2003年10月14日(火)
【森林保全税について反対しました。】

 この度の衆議院選挙のいわゆるマニフェストの自民党・民主党の対比は下記の通り。
ttp://www.hirake.org/kouyaku/2003syu/young.html

 つくづく思うのですが、議院内閣制ですから、議員選挙の政党の公約が、政権の公約でも、それ良いのでしょうが、それには、せめて政党の中の思いが一致しているのが大前提で、そういう意味では、我が党の派閥や○○族も問題ですし、それよりも、民主党も、本当に、この施策で、一枚岩なの?と聞きたくなるものもあります。

 もっと言えば、本当にマニフェスト論争にしたら、選挙区では困る候補もいるんでないかい?



 さて、本日は、県議会の方の「勉強会」の勉強会。「森林保全税」について。執行部の説明の後、反対意見で、私が、口火を切りました。非常に珍しいことですが、先制攻撃状態。

 ともかく、目的、効果、手段に分けて議論した時、森林保全税の目的を否定するものではないですが、効果については、実は、事業計画は、これから立てるという本末転倒。
 手段については、必要最小限の課税も何も、数字の根拠が全くない、ということで、これでは賛成のしようがありません。

 仮に啓蒙効果なら、募金活動をすべきですし、事業予算なら、農林水産部等から堂々と現行予算内で要求すべきで、新税を課す明確な理由がありません。もとより、産業振興の観点を含めた森林保全「予算枠拡大」については、私は全面的に賛成です。

 むしろ、その重要性に鑑み、新税で基金等に上乗せすることもさることながら、正面から、予算獲得を目指すべきです。そのためならば、喜んで応援団になります。


 私が問題にしているのは、特に、手段です。

 地方分権一括法施行後、いわゆる課税自主権で、法定外目的税を課すことが可能にはなりましたが、法定外目的税としての水源かん養税が、不可能になった時点で、一度議論を見直すべきで、森林保全税と名を変え、一般税として、増税で上乗せするという手法が許せるわけがありません。
 この手段が許されるなら、行財政改革の意味がありません。打ち出の小槌のように新税を作ることができます。


 実は、この問題の本質は、県下の森林の4割を占める私有財産としての民有林が、手も入れられず放置されている状況に対して、森林保全ということで、いかに税金をつぎ込むことができるか、ということにあります。
 そのことが、あまりにも語られていないのです。

 環境の側面からは、受益者である県民も相応の負担をすべきである、という思いが背景にあるわけですが、このあたりをもう少し、明確にしてもらわないといけません。

 さもなくば、県北人と県北人の状況を理解しない冷たい県南人の南北対立問題になりかねません。



 明日は、常任委員会ですので、総務委員会と我が農林水産委員会での議論は必至。
 さらに、第三次行財政改革大綱(案)の審議のために、午後には、追加の行政改革・国体等特別委員会が、開催され、特に、公共事業30%カット等については、様々な意見が出ようかと思います。
 とことん議論を尽くせば良いと思います。



 それにしても、良い意味でも悪い意味でも、この半年で県議会は、随分変わりました。

 はっきりしているのは、審議会の提言書や意見書が出てマスコミ報道されたら、さもそれが決定で、それに対して、意見を言えば、議会の方が、抵抗勢力のように思われるような時代は、去ったということです。
 あくまで、議会が、決定機関です。

 さらに、一部の議員に根回しをかければ、その他大勢の議員が、黙ってついていくような時代も終わったということ。新秩序構築までの過渡的混乱期に突入しました。
 なにより、「情報」公開、説明責任が、議会内部にも及んでいるということを肌で感じます。

 そして、我々議員も、その存在価値で、淘汰される時代が来ました。少なくとも、もはや名誉職でも、差配職でもありません。政策形成能力こそが問われています。


 我々若手が、議員として勝ち残っていくためには、構想力、決断力、機動(喜働)力、そして何よりも、強固な信念に裏打ちされた、謙虚さと潔さが、必要です。

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