2002年5月29日(水) 【新総合福祉・
ボランティア・NPO会館は、平成17年供用開始】

 本日は、生活環境保健福祉員委員会。非常に大きな動きです。

 南方の旧国立病院跡地に、県民と行政が、協働して、@地域福祉活動の拠点Aボランティア・NPO活動の支援拠点、B県の相談・支援拠点である「新総合福祉・ボランティア・NPO会館」が、平成17年に供用開始の運びとなりました。

 まずは、今年度、岡山県事業評価監視員会の事前評価(新規に着手しようとする事業は、全体事業費が10億円以上の事業が、評価対象)を経て、平成15年度〜17年度にかけて、基本設計、実施設計、耐震補強工事、リニューアル工事、平成17年度供用開始という流れです。


 総事業費は、土地取得費が約38億円、リニューアル費が、約54億円の計約92億円。耐震設計のため、リニューアルといえども、必ずしも、安くないのですが、新築ならば、約73億円。リニューアルで、約19億円の削減効果があるとのことです。

 全体の敷地面積は、17546平方m、本館の北3階、南の7階などの建物の敷地面積は、3794平方m。駐車場は、200台です。

 ちなみに、このPFI事業と一体となって、小児病棟を県民の記録資料を保持する「岡山県立文書館(仮称:3階建て。床下面積約1600平方m)」も、同敷地内に整備されます。



 ただ、費用対効果や財政負担軽減を考慮し、PFI手法を導入すること自体は、決まっていますが、リニューアルとすれば、賃貸借の契約の当事者は、いったい誰と誰なのか、なにより、PFI事業者が、なにをもって、利益を生むのか、そもそも福祉やNPOに非常に明るいPFI事業者が存在するのか等々、実は、不明です。

 これは、非常に大きな課題です。本来は、手法(手段)が先に決まるべきではありませんが、財政難の折り、こうなってしまうのでしょう。


 加えて、駐車場のため取り壊しになる看護婦寮の有効活用はないのか、女性相談所・中央児童相談所の移転で、一時保護施設(シェルター)をどうするのか、NGOの扱いはどうなるのか、超複合施設だけに、細々とした、しかし、極めて大きな問題が出てきますが、現段階では、不明です。

 パブリックコメントは、当然とっていかれるようですが、各種団体とのかなり綿密な協議が必要です。


 個人的には、知事の肝いりで、約800平方mが、約1100平方mに計画された「ボランティア・NPO活動センター」部分は、総合福祉とは、違う観点から民間主導で運営されることを強く望みますし、また、NPOインキュベーション的機能も考えられているとのことで、それを是非、推進して頂きたいと思います。


 さらに、民間委託が検討されている平田の「総合社会福祉センター」や、大テナントから県社協や十数の事務所が抜けることになる石関町の総合福祉会館は、17年以後どう使うのか、そういった問題も当然派生してきますが、議論はこれからです。


 いずれにせよ、間違いなく箱モノとしては、リニューアルとはいえ、大型事業です。中身の議論を同時並行的に煮詰めながら、是非とも、成功させなければいけません。


 現在、高い壁に囲まれた旧国立病院周辺は、幼稚園も閉鎖されたため、木立のある公園もあり、治安の面で不安も出ています。やはり巨大な施設や敷地が動いていないのは、よいことではありません。

 中央北小学校も絡んで、裁判所や法務局がある中心部北部の新総合福祉・ボランティア・NPO会館を核にした再活性化が、望まれるところです。

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