2002年5月13日(月) 【全国マルチメディア祭】

 おそらく、本項は、6月議会一般質問草稿の草稿になると思います。

 全国各地で、様々な情報通信メディアを活用した地域の情報化が進められていますが、こうした地域情報化については、一部の先進的な取り組みをそれぞれの地域の特性を生かしながら、その拡大を図り、地域間の格差を是正した新しい豊かな地域社会を実現することが課題となっています。

 「全国マルチメディア祭」は、このような目標の下、総務省(旧郵政省)と開催都道府県(持ち回り方式による)との連携により毎年開催され、全国自治体の地域情報化に関するものとしては最大規模のイベントです。

 一昨年の三重、昨年の山梨に続いて、この秋、岡山県で、この「全国マルチメディア祭」が開催されます。はっきり言って、これは、IT先進県を自称する岡山県にとっては、チャンスであり、まさに生き残りをかけた勝負と言っても過言ではありません。

 なんとしても、この11月に、IT先進県岡山を全世界に発信させるために、最大限の努力をしないといけません。



  ところで、「CONVEX岡山」に隣接する大内田の「テレポート岡山」には、「岡山情報ハイウエイ」の心臓部である「ネットワーク管理センター(NOC)」があります。
 実は、そこには、総務省(旧「郵政」省)の外郭団体である「通信放送機構(TAO)」の「岡山情報通信研究開発支援センター(ギガビット・ラボ)」が、入っています。


 ギガビット・ラボは、高速マルチメディア社会の早期実現を図る「ギガビットネットワークの拡充」のために整備された共同利用型研究開発施設です。

 要するに、情報ハイウエイの整備が進む岡山県全域を実験フィールドにしてしまうというものです。ちなみに、岡山情報ハイウエイが、155Mbpsに対して、ギガビットネットワークは、1000Mbpsあります。(CD1枚送信に、1秒)。

 岡山を含めて全国5個所のこのギガビット・ラボと、さらに、岡山を含めて全国10個所のATM互換機で、超高速光ファイバー回線で結ぶギガビットネットワーク回線が整備され、平成15年までの間、大学、研究機関、地方自治体、ベンチャー企業等に開放しています。


 具体的には、市町村の光ファーバーケーブル(155Mbps)に接続し、市町村や県立学校にテレビ会議システムを設置したり、CATV利用宅に、接続用モニター端末を設置しているようです。

 国土交通省の新世代下水道支援制度を活用した岡山市の「情報水道構想」も、むしろ、テスト・ベット(実験実証の場)として大きな意味があるように思います。

 端的に言えば、岡山情報ハイウエイにしろ、情報水道にしろ、先駆性はあるものの、日進月歩のITの世界では、いわゆるハード面は、すぐに追いつかれるでしょう。


 ギガビット・ラボがあること自体、全国でも数少ない自設の光ファイバーネットワークである「岡山情報ハイウエイ」がある岡山が、IT先進地である証左であると言えますが、安直にコンテンツがどうと言うよりも、全国に先駆的なテスト・ベットを整備することに、生き残りの道があると思います。
 その事は結果として、人、情報、モノを集めることにつながります。

 端的に言えば、岡山県が、ITの分野で、行政として「日本初」をどんどん連発させること、そこに生き残る道があります。換言すれば、先頭を行く者は、常に新手を出さなくてはいけないのです。

 電子自治体、電子町内会といった取り組みはもちろんとして、この11月の「全国マルチメディア祭に向けて、あっと驚くような提言、施策が期待されます。


 ちなみに、「マスカット・バレー考える会」の成果としての提言は、下記の通りです。キーワードは、国策としてのIPv6システムです。

 @岡山情報ハイウエイをIPv6システム対応にせよ。
 A公募により工場(ex水島コンビナート)へ光ファイバーを引く制度を設けよ。
  例えば、IPv6システムを使った家電工場の研究所の誘致。
 B県立大学等で、IPv6システム技術者等を要請せよ。あるいは、インターネ
   ット単科大学の設置
 Cラスト・ワンマイルというわけではないが、リサーチパーク内に、第2テレポ
  ート岡山を整備し、ITインキュベーションセンターの周辺環境を整える。
 D東京(大手町)ではなく、外国(exソウル)とも連携せよ。特に、OKIXで、
   IPv6 IX実験を行うことで、将来的に岡山からも国外に出られるようにす
   る。

※IPversion6(IPv6):
 インターネットにおけるIPアドレス枯渇問題、経路増大問題などのインターネットプロトコルに起因する各種の問題に対応するための次世代インターネット技術。
 通信・放送機構(TAO)は、国際的に通用する次世代のインターネット技術に適応できる広域実験ネットワークとして、列島縦断型ギガビットネットワーク(JGN:Japan Gigabit Network)のIP version 6(IPv6)への対応を実施。
 現時点でのIPv6対応のルータ装置についてのシステム間の相互接続検証を実施するために「岡山IPv6システム評価検証センター」が設置されている。

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