2004年7月21日(水)
【瀬戸大橋の通行料金は安くなるのか?】

 国へのオール岡山県陳情活動である県政懇談会からさきほど帰岡致しました。

 今日も、とても日本の首都とは思えない蒸し暑い東京でしたが、区役所、法務局等々あちこちと経巡り、九段下では、「昭和館」も、覗いて参りました。

 ちなみに、昭和館は、終戦前後の日本の庶民の暮らしについて、非常にバランスの取れた展示がなされていました。
 個人的には、英霊が眠る靖国神社の遊就館と、旧満州の引き揚げに関しての展示が豊富な新宿の平和祈念資料館と伴に観られることをお勧め致します。


 さて、懇談会ですが、実は、逢沢外務副大臣は、アフガニスタンに飛ばれていますし、橋本元総理もご欠席で、なにか、国会議員席が、昨年よりも、淋しい感じが致しました。

 逆に昨年と違うのは、昨秋の衆議院議員選挙で復活当選した民主党の議員と、先日の参議院議員選挙で比例区から当選した公明党の議員が並んでいることと、参議院議員の加藤紀文先生が、衆議院議員の加藤勝信先生になったこと。
 心中かなり思うところがあります。

 再選を果たした某民主党議員に、「ここ数年で情勢は変わるので、野党にも情報を入れろ」と、いきなりぶちかまされてしまい、傷口に塩を塗り込まれたようでした。
 なにしろ、県議会の委員会の委員長は、全員自民党です。


 三位一体改革の不十分さが、地方に与えている影響については、近々に説明させて頂きますが、行財政改革に喘ぎ、市町村合併に混乱する地方から、小泉総理に、お願いしたいことの多さが、今回の選挙結果に、影響しているのは間違いないところです。

 正直なところ、全体像の説明不足というのは、誰しも感じていることでしょう。ただ、真摯に臨んでも、逸らかされるから、嫌になるといった状況かもしれません。


 ところで、おそらく、岡山ー北京便というのは、早晩実現しそうな感じですが、実際どうなのよ、というのが、瀬戸大橋の通行料金の更なる値下げ問題です。

 本州四国連絡橋公団は、道路関係四公団民営化関係4法の成立により、来年度民営化されますが、その前に、料金値下げの社会実験を行いところです。

 ご案内の通り、昨年7月から、通行料金は、一般車10%、さらに、ETC車は、15%割引になっています。
 正確に言うと、平成9年12月に、5年間割引特別料金が認可され、そこから、昨年に、10%割引ということで、普通車6620円が、4100円になっています。


 可処分所得が少ない我が家は、いけないいけないと思いながら、コンビニで、2300円か2500円のフェリー券を買い、四国に渡る傾向にあります。これが普通の高速道路なら、600円の距離です。
 少なくとも、ここ数年で、私が自動車の往復で、瀬戸大橋を使ったことは、ありません。復路の片道だけです。


 そもそも、この瀬戸大橋に、我が県は、昭和45年から昨年度までに、432億7824万2000円出資し、今年度も、約29億円の出資です。

 ところで、基本料金からの料金値下げは、地方の追加負担により実施される仕組みのため、週末・祝日割引は、ある程度実現可能でも、例えば、前総務大臣が、「8割引でないとインパクトがない、収入減ったら補填する、その覚悟があるのか」と言われれば、知事も、答えに窮するところです。

 5割引なら収入が75%になるといったような数字もあるらしく、1年半額の社会実験を実施すれば、岡山県が、数百億円かぶる可能性があります。
 これはもう土台無理な話です。


 民主党の地方マニュフェストで、瀬戸大橋を無料にすると書いていたように思いますが、それはどういう理屈なのか知りませんが、どうあれ、値下げしたら地元がかぶるという理屈がよく分かりませんし、確かに、仮に赤字になろうとも、経済波及効果を考えないといけません。

 おそらく、瀬戸大橋の通行料金は減っても、例えば、瀬戸大橋が、600円ならば、愛媛や高知や徳島が、さらに近くなることでしょうし、中四国州という括りならば、経済は活性化するかもしれません。
 ただ、宇野は、壊滅です。

 そうこう考えると、瀬戸大橋通行料金が、劇的に安くなるというのは、かなり奇抜な手段でないと難しいと思われます。



 さて、昨夜は、久々のサンライズ瀬戸・出雲(夜行寝台)での上京でした。車窓からは、夏の星座をお供に、また、太平洋に浮かぶ朝日や、光の中の雄大な富士山の影を見ながら、午前7時8分に東京に辿り着き、7時40分には、懇談会の会場に入ることができました。
 カプセルホテルのような狭さは、いろいろ考えることができて、実に良いものです。

 大学時代は、上京も帰郷も、全部青春18きっぷで数日かけて移動し、結局一度も新幹線を使いませんでしたが、多分、その間に、あれこれと書き留めていた何冊もの大学ノートが、今も、「こころ」に続いているのだと思います。
 そういえば、よく、いろんな駅舎で寝たものでした。

 工藤静香の「夜明けに見送られて」をBGMに、鉄郎の青春の旅は続く・・・幸い、今は、実に考えるネタが多くあります。

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