2001年8月27日(月)
【水島シーサイド開発解散について 】

 本日の生活環境保健福祉委員会で、第三セクター水島シーサイド開発(株)の抜本的整理(解散)について、生活環境部長からのお詫びが、委員に対してあったようです。
 他の委員会には、資料の配布すらなかったので、同委員会の資料を入手し転載させて頂きます。これって、生活環境保健福祉委員会だけの問題!?


 水島シーサイド開発(株)は8月24日に開催された株主総会で、解散決議を行い、会社清算の手続きを行うことになりました。

 今後、清算人による会社財産調査が行われますが、現在の負債状況を見ると、債務超過のおそれがあることから、特別清算の申請が行われ、裁判所の管理のもと、清算手続きが進められることになります。


 そもそも、岡山県の外郭団体「環境保全事業団」が昭和54年から行った産業廃棄物埋立処分事業により造成した土地529400uが、平成元年から平成5年にかけて県へ寄付され、この埋立地が、自然圧密し、安定化するまでの期間、軟弱地盤での利用が可能であり、将来計画への移行が容易であることから、県民に低料金で楽しめる開放的なパブリックゴルフ場として、暫定的な利用を図ることにしたのです。

 理由はどうあれ、行政がゴルフ場を経営してみようという発想そのものが、間違っています。プレーをされる方には、申し訳ないですが、特に、私は、ゴルフをしないので、まさに、亡国(県)遊戯経営にすら思えます。

 当時は、水島工業地帯に潤いを与えるとともに、県民各層に利用され、快適で豊かな地域社会の実現と県民福祉の向上に貢献できるものと考えられたようです。

 そして、解散した水島シーサイド開発(株)は、この実施主体として、平成8年8月に、岡山県の外郭団体である環境保全事業団(3000万)、県(2000万)、倉敷市(1000万)、民間企業などが出資(資本金1億円)して設立した第三セクターです。
 代表取締役社長が、山口副知事。代表専務取締役(支配人)には、県OBが、いわば天下り。


 平成「11」年10月29日に、ゴルフ場を開業しましたが、創立後の低迷する景気の中で、平成「9」年以降、ゴルフ場利用者が毎年減少し、また、民間のゴルフ場の大幅な価格割引等による熾烈な競争に伴い、当初見込んだ入場者の確保ができず、「開業以来」赤字が続き、さらに、建設資金の償還が、経営を圧迫。

 その結果、平成12年度末現在の累積赤字が、8600万円。本年6月末現在の未償還債務が、23億4750万円となっています。その内訳は、中国銀行が、9億8000万円。岡山県(ふるさと融資)が、4億3000万円。岡山県の外郭団体である環境保全事業団が、9億3750万円。
 言うまでもなく、県は、債権放棄。またこうして我々の税金が、吹き飛びました。


 人件費カット、営業日の増加、コース管理費の削減、各種コンペの開催等営業努力に努めていたものの、13年5月の株主総会で、抜本対策が社内で検討されていましたが、平成13年度から本格的に始まった建設資金の元金償還に充当するだけの収入確保は困難であるとの結論に達したようです。

 本年9月には、資金ショートに陥らざるを得ない状況になり、追加の出資または貸付をしない限り経営の改善は困難で、放置すれば、破産という状況になりました。


 水島シーサイド開発(株)は、その最大出資者であり建設資金借入の連帯保証人である環境保全事業団と協議、同社は、「解散」せざるを得ないと判断しました。県もこれを「了承」しました。

 今後の当該ゴルフ場の扱いですが、環境保全事業団は連帯債務の履行を行い、これにより生じる求償権に対して、水島シーサイド開発(株)は、その有する資産をもって代物弁済を行います。
 そして、環境保全事業団は、保有した資産の活用を行いつつ、経営の「リスク」を「回避」するため、民間事業者に、ゴルフ場を「貸付ける」という方向で、処理が進められます。


 民間企業にまで、思いきりご迷惑をお掛けした以上の状態を受けた岡山県の見解は、下記の通りです。
 一言、「ばか野郎!!」。それ以外の適切な言葉を思いつきません。

 失業率5%に突入。もはや、民間は、戦争状態に突入します。岡山県行政も、直ちに、非常事態宣言をし、職員、議員、一丸となって、有事に立ち向かう、もはや臨戦態勢です。正直に書いて、呑気な「お公家様行政」には、嫌気がさしています。感覚が、おかしいぞ。
 このままでは、政治に殺されます。

「県の出資した第三セクターの株式会社である水島シーサイド開発(株)がこうした事態を招いたことは誠に遺憾であり、県民の皆様に深くお詫び申し上げます。しかし、この度の水島シーサイド開発(株)の抜本的処理は、将来の累積赤字の拡大を防ぎ、追加の出資や貸付を行うことなく第三セクターを思いきって整理し、環境保全事業団を通じて民間企業に賃貸に出すことで、民間活力の活用によりゴルフ場の継続を図るものであります。」

「県としても、今、早期に打つべき最良の方策としては、以上のような方策を採らざるを得ないと考え、ゴルフ場経営を行う第三セクターに対し、追加の出資や一時凌ぎの貸付を行うことなく思いきった抜本処理を断行するものである。この結果、会社は解散することとなるが、これまでの投資が全て無駄になることを避け、土地が自然圧密し安定化するまでの暫定的な期間、民間活力の導入により開放的なパブリックゴルフ場を県民に提供するという当初の出資の目的を確保できるものと考えている。」

 「民間活力の導入」って、こういう時に使う言葉か!!
 これで、誰が、責任をとったんなら?未来の子ども達?

 皆さん、怒ってください!!

Copyright (c) 2001 SHINJI SATO Inc. All rights reserved.satoshin.jp