2001年1月24日(水) 【チボリ公園問題】

 昨日の陣中見舞い回りで、現職市議の選挙事務所のそばにある倉敷チボリ公園の前を通り、うすら寒くなりました。
 昨夏訪ねた本場のコペンハーゲンのチボリ公園は、ただいま閉園中ですが、倉敷も「閉園中」です。

 県が20億円(倉敷市15億円)出資している資本金161億円のチボリ・ジャパン社の昨期損失は、約11億5,000万円,売上高前年比マイナス24%,累積損失26億円です。
 チボリ・ジャパン社に対しては,倉敷市が85億円の融資,県も17年間に渡って、35億円の無利子融資をしています。
 その他に,県は文化的催事(カルケバン劇場やチボリ・ウィンドアンサンブル等)や植栽補助の名目で、開園から来年度までの5年間に46億円の支出(年平均9億2,000万円の補助)の約束があります。

 公園の基盤や文化教養施設は、県によるもの(遠い将来に地代の問題発生)で、(飲食・物販施設、アミューズメント施設は、チボリ・ジャパン社のもの)大規模補修は県がしなくてはいけません。

  さらに、加えて,クラボウに対して地代の80%にあたる年6億円以上の地代の支払い(チ社より1.25億の収入)、を県が負担しています。

 昨年は、淡路島におけるジャパンフローラの開催また、夏の猛暑で、平成11年度の238万人を割り込むのは確実(採算ラインは、300万人と言われていました。)でしょう。
 今春の大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパンの開園を控え,関西圏からの来客が大変多いチボリ公園は,大打撃を受けることが懸念されます。

 チボリ・ジャパン社は,かように融資金の返済や補助金の満了の大問題を抱えていおり、死なばもろともの岡山県も倉敷市も、財政負担に耐えかねる状況になるのは必至です。

 昨年の知事選挙でも、今回の倉敷市議会議員選挙でも、敢えて争点にしていなかったようですが、さ来年度予算に、今後どうチボリ公園支援を打ち出していくのかは、岡山県政、倉敷市政の最重要課題のひとつです。
 おそらく、本格的な議論は、今年の中盤以降でしょうが。

 岡山市にあったら状況が違っていたぞ、という声もありますが、あくまで結果論として、岡山市にとっては、チボリ公園誘致というバクチに負けて良かったのかもしれません。操車場跡地は、すったもんだですが、一部の投資家の方を除き、我々庶民には、壊滅的な打撃というより、まだ先の楽しみもあります。

 今のところ当時の施政の見通しの甘さ、大失政の方向に向かっているのは、否めません。もちろん、誰もがあの繁栄が続くと信じていた、だからバブルなのです、だから責められない、のですが。
 結果論ですが、大赤字のチボリ公園がある。これが事実です。後生には、迷惑な代物です。事実は事実です。


 誠に申し訳ない、とも思いませんが、無料の自然公園ならまだしも、我が子には、行政がアミューズメントパークを経営するようなチボリ公園という赤字の爆弾を残して下さらなくて結構です、冷静に考えるとそうお感じの方も多いと思います。
 民間に払い下げられるなら、払い下げて欲しい。それもひとつの意見でしょう。民間が、なんぼやられるのも自由です。それに対して、幾ばくかの補助というのは、あることでしょう。やるなら、もっとうまくやってくれい。


 「おもちゃ王国」の成功例もあります。民間は、生き死にかけてやられています。行政が片手間でやっているとは言いません。十分ご努力されているのでしょうが、ひとつの事業でない、それが経営の全てなんだ、そんな人間こそが、経営にあたるべきです。まさに、背水の陣。

 民間ならとっくの昔に倒産。
 逃げずに、とことん議論すべきです。どこまで、行政が関わるのか、誰が責任を負うのか。第三セクターのお手盛りで、経営陣が、ずっとこんな天下りや、出向の経営形態で行くのか。
 もはや許された時代は過ぎました。

 困るのは、結局、今の子供達なのですから。我々の世代が、決して緩めてはいけません。

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