2007年5月30日(水)
【誰がためのコンプライアンス】

 一方で、職員の服務規律を徹底させようと設けた「コンプライアンス委員会」、この委員会自体、さらには、答申の法的根拠が不明ですが、提言書をまとめ、昨日、知事に提出しました。

 職員の再就職についての基準や手続きを明確にすることはコンプライアンスで良いのですが、一方で、議員や業界団体などから職員に「働きかけ」があった場合の対処法をマニュアル化することも求めており、なぜか既に要綱案までできています。

 「働きかけ」は、提言という積極的な要素も含み、いわゆる悪い「口利き」ではないそうですが、情報公開の対象にもなり、オンブズマンさんは大喜びでしょう、か?あまりに多い○○議員の不当な働きかけ?てな調子で。
 言い方のテクニックもあり、別にきっと困るような議会活動はしていませんが、情報公開の基準は行政が決めるわけで、これが本当に県民のためになるのかどうか・・・・。


 官製談合に端を発した全国知事会の取り組みの一環ですが、昨今、岡山県では、議員が苦情すら聞き入れて貰えないのに、議員の口利きが社会問題化していたかなぁ?と思います。

 議員としても、やむにやまれずの本意でない無理難題が言えなくなるのは、むしろ助かる面もあり、情報公開としては、もちろん悪いことだとは思いませんが、行政のコンプライアンスの文脈で出ると、清廉潔白で美しい「お上」の公平・公明正大・円滑な執行における法令遵守を阻害する主体が、議決機関たる議会の構成員である我々議員のようで、これはさすがに良い気もしません。
 しかも、いきなりだもんなぁ・・・。


 いかんせん、それだけの覚悟と実績が、行政側にあるのなら良いのですが、ガチンコで議会と戦った「改革派」片山元鳥取県知事が、5年前にしたことを今さら、ついでに、しかも、いきなりやられるようで、また、まずプレス発表という手法も含めて、議会側は、なにかがっくりという感じではないでしょうか。
 どうあれ、ちょっと遅いのでは・・・。

 なお、行政サイドの情報公開の度合いは、県庁のホームページを比べれば明らかです。
 鳥取県 http://www.pref.tottori.jp/
 岡山県 http://www.pref.okayama.jp/

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