2008年9月27日(土) 【『思いのままに』】

 桃太郎大通りを良い気分で歩いていると、いっぺんに現実に引き戻される相手陣営の街頭演説。なるほどなぁ・・・。

 ナチスが好んだ夕暮れの街宣というのもありますが、非常に伸びやかで、活き活きしていて良いと思います。政府与党に対しては、あれもこれも言い出せば切りがないほど攻撃材料が湧くほどあるので、こういう街宣は、反応もあり、やっていて、本当に手応えもあり、さぞかし楽しいと思います。

 逆に、野戦において、共感が得られるはずもないような防衛をする側の街宣をよく我ながらしているなぁと感心します。奇跡とおぼしきものがひとつでもあれば破綻する、神様がいないことを論証する悪魔の論証です。先方は、マイナスを言うだけで、プラスです。

 かといって、明らかに非があることだけをごめんなさいと謝り続けるわけにもいかんし、一方的な無責任な主張に対しては、戦わねばならないわけですが、ともあれ、これだけ言われるというのは、言われるだけのことは、確かにあると謙虚に反省し、速やかに善処すべきです。

 知事に対してもそうですが、現に生じている事象に対して、攻めるのは実に容易いです。問題は、「ほならお前やってみぃ」と、実際自分がやったらどうなるか、謙虚に想像力を働かせることができるかどうか。
 ただ、そういう想像力が働かない方が良いのかもしれんな、という気もしてきました。

 ともあれ、この選挙、全国的に、自民党は、かなりの苦戦を強いられるのは間違いなさそうです。
 というわけで、本日は、オフコースの『思いのままに』↓
 http://www.nicovideo.jp/watch/sm3339645

 ここ数日、ストレス食いをしておりましたが、今日の御馳走を最後に辞めます。そんな場合でもないです。

============================
【国が国なら、県も県】
============================
 ところで、全国町村会が、市町村合併を進めた結果、町村の機能が低下したとして、これ以上の合併推進につながる道州制の導入に「断固反対である」と明記した要望書を自民党に、提出されました。

 一方、倉敷市議会は、県の財政構造改革プランに対し、「財政負担を市町村に転嫁する内容であり、受け入れは困難」とする意見書を可決されました。早晩、岡山市からも、さらなる厳しい反応があると思います。

 いずれも、背景に県の果たすべき責任論がありますが、しかし、県の広域調整機能や補完機能もさることながら、財政問題そのものでもあり、非常に考えさせられます。
 国がやってきた切り捨てを県が同じようにやるんだね、それが、市町村の正直な反応だと思います。



 こうした状況の中、気になるのは、中山間地や農村部の過疎地の問題です。格差社会の象徴とも言える地域間格差の問題で、まさに、過疎地への対策の見直しが行われようとしています。

 昭和45年、自民党が中心となった議員立法で、最初の過疎法が制定され、10年ごとに、4次にわたり、更新されてきました。
 現行の過疎法は、平成22年3月末に期限切れになりますが、大幅な人口減少、急速な高齢化の中で、いわゆる限界集落が増加しており、国が広く国民に対して保障すべき必要最低限の生活水準(ナショナルミニマム)が、全国津々浦々まで保障されなくてはいけないという意味では、自体はむしろ深刻化しています。

 この9月定例会では、県町村会などから、総務委員会に付託された「新たな過疎対策法の制定に関する陳情書」も、採択されています。
 もちろん、明日投票の吉備中央町の選挙でも、過疎対策は、争点というよりも、共通課題として掲げられています。


 ともあれ、国は、4次にわたって、「過疎地域『対策緊急』措置法(S45)」、「過疎地域『振興特別』措置法(S55)」、「過疎地域『活性化特別』措置法(H2)」、「過疎地域『自立促進特別』措置法(H12)」と続いてきましたが、にもかかわらず、なのか、だからこそ、事態のさらなる悪化を防いだのか、分かりませんが、5次が検討されています。

 特に、国の補助のかさ上げ(法第10条、11条)、過疎地域自立促進のための地方債(法第12条)の発行で、ハード整備は、むしろ手厚い面もあったわけですが、この過疎債を完全に切るわけにはいきません。

 しかし、行政における『自立』という言葉はいつもそうですが、4次で、自立を謳ったのは、財政的に従来通りの支援が難しくなっている証左だと思います。

 いずれにせよ、社会基盤の整備など一定の成果はあったものの、生活交通や医師の確保は、まったなしの状態です。 様々な委員会や研究会が、各組織で立ち上がっていますが、財源はなく、しかも、人的資源が減少している中で、『自立』や『再生』を求めること自体が、酷な状況でもあります。


 ちなみに、岡山県内では、27市町村中18市町村が、人口要件、財政要件を満たして、過疎地域に指定されるか一部過疎地域を持っています。岡山市でも、旧建部町区域は過疎地域に指定されています。

 他に、島嶼部もありますから、実感は別にして、法的に過疎の問題がないと言えるのは、倉敷市、総社市、玉野市、早島町ぐらいで、県下全市町村的な問題です。

 しかも、過疎地の高齢化率は、それ以外の20.5%に対して、なんと32.4%。地域コミュニティの再生や活性化という金科玉条は通用しません。高齢者の皆さんに、地域を自立させるために、まず自立して下さいと言えるのでしょうか。
 本当に、どうしたらええんじゃ?


 ともあれ、道州制の導入反対が言われるほどに、県行政に町村が期待して下さっているのか、逆に、道州制の議論イコール、町村合併の促進の話になるからかは分かりませんが、構造改革路線で、国から切られて、財政構造改革プランで県からも切られるなら、町村の状況は、益々深刻になります。
 まさに、安全安心の話、生き死にの話です。

 ポスト過疎法に議論以上に、県の町村への支援の在り方も、さらに考えなくてはいけません。財政力があると言って、市も、県から自立して下さいというのがイコール補助金削減と言うのも・・

 知事選挙では、県と市町村の関係は、大論点のひとつです。

Copyright (c) 2008 SHINJI SATO Inc. All rights reserved.satoshin.jp