地方自治法96条2項、シティーマネージャー制度など)



 私は、突き詰めれば、この議論は、必ず、議会改革の話になると思います。自縄自縛ではなく、「まず魁より始めよ」です。

 そのためには、私は、議員年金、政務調査費、出県旅費の問題等々を議連として取上げるべきだと申し上げました。
 議会改革を標榜しながら、このことに、言及しない議員は、既に骨抜きにされているか、そもそもが、発する「改革」という言葉は、ただのポーズです。

 さらに、やはり、議員定数の問題も取上げるべきです。無投票になるぐらいなら、あるいは、本会議や委員会に出てこないでも許されるなら、議員の定数を減らすべきです。
 これは、議会内から、誰かが言わないと未来永劫変わりません。


 個人的には、この国を思い、この国を愛する自民党こそが、それを言うべきだと思います。
 やっとそれを言い出せる時機が来たように思います。

 敢えて言えば、ローカル・マニフェスト推進地方議員連盟の立場から私は、それを言っていきたいと思います。自民党の立場だけでは、正直に書いて無理でした。
 仲間や同志が全国にいれば、気持ちの面でも、潰れないかもしれません。
 あとは、県民・市民の皆様が、どう判断されるかです。それを問うには、街頭に立てば良いだけのこと。
 ある意味、政治は、喧嘩です。喧嘩は、勝たないといけません。


 一方で、この度、4月1日付で、自由民主党第一選挙区支部第五支部を立ち上げ、私は、自民党支部の支部長という立場になりました。
 このことは、政治資金の受け皿ができたことを意味します。必要なものは必要なので、体制の整備を行いました。
 同時に、そのことは、私は、自民党の議員として活動することの宣言であります。愛する自民党が、地方政治を変えるのです。


 これから先、どういう事が起こるか分かりませんが、大義を掲げ、堂々かつしたたかに、少しずつ本領を発揮していきたく存じます。
 強くなるために、第二幕を始めたく候。

Copyright (c) 2005 SHINJI SATO Inc. All rights reserved.satoshin.jp