2002年6月10日(月) 【ダム事業見直し】

 ワールドカップサッカーの日本初勝利を心からお祝い致します。
 ただ、ロシアで、サポーターが暴徒化し、日本人が暴行を受けたのは誠に遺憾であり、逆の場面になった場合の日本人の節度ある行動を心から期待します。


 さて、いよいよ6月定例会が始まりました。体調不良でしばらく静養されていた議員も出席され、本日久方ぶりに56人の全議員が揃いました。
 様々な事情がありますが、議場が「56」になることは、気持ちの良いことです。

 さて、通常、予算や補正予算を論じる議会でもない6月議会というのは、低調になりがちですが、今議会の目玉は、2つです。


 ひとつは、本県独自の新税、法定外目的税の創設の議論。

 特に、最終処分場の搬入に対して、産業廃棄物の排出事業者または中間処理業者を納税義務者とし、1tあたり1000円の税を最終処分業者が特別徴収する「産業廃棄物処理税」の条例案は、近県と呼応する形で提出されています。これは、議論もあるところでしょう。
 ちなみに、「水源かん養税」の議論は、しばらく先です。


 今ひとつは、ダム事業の見直しの議論です。

 本県では、水資源を効率的に利用するために、「岡山県広域水道企業団」を設立し、県下の水道の広域化を進めていましたが、7町がさらに「岡山県広域水道事業団」に参加するため、「広域水道整備計画」の改定をしたいとのことです。

 具体的には、吉井川水系の3町(勝央町、奈義町、勝北町)には、「苫田ダム」調整水量を配分。高梁川水系の4町(美星町、北房町、賀陽町、成羽町)には、神郷町の「三室川ダム」の水を再配分するとのことです。

 このことは、給水ベース38万tの苫田ダムの調整水量11万8000tの一部が、はけるということで、苫田ダムの正当性の根拠が増すことと、苫田ダムの「関係者」が増えることを意味します。


 また、この「広域水道整備計画」の変更で、「水道整備基本構想」の見直しも始まります。これは、たいへんなことです。

 すなわち、「苫田ダム」「三室川ダム」の完成をもって、構想目標年度平成37年まで、水資源の安定供給は可能であるということで、同時にそれは、本体工事未着手の船穂町の「柳井原堰」(国事業)と美作町の「大原川ダム」(県事業)の見直しを意味するのです。
 つまり、新規のダム事業は、ストップさせるという知事の判断です。


 多分、ここまでなら、共産党も、もろ手を挙げて賛成ということかもしれませんが、実は、ことはそう簡単ではありません。


 実は、基本計画変更を平成9年に行った苫田ダムの事業費が、1940億円から、さらに100億円の増額。三室川ダムにいたっては、平成2年の計画策定後から、見直しがなく、ここにきて、計画事業費約170億円が、80億円の増額、さらに工期が平成17年度まで1年延長。

 額が、極端なこともあり、非常に唐突の感が否めませんが、この話が、ダム事業ストップと同時に出てきました。

 加えて、苫田ダムと直接の絡みのなかった倉敷市にしてみれば、小田川の治水対策が引き続きなされたとしても、「柳井原堰」については、苫田ダムとバーターで中止という話には、なり難いのかもしれません。

 いずれにせよ、基本構想の見直しという抜本的な変更であるため、かなり、議論になると思われます。これは非常に重要な話です。


 私の方は、これより13回目の一般質問作成のため、13回目の陰気な受験生状態になります。多少愛想が悪くなりますことをどうかお許し下さいませ。

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