2003年10月5日(日)
【続・森林保全新税に反対します】

 本日の京橋朝市は全国朝市。家族で寝坊して大遅刻。

 その後、地域の敬老会に寄らさせて頂きましたが、私が、80歳までもし生きていたら、敬老の日には、「わしゃぁ、バンコクで、ニューハーフショーを見たいんじゃ!」と駄々をこねるような、大迷惑な活力のある爺ちゃんになりたい、と思います。


 さて、森林保全税について。今朝の山陽新聞には、社説に取上げられていましたが、どうも論調は、疑問視のようです。

 森林に関する施策について、県自民党単独というスタンスがあるとは思いませんが、森林議員連盟という超党派の組織で、毎年毎年、行政に対して要望(端的には、県産材の利用・間伐等の予算確保)を続けてきた事実はあります。

 ただ、緊急間伐5ヶ年計画などご利用頂ける方は、極めて良心的な方だと思いますし、県産材の利用の補助などは、非常に好評であるわけですが、現実問題、抜本的な解決にはなっていないかもしれません。

 また、この2月定例会で、自民党が主導の議員立法で、精神条例ではありましたが、中山間地の振興に関する条例を通したのは、ご案内の通りです。


 そして、森林議員連盟として、昨年度は、県内調査で、農林水産委員会でなくとも、どの委員会も、必ず、森林を見に行くということをして、議員全体の意識の啓蒙を図りました。

 ですから、この点について、どの県議会議員も、ある程度の問題意識は持っているのではないかと思います。

 いわんや、山間部の議員は、皆自民党議員ですから、そのお思いは、切なるものがあり、それについては、常日頃から、我々もご教示頂いているところです。

 少なくとも、環境対策、雇用対策等あらゆる面から、間伐等の森林保全の必要性、担い手確保の必要性等については、否定する議員は皆無だと思います。


 恐れるのは、この件については、自民党対非自民党という構図ではなく、都市部対山間部の構図になってしまうことです。

 ただ、個人的には、県議会議員として、それほど狭窄な視点で物を考えるようなレベルの人は、一人たりともいないと思いますし、県民いや日本国民、もっと言えば、地球全体の問題として考えて行くべきであり、そういった啓蒙運動をしていくことは、極めて重要だと思います。


 ただしかし、そのための手段として、森林保全税が、最も有効な必要最小限の手段であるか、と言われれば、現段階では、NOと言わざるを得ないと思います。

 少なくとも、間伐や雇用のために、幾らの費用が要るのかは、計算できるはずですし、県民から一律に金を「徴収」することで意識啓発する、あるいは、お金を取らないと、意識啓発できないと考えるなら、市民に対する愚弄であると考えます。
 少なくとも、500円の根拠など、示されていません。

 ましてや、まさに森林保全運動等の環境運動に取り組んでいる個人に対して、なぜさらに課税する必要があるのでしょう。

 また、極めて環境に対する意識の低い人間に対して、一律に課税をすることで、意識が変わるのでしょうか。

 いわんや、法人といっても業種は様々で、環境に資する活動をしている企業、あるいは、環境への負担を少しでも軽くすべく努力をしている企業へも、一律に、税金を課す理由が私にはわかりません。

 要は、間伐費用、雇用対策等の費用がないのなら、正面から、現在の枠内で予算要求すれば良いのです。
 重要であるなら、それほど重要と思うのなら、別の公共事業を辞めてでも、それに充てれば良いのです。

 「入り以上のことはできない」のです。その中で、やりくりをせよ、と言うのです。市民・県民は、打ち出の小槌ではありません。


 たかだか、500円というなら、その手法で、幼児医療費の補助の年齢を上げて下さい、もっと教育に使って下さい、子育て世代をもっと支援して下さい。
 そんな打ち出の小槌はないのです。だから、悩み見苦しんでいるのです。


 ところで、しかし、私は、いわゆる県北と言われる森林を抱える地域に、大きな夢や期待を持っています。
 確かに、今は、国産材の利用が落ち込み、担い手もいなくなり、森林業は、厳しい状態にはなっています。

 それでも、例えば、木質バイオマスといった形で、新エネルギーとして、森林を捉えた時、あるいは、木材を使った新しい産業の創出を考えた時に、豊かな自然を背景にした県北は、県南とは、全く違う栄え方があるのではないか。

 しかし、そのためには、県北・県南の連携が、どうしても必要です。

 一次産業と流通をいかに絡めて行くのか、六次産業化の必要性は林業も同じです。

 そして、例えば、今、外材は、大阪港から輸入され、陸送されていますが、あるいは、玉島ハーバーアイランドの整備が進み、そこに陸揚げされるようにならないといけません。
 産学官の連携も、あるいは、リサーチパークではなく、真庭産業団地で結実しているかもしれません。

 少なくとも、環境面から森林保全することと並行して、どれだけ、産業の活性化に結び付けるかが重要です。それらは、全て繋がっているのです。

 だからこそ、森林のない岡山市の中心市街地で、森林を通して環境問題を、さらには、産業施策を考え、支援して行かなくてはいけないと思うのです。観光まで含めて、様々な意味で資源なのです。

 しかし、少なくとも、森林保全税には、産業施策の観点が、欠如しています。それでは、一時的に緊急の雇用が創出されても、結局は担い手の創出はできないのではないでしょうか。
 特定の事業の財源確保の意味しかないのではないか。


 いずれにせよ、森林保全税がどうなるにせよ、議論が喚起されるだけでも、啓発効果がある、皮肉を言うわけでありませんが、その点は、評価できると思います。

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