2004年8月6日(金) 【内尾センターの夏空】

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 本日は、生活環境保健福祉委員会の県内調査に一部合流。第三次行財政改革大綱で、廃止が検討されている岡山県立内尾センターを訪ねました。同施設は、精神障害者に対する全国的に稀有なモデル的社会復帰施設です。
 異例ですが、家族会、利用者の会の意見聴取も。
 昨年の11月に、存続を求める陳情を議会が不採択にした経緯があり、「議会には何も期待しない」という利用者の方の怒りの声に、そもそもが、請願・陳情に対して、議会、なにより自民党が、どれだけ真摯に対応してきたのか、議会改革を叫びながら、具体的に、私自身が、しっかりと動いていたのか、申し訳なさや、悔しさで、いっぱいになりました。
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 まずもって、「高校教師」のような事件が起きてしまったことは、たいへんに遺憾です。どうあれ懲戒免職しかありません。


 私は文教委員会所属ですが、岡山振興局管内の県内調査は、他委員会のものでも、参加することができます。私は、一般質問のネタ探しかと言われながら、非常に参加する方です。

 本日は、県立内尾センターの部分のみ参加させて頂きました。

 第3次行財政改革大綱では、岡山県精神保健福祉審議会からの意見具申を受けて、同センターの「廃止の検討」がうたわれており、昨年11月定例会では、付託された生活環境保健福祉委員会が存続の陳情を一挙に不採択にしましたので、議会全体としても、行政の意向を追認したということです。

 問題は、自民党の部会や議員が、内尾センターに足を運び、関係者の声をきちんと聞いて判断したか、ということです。私個人にも少なからずの関係の方からの働き掛けがありました。

 しかし、そこから、ずっと議会が公的に、あるいは自民党議員が私的に、利用者の声を聞く機会は、なかったのではないか、と思います。我々がすべきは、決して、出てきた書類の審査ではない、一歩でも前に、具体的に進めることであるにもかかわらず。
 どうあれ公明党や共産党の方が、遥かに動いていました。


 本日は地元議員の代表として、私は、委員会視察御礼の挨拶をしました。精一杯言えたのは、下記のようなことでした。

 「私自身の意見を披瀝する場ではないですが、ぐるっと外を見て下さい、空が広がっています。また、おそらく夜は星空が奇麗だろうと想像も頂けると思います・・・・・。
 行政効率だけでは測れないことがあります。そして、多分、一度壊したら、二度と作ることができない施設です。
 あるいは、今日の問題ではないと思われるかもしれません。しかし、誰にとっても、明日は、今日の問題になるかもしれません。是非そこらへんを含んで、ご調査下さい。」


 ただしかし、一番の問題は、センターが、精神保健福祉の向上に貢献をしてきたのは事実ですが、精神科デイケアあるいは診療所、さらには社会復帰施設といった民間サービスが充実をしてきて、さらに、利用状況が減少傾向にあることです。

 地域生活支援センター機能は、民間を含めて、整備が進み、ホステル機能についても、利用者が減少しているという数字的な事実はあります。

 特に、利用者、御家族の方々と協議しながら、これからの県立施設が担うべき範囲と役割を明確にする必要はあります。


 それでも、ある意味、採算を度外視したようなケアは、民間では不可能なこともあるかもしれない、なによりも、利用者の表情が、なんとも明るく、自由な雰囲気に溢れていることに、ほっとしました。
 あるいは、ここまで来られれば、辿りつくことができれば、ここを「居場所」にできる、救われる人がいるかもしれない、緩やかに流れる時間と大きな空が、確かにあります。
 私には、なくしてはいけないもののような気がします。


 多分1ヶ月前なら、もっと違った感じ方をしたかもしれません。しかし、今の私には、「救いの場」にも見えます。それは、今日の問題として。

 はっきりしているのは、行政の代弁をしたり、ましてや擁護するのが、議員の役目ではありません。
 だからまず我々がしなくてはいけないのは、勉強です。これに限りません、市民・県民サイドに立って、全てを今日の問題と捉えるために。

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