2001年9月1日(土)
【行政経営フォーラム 県はいるのか】

 本日は、日帰りで、広島での「行政経営フォーラム」に出席して参りました。「地域経営と自治体経営の観点から」と言う副題がついておりましたが、このフォーラムは、行政機関、NPO、特殊法人、学校、病院などの各種非営利団体、司法・立法機関の経営改革を推進、支援するための社会団体(非営利任意団体)です。

 実は、昨年12月定例会の一般質問のうち、「行政評価制度」については、この団体の主要メンバーである友人に、お知恵拝借したものですが、まさに、今回の「地域を経営する」という観点から、行政を捉え直すというフォーラムの趣旨に賛同し、出席させて頂きました。


 まずは、藤田雄山広島県知事の講演、JR九州代表取締役会長・石井幸孝の講演、さらに午後からは、萩原誠司岡山市長の講演、さらには、パネルデスカッシヨンという極めて内容の濃いものでした。

 自治体改革と国鉄改革の話の中で、「自治体DNA革命」という話が、出てきました。例えれば、DNAから、変えないといけないというのです。他にもかなりひっかかる言葉があり、おそらく9月定例会の質問原稿に、かなり引用させて頂くことになると思います。


 ところで、午後からは、「地域経済に貢献するベンチャー型の市役所を標榜し、元通産省出身らしい経営感覚を発揮しておられる」萩原岡山市長の独壇場の感もあり、広島市長待望論まで出そうな大人気となり、岡山市を大いにアピール。フォーラムの意図を既に、体現しているという極めて高い評価でした。
 これは、全国レベルで、「名物」市長になるぞ、という予感が致しました。

 岡山市民としては、市長が積極的に市外に出られ、積極的に岡山市を広げて下さることは、単純にうれしく、また、岡山市や岡山市長が、高く評価されることを誇りに思います。
 もっとも、選挙区外ということもあってか、岡山市が、広島を遥かに凌駕する、どえれぇもんとして、インプットされたような気もしますが。
 何か、市長の熱烈なファンが、わざわざ広島まで、講演を聞きにいったように見えなくもないですね、これは。

 直接民主制的手法の中に、少数者の人権への配慮、情報操作の危険性という観点で、やや疑問を感じましたが、少なくとも、行政の職員の方が、自信を持って仕事をされるための「正当性の付与」、そのためにも徹底した情報公開をしなくてはいけない、首長としての思いが、よく分かりました。


 しかし、経営といえば、議員は、行政のなんになるのでしょう?
 今日のフォーラムで、私は、一貫して、議員の役割というものを感じざるを得なかったのです。
 経営の観点からして、議員が、なんなのか、そもそもいるんか、ということです。もしも、インターネットの普及で、市民一人一人が、行政と直接双方向でやりとりできるようになったら、いったい議員の役目とは何でしょうか。

 少なくとも、多くの行政職員が感じている横柄で、悪いことばかりする議員。
 むしろ、選挙の当選や私腹を肥やすために、行政の円滑な進行を阻害する、あるいは、特定の者のために、原理原則や手続きを捻じ曲げても、利益を供与する、要するに、大嫌いな議員。
 また、選挙に絡めて、それを求める有権者に、恐る恐る応えるうちに平気になってしまう議員。若くても、どうせ汚れてしまう。
 そんな議員のイメージが、続く限り、この仕事に、なんの夢も希望もありません。当然要りません。もちろん、行政にとっても、百害あって一利なし。

 なんで議員がいるのだろう?
 議員は、どう変わっていくべきなのか。


 同時に、多くの若い県職員が言っていること。本当に県はいるんですかね?屋上屋のような県という組織、県は要らないんじゃないんでしょうか?行政経営の観点から考えると、いずれ県は要らなくなる、もちろん、県議会議員も要らなくなる。その方向に行くんじゃないでしょうか?その通りだと思います。優秀な職員は、皆気付いています。
 県は、要らない。

 岡山市のような市が、自分の足で立てば良いのです。
県がなくても、道や州が、幾つかの市をまとめて、広域的なことについて、国と繋がれば、事足りるはずです。


 議員の遠い未来は、わかりません。ただ、これから、県議会議員は、県と県議会議員に、引導を渡さないといけません。もう、要らないよ、と。自らが、捨て石となるしかないのです。当選させて頂いて言うことではありませんが、県も、県議会議員も、要りません、と言う勇気が必要です。

 自らを破壊する為に、頑張る。それが、多分一番、市民の皆さんのためになることだと私は思います。その限りにおいて、県議会議員の存在は、かなり大きな意味を帯びてくるかもしれません。

 一度破壊しないと、小手先のリストラでは済まないでしょう。

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