2009年1月30日(金)【政令市の財政は大丈夫か?】

 忘年会新年会と食べまくり、2月からは、再び節制しようと心に誓っています。問題は、吉野家の牛丼ですが、あと1杯食べれば、牛丼のどんぶりが貰えます。2月からは、このどんぶりで御飯を食べれば、吉野家に行った気分が味わえるだろうと・・・

 私は以前、どこに行っても、旅先で、強迫観念のように、マグカップを買っていました。こうした高くない食器へのこだわりは、陶器屋の血ではないかと思います。


 本日は県庁内であれこれと。感染症予防などで、前向きな話も。

 ところで、ファジアーノ岡山のホームの試合が、年間20試合以上で、マスカットスタジアムのプロ野球の試合を思うとき、スタジアムを埋めていくのも、結構たいへんかもなぁ、と思いますが、気になるのは、政令指定都市移行後の岡山市の財政。

 そもそも、政令指定都市は、大阪、横浜、名古屋といった大都市をイメージした制度で、基本的には、住民税や法人税が上がる割には、インフラは、民間の開発も含めて、かなり整備されているため、財政的に豊かだろうな、という印象があります。
 もちろん、実際は異なる面もありますが、基本的に自立して、むしろ、圏域の経済を引っ張る稼ぎ頭の印象です。


 一方、近年の政令指定都市は、大規模な市町村合併で、中山間地域や農村部を持ち、県と同格ではありますが、行政課題自体も、県の縮小版とも言えるほど、大都市の問題に、特化していません。

 特に、県道に伴う権限の移譲は、むしろ責任の拡大であり、よほどの財源の確保を図っておく必要があります。

 実は、この点で、地方譲与税(地方揮発油税、石油ガス譲与税)が7億円近く、市町村交付金(軽油引取税交付金、自動車取得税交付金)が約56億円で、実質的に、約63億円、県には減収、市には増収なのですが、これに、宝くじ等を入れても、本当に政令市になることで、県から市に、責任を果たすべき財源が移っているようには思えません。

 特に、単県医療費公費負担については、実は県の方が驚いた譲歩もしており、本当に良いのかなぁ?と、私自身も感じたものがあります。個人的に、こうした補助事業が大切だと思うのは、法的に決められたものではなく、政治的に判断できるからですが・・・。
 「財政力」と「財政規模」は、別の言葉なのになぁ・・・。


 ところで、我々の払う住民税の仕組みを皆様、ご存知でしょうか?法人税と違い、市に払っているように感じますが、住民税も、県民税と市町村民税に分けられます。
 会社員の方なら、通常は、県市町民税という言葉で、いっぺんに引かれるので、県と市町村を分けて考えておられないのが普通だと思います。

 端的に、均等割(県1500円、市町村3000円)に、所得割を足すわけですが、この所得割とは、収入−給与所得控除−所得控除の課税所得に、税率10%を掛けたものですが、このうちの4%が、県民税に、6%が市町村県民税に行きます。

 ここで気がつくのは、県の森づくり県民税は、均等割の1000円に、500円も加算したものですから、考えようによれば、非常に割合の高い、えぐい税であること。

 そして、この計算で行くと、低額所得になるほど、住民税は低くなるので、減税よりも、定額給付金の方が、効果的な面もあるということです。

 また、市町村民税の方が県税より高くなりますが、いわゆるベットタウンでも、日中の行政サービスを他所で受ける人口が多い方が、効率が良いとも言えなくもありません。

 もっと言えば、都市部で、農村部を税収的に支えている側面もあります。もちろん、環境など考えれば、持ちつ持たれつの循環です。

 いずれにせよ、政令指定都市になろうがなるまいが、住民税は、変わりません。県と同格でも、所得割の40%分は、やはり県に行くのです。



 これは、何を意味するのか?

 端的には、県から行政サービスを受けることが減るにもかかわらず、あるいは、市からその分を受けるようになるにもかかわらず、今までと同じように、岡山市民は、県に税金を支払うということです。

 実は、その分を別の形で、県から市に、戻す必要があるのではないか?それが、私の問題意識です。ていうか、そうしないと、財政がもたないんじゃないの?????
 ただ、岡山市サイドで、これを十分に意識していないのではないかしら?という疑念を持っています。

 県と同格に、という理念は分かりますが、県の南北問題をそのまま踏襲する形になるのではないか?特に、北区の広大さは、周辺部を生んでしまうリスクがあります。なによりも、道路は、実に甘くないものがあります。それらの全てに、財政的な裏付けが要ります。

 ともかく、政令指定都市移行後、課題が溢れ出てくるかもしれません。そういうときに、やはり、県との連携が必要な場面も出てくるでしょう。まずは、市のお手並み拝見だ、などという実験を県市の行政でされては困ります。


 こういう観点からは、地域への権限がないとは言え、代表無ければ、課税なしと、拠出に応じた頭数として、政令指定都市選出の県議会議員も必要だという考えもないではありません。
 ただ、ぼーっとしているなら、要らないものは、そう要らないです。

 本日の文章は、政令指定都市選出の県議会議員について、気休めのような今朝の山陽新聞の西尾勝教授の言葉に、ホロリと来て書いたものですが、政令指定都市推進を県議会の側から進めて来た者としては、移行後の責任も非常に重いです。

 それにしても、「押して駄目でも、押し破る」、何事も、気魄が大切です。
 http://jp.youtube.com/watch?v=d0JvLHWIXuA

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