2001年9月6日(木)【岡南飛行場拡張】

 本日は、岡南飛行場拡張施設供用開始記念式が、開催されました。総事業費200億円の事業の供用開始にしては、極めて質素な、なんとも意気の上がらないような、笑顔のない記念式でした。
 むしろ、記念飛行のヘリコプターやセスナに、沈痛な表情を浮かべられる方もおられました。

 残念ながら、少なくとも現段階で、本当に、岡南空港の拡張が必要で、また、今後有効に利用されると確信を持っておられる人間は、皆無ではないか、という気すらします。
 「スカイパーク構想」という素晴らしい夢があったのですが、換骨奪胎のとりあえず造る、そんな箱モノになってしまったのかもしれません。


 昭和37年10月、岡山国体にあわせて、開港した「岡山空港」は、増大かつ高速化する航空需要に対応するため、昭和63年3月、現在の岡山空港開港に伴い、小型機の専用飛行場として利用されることになり、「岡南飛行場」と名を変え、平成4年度からは、「ゼネラルアビエーション空港(小型航空機の拠点飛行場)」の第1号として、エプロンや誘導路等の施設の拡張整備を進めていたのです。

 この拡張事業で、エプロンが、30から67スポットに、誘導路が1本から4本に。格納庫用地、航空照明施設が、新設されました。ただ、午後6時30分まで利用時間が延長されたこと意外、200億円の費用対効果に見合った利用は、現段階では、見込めない、すなわち、小型機も、ヘリコプターも、一杯になることはないだろう、というのが大方の見方です。

 知事は、評論家の竹村なにがしの言葉を引用して、これからは、「ゆとりと安らぎ」の時代で、大型のクルーザー同様、自家用飛行機を持つ人が増え、利用が見込める、という見解を示されましたが、実際は、不定期航空輸送、宣伝、警察・消防活動の強化がメインで、産業・レジャー振興で、地域を活性化する、という「見通し」は、「甘い」と言わざるを得ないかもしれません。


 ただ、200億円という巨費を投じた空港で、地元も協力されてきた空港です。当初のように、飛行専門学校を持ち、航空産業を興す、という夢が、今となっては、少し空しく聞こえても、せめてソフト面の充実で、一機でも多く、県外から来るように、岡南飛行場が、将来、西日本随一の小型飛行機のオアシスになるように、努力していくしかないのです。

 箱ができたことが、終わりではありません。ここからどう使うか、が問題なのです。本当に空を愛する人達の夢が、全て弾けてしまったわけではない、ここからが始まりなのですから。


 桂文珍さんが、9日に、記念イベントで、岡南飛行場に、自家用飛行機で来岡、講演をする、ということは、皆様ご存知でしょうか。当初抽選で、3000人の予定が、抽選で500人規模(応募いまだ300人)に縮小。こういった点からして、利用促進に向けた意欲の無さが感じられます。

 皆様、岡南空港に行かれて、是非ご感想をお聞かせ下さい。9日は、文珍さんに関係なく、9時30分から15時まで、開放されています。岡山県民が、一人1万円以上払って行った拡張です。
 活かしていく以外に、道はないのです。


 個人的には、地域防災の観点から、消防、ドクターヘリ、警察、そして、自衛隊による有効活用というのが、生き残る道ではないか、と思います。

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