2012年3月31日(土) 【社会保障と税の一体改革】

 年度末の今日、朝は雨、午後から青空も見えてきました。今年度中は、たいへんにお世話になりまして、誠にありがとうございました。どうか来年度もよろしくお願い申し上げます。




 午前には、福島コミュニティハウス竣工式。採光も大きくとられて、木造の落ち着いた、あたたかい雰囲気の建物です。
 もともとあたたかい素晴らしいコミュニティがある地域ですが、平成16年、昨年と台風の被害も出ており、地域で災害に対応できるネットワークが、さらに強固になると思います。


  午後には、政府による『社会保障と税の一改革を考える「明日の安心」対話集会 in 岡山』が、説明者に川端達夫総務大臣を迎えて、開催されました。

 それもあってか、西口界隈は、渋滞となり、一時騒然とした雰囲気でした。ただ政治に対しての怒りの内容自体は、もっともな事のようにも思いました。
 なによりも、これは、政権与党にだけ向けられたものではなく、もとはと言えば、我々の不甲斐なさに起因しているということを大いに反省する必要があります。


 本日の1時間半の公聴会は、しかし、ストーリーありきのようで、これを全国で展開して、社会保障と税の一体改革について、ましてや、消費税増税について、これで一定の理解を得たとすると、かなり乱暴なようにも思いました。

 医療、介護、年金、子育てといった社会保障は、少子高齢化や貧困・格差の拡大などの課題に直面しています。その解決の手段として、消費税の増税ということですが・

 ただ、90.3兆円の予算のうち、30兆円以上、39.4%が、社会保障費で、しかも、年々1兆円増額(地方は、毎年7000〜8000億円)している現状で、税収が、42.3兆円で、あとは、全て借金ですから、要は、税収の多くが、社会保障費に消えること。

 さらに、景気に左右され、特に国際競争を考えたときに、所得税や法人税ではなく、消費税だということ。しかも、役割分担に応じて、消費税増税分の一部は、地方にも来るということ。

 消費税増税の余力があるかどうかを世界中が見ているということ。

 理屈としては理解できますが、問題は、円高・デフレ経済の中で、景気への悪影響の懸念と本当に増税効果があるのかという不安が、払拭できないということ。

 なによりも、徹底した国の行財政改革が、先ではないか?ということです。


 岡山県は、平成21年度から、平均7.4%給与カットしている(我々は、10%)わけですが、それは、東日本の復興支援の財源確保や増税の言い訳のためではありません。

 地方交付税ショックや、不十分な三位一体改革の中で、地方は、どこも行革を進めてきています。ましてや、地域の特色ある社会保障の充実は、行革から財源を捻出するというのが実情です。

 もちろん、行革は、将来の見通しの甘さに基づく結果であり、現在の財政構造上、そうせざるを得ないから、当然すべきことをしているだけの褒められたものではありませんが、なにが、この期に及んで、国家公務員の平均給与7.8%カットか。今さら・・・。

 ましてや、政党助成金も含めれば、実質は、1億円以上収入がある国会議員の先生方が、300万円カットだというのも士気が上がりませんし、議員定数削減の議論も、本格化していません。

 低所得の方には、簡素な給付措置をとは言うものの、公僕という言葉自体には、抵抗がありますが、まるで貴族社会みたいです。
 今、必要なのは、侍です。政治に武士道が、ありません。


 さらに、最後に、川端大臣がおっしゃられたように、例えば、少子高齢化の象徴的な年に今年はなったこと、すなわち、今年新成人が120万人で、いわゆる65歳以上の前期高齢者が、第一次ベビーブームの昭和22年生まれの方が、200万人になることなどは、20年前から分かっていたこと・・・それを先送りにしてきた政治の責任が、あるということ・・・。
 結局、こういう話になるのだと思います。

 かたやマニフェスト違反と言い、かたや、そもそもの原因は、自民党だと言い、しかし、なにか肝心なところでは、手を結んでいるように見えてしまう・・・・。
 本当のところは、何を守ろうとしているのかが、よく分からないのです。

 正直に書いて、政治不信が極まっている状態で、理屈は分かるのですが、嫌な感じが払拭できません。「社会保障と税の一体改革」とは言いますが、改革というよりも、イコール「社会保障のための増税」でしかないように思います。

 行きつく答えが同じでも、怒りの爆発というのは、もうあっても不思議ではありません。


 いずれにせよ、この議論は、我々にも、具体的な議員定数削減という形で、跳ね返ってきます。なによりも、解散総選挙になっても、勝者なき戦いで、混沌は避けられないように思います。

『正義のシンボル コンドールマン』
   http://www.youtube.com/watch?v=nD7fSYw38_8&feature=related

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