2001年10月24日(水) | ||
【外郭団体・第三セクターについて】 | ||
本日は、朝から、いよいよ腰痛も激化し、コルセットをはめて、ある販売協同組合の会で、挨拶。腰が痛いんだか、挟まれた贅肉が痛いんだか。皆様のご健勝をお祈りする言葉にも、思わず、力が入りました。
「せっかく若いのを出したのに、お前が、よたってどうするんなら。」と、お年寄りの方から、お小言を頂戴しました。肥満と運動不足が、主たる原因と同情の声は、全くなし。 午後からは、行政改革・国体等特別委員会の県内調査に合流。この委員会は、今年の花形委員会と言えます。 本日は、岡山県道路公社と(株)岡山広域産業情報システムの調査でした。ちょっと長くなりますが、本日は、2団体について。 《岡山県道路公社》 岡山県道路公社は、年内を目途に、経営改善計画の策定等抜本的な対応策または将来計画を取りまとめる6団体のうちの一つで、「累積欠損はないが不採算事業等について見直しを行う団体」とされます。 ピンと来られないかもしれませんが、岡山県道路公社というと、非常に身近な「岡山ブルーライン」「水玉ブリッジライン」「表町(城下)地下駐車場」「岡南大橋」を管理運営する団体です。 この団体が、累積欠損がないというのは、仕組みがあって、要するに、決められた年限で、例えば、有料道路事業で、償還できなくとも、県に戻され、端的に、通行料は、無料にはなりますが、未償還分は、県が引き受けることになるのです。 ちなみに、岡山ブルーラインは平成16年度に、水玉ブリッジラインは、平成19年度に無料化します。嬉しいと言えば嬉しいですが、そこまでに、通行料で、償還されるはずもなく、要するに、県の負担になるという話です。 ○岡山ブルーライン さて、個別に、「岡山ブルーライン(東備西播開発有料道路)」は、東備地区の基幹道路として、産業ならびにすぐれた観光資源の開発を計り、併せて、国道2号バイパス的性格を守る有料道路として、昭和52年に、供用開始されたものです。当初は、岡山ブルーハイウエイと呼ばれていました。 全長32.4km、総事業費206.5億円。交通量は、平成4年の瀬戸大橋開通時の600万台をピークに、平成5年の山陽自動車道の開通、平成10年の2号バイパスの開通を受け、昨年度は、約382万台。料金収入も、ピークの3分の1以下の約10億9000万円までに落ち込んでいます。 ○水玉ブリッジライン また、「水玉ブリッジライン(水島玉島産業有料道路)」は、水島臨海工業地帯の倉敷市水島地区と玉島地区を連絡し、国道の交通渋滞の緩和と産業の開発を促進する産業道路として、やはり昭和52年に、供用開始されました。 当初は、水玉ハイウエイと呼ばれていました。 全長8.3km、総事業費98.5億円。交通量は、平成9年の約483万台をピークに、昨年度は、約412万台。収入も、約6億6140万円ですが、安定はしています。 ちなみに、これと繋がる予定だった玉島笠岡有料道路は、並行路線ができることもあり、本年度中に、事業廃止予定です。 ○岡南大橋 さらに、岡南大橋は、主要幹線を有機的に結び、国道2号の交通混雑を緩和するため、市街地を迂回し、相互にアクセスする外環状線計画の内、南半環状線の一部区間として、有料道路を建設管理し、円滑な交通の確保、地域住民の利便性および地域開発の発展に寄与するものとして、平成4年に、供用開始。 延長は、960m、総事業費約45億円。ちなみに、料金は、普通車200円。軽車両等20円です。 通行台数は、平成9年をピークに、昨年度は約133万台、収入も、約23億円で、一向に伸びる気配がありません。 ○表町地下駐車場 加えて、岡山県道路公社は、平成2年供用開始の表町地下駐車場(城下駐車場)、城下地下広場の管理運営も行っています。収容台数は、468台(公社352台、シンフォニーの組合116台)。総事業費は、46.5億円(公社36.5億円、組合10億円)。城下地下広場は、総事業費約15億円です。 実は、この城下駐車場の収支不足を道路通行料で、穴埋めしているという事態が続いています。個人的には、せいぜい土・日しか利用しないため、この駐車場の稼働率についての認識が非常に甘かったのですが、実際のところ、昨年度は、利用台数は、対計画比40%すら割り込み(一日あたり903台)、料金収入も、対計画比50%を大きく下回りました。 純然たる利用減はもちろん、百貨店のサービス券の発行が、中止されたことに加えて、周辺に、いわゆる100円パーキングをはじめ、駐車場が整備されたことが、大きいと思われます。 3ナンバー車も、停められるようになったと、努力はされているのですが。 そもそも、利用計画は、2293台/日=468台×4.9回転でしたが、昨年度は、回転率が、1.93台(平均駐車時間1時間52分)ということで、償還額を差っ引くと累積赤字は、17億円。やはり計画に無理があったのではないか、という評価は避けられないかもしれません。 ちなみに、岡山県道路公社から、さらに、道路管理修繕は、岡山ロードサービス株式会社に、駐車場管理運営は、岡山シティーサービス株式会社に、委託されています。 《(株)岡山広域産業情報システム》 (株)岡山広域産業情報システムは、いわゆる第三セクターで、平成12年度までの累積欠損額は、約6.8億円になります。 この団体については、特に業界関係者の方から、ご意見を伺いたいと思います。個人的には、第三セクターたる団体の本来の設立趣旨からすると、役割は終わっているのではないか、民間を圧迫しているのではないか、という意見にも同調したくなります。 そもそも、沿革としては、昭和58年に、国が、「ニューメディア構想」を策定し、昭和61年に岡山地域が、同構想のモデル地域に指定されたことに始まります。 「ニューメディア構想」とは、地域間の情報化格差を是正するともに、地域の情報化を通じて、活力ある地域社会を創造するため、地域コミュニティーの産業、社会、生活の各分野におけるニーズに即応する情報システムの構築を国、地方公共団体、民間の密接な協力の下に行い、これにより高度情報化の円滑な実現に寄与することを目的としていました。 そこで、昭和63年に、高度情報化に対応した岡山県経済の発展と県民生活の向上に寄与するため、国・県・市町村・産業界の協力のもとに、人材面や資金面で、立ち遅れている中小企業の情報化を支援するとともに、県民生活全般にわたる情報化の推進を図るために、設立されました。 資本金は、10.8億円ですが、岡山県が、29.3%、国の特殊法人の基礎技術研究促進センターが、27.8%、その他10市1町、13商工会議所、金融機関、支援メーカー、NTTなど、株主は、47名に及びます。 要するに、岡山情報ハイウエイネットワークの構築、全国住民基本台帳ネットワークの県内ネットワークの構築、通信放送機構ギガビットネットワークの運営管理などを業務として行っていますが、なぜか、システム・ソフトの開発・運営業務、オービスVAN事業なども行っています。 資本金10.8億円で、売上高は、平成12年度、約6億3500万円。当期利益が、約920万円。累積損益が、6億8100万円。経営改善計画を立てているようですが、これは、普通の会社でしょうか。 設立当初購入した、今は全く使えない5億円のコンピューターの償却をまだ行っているとのことですが、業界関係者の方のこの団体に対するご意見は如何でしょうか? 公平・中立の第三セクターが、岡山情報ハイウエイの管理を行っているので、サーバーの数が多いのだ、という評価で、良いのでしょうか? また、岡山情報ハイウエイの基幹回線の話で良いのか、他県、他国との連携を強く考えるべきなのか?民間とどう連携すべきなのか? 是非ご教示下さいませ。 | ||
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