2006年1月25日(水)
【医療費公費負担制度見直し案の見直しを】

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 本日は、生活環境保健福祉委員会。TVカメラも入り、大半を問題の「医療費公費負担制度見直し案」の審議に費やし、その他の予算の議論が殆どできませんでした。与野党問わず、疑問が呈されました。
 この問題は、このまま素案のまま、議会で議決するわけにはいかないだろうと思います。私も反対します。
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 今回の見直しは、@子育て支援の拡充、A給付と負担の公平、B市町村との役割分担、を基軸にし、前年比10億円減とします。

 要するに、次なる「構造改革の標的」となることが予想される医療制度改革も関係した国の社会保障制度改革に沿った物で、乳幼児医療費の公費負担が、就学前まで伸び、また、県の試案で市町村の負担が減ったとしても(事務費が参入されていないという説もありますが)、それは、1割自己負担や、対象縮小も伴い、財政的な理由が、かなり大きそうです。

 しかも、国の動向を睨んでいたがため、市町村にはあまりに唐突でした。そして、まさに、どこもかしこも予算編成の大詰めでした。

 ただ、この対象縮小、自己負担増については、財政破綻している現状からすると、介護保険、障害者自立支援法の流れ同様、いささか止め難いものもあると、一応の理解もしますが、同じ県による公費負担とは言え、高齢者、心神障害者、一人親家庭の全てを一律には論じられないと思います。

 机上の数字ではなく、もう少し、個別に見られないだろうかと思います。とりわけ例えば、人工透析患者の方々の御要望は、亡父も、何年も受けていただけに、本当に胸に痛いものがあります。

 受益者としての納税者の観点からすれば、本来は、行政の負担割合の問題ではなく、負担が増えることが問題で、その部分は、強く意識したいところです。



 決定的に良くないのは、県の市町村への補助率を一律2分の1にすることで、例えば、6分の5の補助があったような財政力の小さい県北の自治体への影響はかなり大きいと思われます。

 なによりも、「財政力に応じて」、中核市である岡山市・倉敷市への補助率を6分の1にするというのは、国の社会補償制度改正の動きとは、また次元の異なる話で、明確な説明がつきません。

 委員の中には、5分の1で、と妙な落とし所を見つけるような発言もありましたが、私は、中核市と他の市町村を区別する理由がないことから、あくまで、岡山市議会からの意見書通り、本来の2分の1に戻すべきであり、それを前提に議論すべきであると主張しました。


 県の職員の方々も、国の動向に振り回されながらも、様々なシュミレーションをしながら、まさに芸術的とも言える素案を作られたことには本当に敬意を表したいのですが、市町村にしてみれば、県が国にやられて嫌な事を市町村にやっているように見えるかもしれません。

 ともあれ、素案のまま、知事査定に持ち込まれるようなことではおそらく、インドから帰国して、ここまで大議論になっていると想像もされていなかったと推察される知事も、さぞかし困られることでしょう。このまま、2月定例会で議決ということには、ならないのではないかな、と推察します。
 というよりも、それを許すわけにはいきません。

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