2008年1月28日(月) 【僕たちの借金】

=======================================
 本日は、行財政改革・道州制等特別委員会。久方ぶりに、倉敷チボリ公園と政令指定都市の問題から離れて、外郭団体の見直しや、財政問題に、入ることが出来ました。

 こうした委員会での議題の提出等については、情報が集まりやすい委員長の権限が強く、誰も評価しないし、非常に地味ながら、腕の見せどころです。
 したがって、結果として、ただの司会になる委員長もあれば、あれこれ根回しをしながら、意向を反映させる委員会運営も模索はできます。フロアなら、私も言いたい放題ですが、公平、公正、中立を守りながら、活性化する・・特に、今年は難しいです。
 本当に議会事務局の書記の方に、助けられます。

 本日は、岡山県スポーツ振興財団と財団法人岡山県体育協会、財団法人吉備高原保健福祉のむら事業団と社会福祉法人吉備の里の統合について。
=======================================

 また、県債の借入状況等について。・・・改めて頭が痛くなります。

 平成18年度末の岡山県の県債残高(総額)は、1兆2761億円。「県民一人当たりに直すと、約62万円」です。

 借金を返しても、また起債して借金ができますが、単年度予算の中で、借金返済に充てる公債費は、平成19年度は、1043億円。
 予算総額6942億円のうち、実質的な公債の比率は、17.8%。超低金利にも救われ、改善傾向にあります。

 しかし、つまりは、「岡山県は、一日、3億円の借金を返済している」ことになります。「岡山県民一人当たり、一日150円の借金」を払い続けています。

 「支払うべき金利だけでも、今年度215億円」。それは、借入先の政府資金、公営公庫、市中銀行、証券会社、信用金庫、共済組合などには、利益になるわけです。

 民間等資金は、ほとんど金利2%以下ですが、金利5%以上の高利の公的資金については、3年間の公的資金補償金免除繰上償還で、ほぼ解消されるとされています。

 行革の取り組みが評価され、日経新聞関連会社の「格付投資情報センター(R&I)」から、AA(ポジティブ)を貰えたと喜んで、発行している市場公募地方債は、今年から毎年100億円。
 これも、借金以外の何物でもないのですが・・・・。




 岡山県が、平成8年、石井知事就任後、平成21年を目途とする三次に渡る行財政改革で象徴的に取り組んできたのは、以下の3つです。

 @公共事業費は、平成8年=1589億円→平成15年=1128
  億円→平成21年581億円。すなわち、ピーク時の3分の1に。

 A一般行政施策費は、平成15年=534億円→平成21年=
  418億円。6年で、2割減。

 B一般行政職員の定数削減。平成8年=5545人→平成22年
  =4267人。全国第5位の削減率。

 官は頑張ったのでしょうが、本当に泣いたのは、民ではないのかなぁ・・・。


 平成16年、三位一体改革の中で、国からの地方一般財源減額、交付税ショックで、約350億円の穴が空き、これらの今までの努力が水泡に帰した中で、特定基金の借り受けなど禁じ手で、しのいでいますが、それでも、平成元年から3倍に膨れあがった県債も、その16年以降、臨時財政特例債を除くと、減少傾向にあります。



 ところで、財政健全化債もそうですが、この借金ってなんなんだ?と一言で言えば、ほとんど建設事業債でした。ある意味、インフラとして整備されているのですから、世代間の公平な分担という理屈も成り立ちます。

 起債ができるのは、単年度の義務的経費のうちの人件費でもありません。借金をして、雇用しているというのとは、少し違います。

 どうやれば、県債が減るかで、職員の定数削減をして、予算規模が縮んだとしても、一番効果的なのは、間違いなく、公共事業のカットです。結局、通常債の県債残高の減は、公共事業削減の流れに沿います。

 が、しかし、いったい、どこまで削るのか・・・?



 もっとも、地方交付税の振替で、後で国が払ってくれるから借金させて貰える、臨時財政特例債は、今後も増え続けます。

 しかも、公共事業、すなわち、世代間の公平な分担を言うインフラ整備の建設起債と臨時財政対策債が、入れ替わっていくとなると、いくら国が払うにせよ、トータルでは、より悪質な借金になっていくのではないか・・。

 また、市場地方公募債も、単純に、10年で、1000億。

 景気回復して法人税が入っても、その分、地方交付税が減らされて、・・本当に県債は確実に減るんでしょうか?

 市民であり、県民であり、国民である我々にとっては、行政機構内で、お金をやりとりしようが、出ていく財布は一緒なのです。


 そもそも、無理なんじゃないのか?


 敢えて言えば、こうした行政機構を壊す以外無いのではないでしょうか。道州制を言いながら、財政問題を論じないのは、詭弁です。

 肝心の首根っこを押さえられて、借金まみれが寄って集って、自立なんかできるのか?それを言うなら、集団自己破産ではないのか?

 道州制は、まさに、財政問題だと思います。



 橋下新大阪府知事が、叫んでいます。
 「入る以上に使いません!!」・・・当たり前です。小学生でも分かる理屈です。そんなことは、皆、分かっています。誰もがそうしようとして、「外貨」を稼ごうとしています。
 借金をしないと回らない仕組みの中で、きっと、最後は、国のかたちの問題になるはずです。

 おまけに、道路特定財源は、官僚の代理戦争か、政争の具か・・・。


 財政・・『北斗の拳』のケンシロウ曰く、『お前は既に死んでいる』。

Copyright (c) 2008 SHINJI SATO Inc. All rights reserved.satoshin.jp