2000年7月22日 【最近の倉敷チボリ公園】

 築庭300年の後楽園のライトアップと同時に、倉敷チボリ公園で、20日より、「夏色欧風大曲芸会」が、わりとひっそりと始まりました。

 今年は、来場者の3割を占める関西地区の客足が、淡路島のジャパンフローラに逃げ(兵庫の小・中の遠足は、ジャパンフローラと決まっているそうです。)、美観地区そのものが冷え込み、第三セクターのチボリジャパン社の昨年度11億円の赤字の更新は、まず間違いないと思われます。

 もとはと言えば、岡山市政100周年記念事業として、昭和60年に誘致が起案され、紆余曲折の後、岡山県と倉敷市が受け、478億円の総事業費をかけた同公園は、7月18日で、4年目を迎えましたが、早くも正念場です。200万人を割り込むかもしれません。

 大阪に、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンという大テーマパークの開園も控え、今後の爆発的な伸びは、やや期待薄だと思います。
 90%以上が来園されれば、花と緑には満足され、46%が、リピーターであることから、定着したと言えると同時に、消費単価が低いのが、最大の弱点になっています。特に、地元住民の反対が強く、絶叫型のマシーンは、まず導入できず、今後も落ち着いたこの路線で行くしかありません。

 なお、資本金161億円のチボリジャパン社に県は20億円(倉敷市15億円)出資していますが、これ以外にも、クラボウに対して17年間の間、年6億円以上の地代を払い(チ社より1.25億の収入)、無利子融資が、26億円、事業費補助として、今年度9.15億円の予算措置があります。
 文化的催事(カルケバン劇場やチボリ・ウィンドアンサンブル等)や、樹木、草花の植栽、管理は県の補助で、そもそも公園の基盤や文化教養施設は、県によるもの(遠い将来に地代の問題発生)で、飲食・物販施設、アミューズメント施設は、チ社のもので、大規模補修は県がしなくてはいけません。

 なお、開園1年目の経済波及効果は、1316億円(以後データなし。)で、償却資産が35億円あることは、付言いたします。

 一言で言えば、県はチボリ公園に、そうとう突っ込んでいますし、チ社の取締役会長は、知事です。もはや、県は、逃げられません。

 とりあえず、PM5時以降の1000円のイブニングチケットでも結構ですので、ご家族連れでご入場頂き、夕食を取って頂ければ、チボリの良さは再認識して頂けると思います。
 夏休みには、是非、後楽園とチボリへ。

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