2005年11月11日(金)
【『あの頃のまま』ではない】

 雨の岡山空港を上空から見ると、えらいでかい飛行機じゃなぁ〜と思えば、今年も、アントノフ124型が、ボジョレヌーボーワインを運んできました。経済波及効果というよりも、岡山空港の潜在的能力を誇示する宣伝効果は抜群で、本当にありがたいことです。

 ANAのスカイオーディオは毎回かなり楽しみなのですが、古今亭志ん生の『火炎太鼓』!に、ブレッド&バターの『あの頃のまま』。新バージョンでしたが、昔あれほど好きだった、今で言うフリーターのような「人生の一節をまだ卒業したくない」主人公よりも、「たわいない夢なんかとっくに切り捨てた君」に、共感する自分を発見しました。青春は済みましたが、朱夏にいるゆえ。
 横浜の街並みがそうであるように、「あの頃のまま」止まっているものなんて何一つありません。


 一方で、「第5回都道府県議会議員交流大会」。地方議会に光を当てる「第28次地方制度調査会」の流れの中で、地方6団体の一つ「全国都道府県議会議長会」から委託を受け、大森東京大学名誉教授を座長とする「都道県議会制度研究会」が、この3月に、「今こそ地方議会の改革を」という中間報告を出しました。地方自治法の改正が必要な具体的な17の改革が並んでいますが、いわば、警告の書と言って良いものです。

 ただし、議会側からの諮問に対する要望であるにもかかわらず、具体的な動きはあまりありません。正直に書いて、今回は、研究会の大学の先生方に、「あんたら議員は、馬鹿野郎だ」と言われたものと思っています。

 ゆでガエルのように、このままでは、県議会は、死んでしまいますが、あるいは、本当に県民は困らないかもしれません。制度的に二元代表制だろうが、ただの行政への仲介役のような県議会議員がいようがいまいが、今日も世の中、回っています。
 いわんや、「あの頃のまま」のような議員は、百害あって一利なしです。選挙で当選しようが、候補の自己実現でこそあれ、世の中の役に立ちません。
 「気づかないものに危機はない」。悩みもありませんが、未来には、終わりがあるだけです。


 あぁそれにしても、道州制という制度論ありきでの議論はいかがなものか、まずは、埼玉県や群馬県、さらには、栃木県まで含めて、「政令県」を作ろうじゃないか、というような発想があること自体を知りませんでした。政令市は県と対等、政令県は、外交・防衛以外は、国と対等だ、という話です。同時に、60万や70万の県は、県が、政令市になれば良いじゃないか、と。

 ずいぶん乱暴な議論だなと思いましたが、道州制という流れが全てでもなければ、いわんや中四国州という議論が全てでも何でもないということを思い知らされました。

Copyright (c) 2005 SHINJI SATO Inc. All rights reserved.satoshin.jp