2002年1月26日(日)【地方議会は、立法か?】

 さて、実は、あるご依頼を受けて、議員立法なるものができるのかなぁ、という話を最近、職員の方としています。地方自治法第96条では、議会の権限のうち議決事件として、1項に、「条例を設け又は改廃すること」というのがあります。

 ちなみに、2項以下に、「予算を定めること」「決算を認定すること」などが続きます。そうか、予算制定権は、議会にあるのか、当然だわな。行政にあるのは、執行権です。

 ところで、権限の最初の最初が、条例を設け改廃することとあるにかかわらず、条例を作ったかなぁ・・・と、思うと、確かに、議員発議で、給与カットされたりした条例はあったけれども、アメリカで言うような、○○法の○○が、議員個人名になるような条例、あるいは、各党で、あるいは、勉強会と称する派閥で、立法したという話は、聞いたことがありません。

 執行部の出してくる条例も、法律の焼き直し、施行条例ばかりで、環境三条例も、オリジナルは、ひとつです。いわんや、議員立法なんて。


 というより、地方分権とは言うけれど、地方自治体は、どの程度、立法能力があるのでしょうか?そもそも、「法制局」は、どこか。議員発議で、政務調査室は、立法できるかな??いや、そんなスタッフは、おられないでしょう。
 常に、県は、国の指導が降りてくるのを待っているのですから。

 執行部と議会は、車の両輪。議会は、執行部のチェック機関というのは、よく聞きますが、立法機関と言われないのはなぜ?


 ちなみに、議案提出権は、定数の12分の1。つまり、岡山県の場合、5人の議員がいれば、議員発議ができるし、逆に言えば、同士が、5人いないと、議員発議もできない、ただのひとりよがりの活動ということになります。
 これは、冷徹な多数決民主主義の基本であり、これを欠いては、政治は成り立たない、正義が正義にならないのです。それが、現実です。
 ただ、要するに、5人いれば、どんどん発議できるはずなのです。

 本来我々議員がすべきこと、第一の権限が、条例の制定であるならば、その本旨に立ち返る必要があります。法治主義の王道をいかないといけません。今、若い議員に望まれているのは、議員が、条例を作る能力を持ち、それを執行部にぶつけることです。

 間違いなく、それが、最大の改革の具体的第一歩です。それなくしては、所詮はコップの中の勢力争いの枠をいつまでたっても出ないのです。執行部や他議員を議員が、いくら責めて、改革を叫んでも始まらないのです。悔しいけれど。



 全国都道府県議会議長会発行の「議長会報」という冊子を読むと、千葉県議会で、政策に関する初めての議員提案による「千葉県暴走族及び暴走行為の追放の促進に関する条例」が、成立したことがニュースになっています。
 加入防止、離脱相談の相談員制度創設、ITによる情報の規制など、画期的な内容のようです。

 実は、我が岡山県議会では、30年以上前、保革対立の時、旧社会党が議員立法したのを最後に、どうも政策に関する条例は、出ていないようです。


 委員会や本会議の場で、執行部に提案して「ねだる」のではなく、議会、議員の側から、条例案を出し、それを議論する、そのためには、スタッフもいるわけですが、それができたら、地方自治は、大きく変わります。
 それが、まさに政策による勝負ということです。当然、議員の質が問われることになるでしょう。


 結果として、どこかで、ぽしゃるかわかりませんが、この挑戦、やってみたく思います。なにも、行政の施策を待つことはないのです。
 議員の答は、これしかないんではないかな・・・。


 よっしゃ、ご葬儀と京都に行こう。皆様、良い週末を!!

Copyright (c) 2002 SHINJI SATO Inc. All rights reserved.satoshin.jp