2001年7月27日(金)【外郭団体とは、なんぞや?】

 よく考えますと、特殊法人だの外郭団体だのという言葉が飛び交う昨今、そもそも外郭団体とはなんぞや?という、ことが問題になります。

 岡山県的には、外郭団体は、下記のように定義されています。
 すなわち、岡山県内を主たる活動範囲とする法人で、次のいずれかに該当するものです。
 @岡山県の出資額または、出捐額が資本金、基本金その他これらに準
   ずるものの4分の1以上
 A岡山県職員を出向させているもの
 B当該団体の前年度の収入の2分の1以上が、岡山県からの補助金、
   委託料等で、占められているもの
 C前3号の要件に該当しなくなった法人であって、知事が指定するもの

 こういった外郭団体が、平成12年度現在69団体あるとされています。
 全部列挙する根性が有りませんが、総務部関係2、企画振興部4、生活環境部4、保険福祉部15、商工労働部12、農林水産部12、土木部15、教育委員会3、警察本部2あり、このうち、商工労働部関係で、本年3月(財)岡山県労働者信用基金協会が、解散。また、本年4月、3団体が、合併し、岡山県産業振興財団になったため、現在は、66団体です。

 もっとも古い財団法人岡山県育英会は、大正13年設立。平成9年4月設立の社団法人岡山県国際経済交流協会以後、ここ数年新規設立はありません。

 なにも、全ての外郭団体が、設立目的からしておかしいなどと主張する気は、毛頭有りませんし、それ自体が、なにがなんでも悪いとも申しませんが、一部が、いわゆる「天下り先」になっているのは、事実だと思います。

 ところで、平成11年5月6日 岡山県行革財政改革推進本部「決定」である「岡山県外郭団体の設立及び運営指導に関する指針」によると(これ自体の法的拘束力が不明ですが)、「第3条1項 関係部局の責務」として、「外郭団体を所管する部長(本庁の部長、局長、教育委員会教育長及び警察本部長をいう)は、外郭団体の自主性を尊重するとともに、運営の健全化及び活性化を図るため、当該団体の業務の運営状況等を常に把握し、適切な指導及び調整を行うものとする」とあります。

 一方、「第8条 県職員の出向等」の、2項に、「外郭団体が常勤役員として県退職者を登用する場合は、その重要性を十分考慮するよう指導するものとする」とあります。
 先輩部長が、天下るのに、所管部長が、登用を遮る理由もなければ、まして、厳しく指導する道理がありません。端的に無理です。


 もちろん、赤字の全てが、天下りのせいとは、思いません。ただ、外郭団体には、赤字を産み出す構造上の問題があると思います。一言で言えば、責任の所在が、極めて不明確です。

 ちなみに、やや古いですが、平成11年度決算における累積欠損団体は、下記の通りです。この赤字をかぶるのは、我々県民と未来の子ども達です。

 チボリ・ジャパン(株)(企画振興部)             ▲約26億円
 岡山空港開発(株)(土木部)               ▲約15.7億円
 (株)岡山広域産業情報システム(商工労働部)        ▲約6.9億円
 (社)岡山県畜産公社(農林水産部)             ▲5.15億円
 井原鉄道(株)(生活環境部)               ▲約4.32億円
 おかやまファーマーズマーケット管理運営財団(農林水産部) ▲約1.09億円
 (財)岡山勤労者ゆとり財団(商工労働部)         ▲約1・09億円
 (財)岡山シンフォ二ーホール(企画振興部)         ▲約0.8億円
 東部作州総合開発(株)(土木部)             ▲約0.24億円



 そして、経営の苦しい団体について、問題を先送りすることなく、経営の健全化や活性化に向けた抜本的な対応策の検討、役員の活性化等が、必要なことから、見直しの方向が示されたのは、ご案内の通りですが、再掲致します。

個別団体について

 年内を目途に、以下の6団体につき、経営改善計画の策定等抜本的な対応策または将来計画を取りまとめる方向です。
 累積赤字を抱えるなど経営の厳しい状況にある団体
   @チボリ・ジャパン株式会社 A井原鉄道株式会社 B株式会社岡山広
   域産業情報システム Cおかやまファーマーズマーケット管理運営財団
 累積欠損はないが不採算事業等について見直しを行う団体
   @岡山県道路公社 A株式会社東備ロードパーク

役員就任の見直し

 業務運営の主体性を確保するとともに、監査機能強化のため、
   @代表者については、可能なものは、民間人とする。
   A監事等は、原則として民間人とする。

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