2001年3月10日(土) 【電子自治体】

 本日は、社団法人実践倫理宏正会(俗に言う朝起会)の広島地区の記念式典出席のため、午前1時30分JR岡山駅に集合して、広島へ。亀井静香先生もご出席の盛大な会でしたが、殆ど徹夜でこの時間、さすがにちょっと死にそうです。

 帰岡後、岡山市職労主催の「IT革命と自治体」というセミナーに出席。とりあえず岡山市の動きをまとめたく思います。岡山県の「岡山情報ハイウエー」の近況および課題については、必ず来週には、お伝え致します。

 岡山県内の振興局や学校を高速大容量ネットで結ぶ情報ハイウエーですが、問題は、「ラストワンマイル」。事業所のみならず、全ての市民の家庭に光ファイバーが届く環境づくりは、やはり市町村の役割ということになります。
 ケーブルTVがある地域なら郡部でも恩恵を享受できますが、その他の地域ならどうなるのか。

 岡山市は、「リットシティ(Litは、Liteの過去分詞形で、‘光化された‘の意)」の実現を目指して、「情報水道構想」を推進しています。
 通信料金を気にすることなく、高速大容量インターネットをあたかも(上)水道の水のように利用できる環境整備のため、「下」水道に光ファイバーを整備しようという計画です。

 そもそも下水道が通っとんか、という根本的な問題はさておき、課題は、下水道の基幹から家庭に結ぶ技術とコストの問題です。技術コンペや、技術開発でなんとか、そこを乗り切りたいところですが、さらに税金で全てを敷設するわけにもいかず、市の事業を「呼び水」に、リットシティに魅力を感じる民間企業の参入が、どうしても不可欠の計画です。


 ところで、国策としての「IT講習会」を通じて、市民・県民が自由に高速・大容量ネットが、ハード・ソフトで使えるようになる、その先に何があるのか?行政に何が起きるのか?それが、表題の「電子自治体」です。

 「電子自治体」。実はこの4月から、岡山市では、開発なった認証システムで、「事業所」の「法人市民税」と「介護関係」が、オンラインで、認証できるようになります。「認証」には、本人確認と申請書類に改ざんできないシステムが、必要です。この技術が、岡山市の全国的にも進んでいるところです。

 しかし、当然「認証」では、足りません。例えば手数料の支払い等、次の段階では、「決済」が必要なのです。電子決済基盤の整備、ICカードによる電子決済の実現、それを通して、一般市民に、可能な限りの手続きが、オンラインで行える、そういう方向に進まなくてはいけません。
 さらに、将来的には、電子入札の実現が目指されます。

 一方では、行政運営の高度化・効率化が図られるでしょう。

 なにより、市民の市政への参画の機会が増えると思われます。とりわけ、電子掲示板の活用等を通じて、最終的には、議員の役割も大きく変わってくると思います。単に便利になるというのでなく、根本的に変えてしまう可能性があるように思います。


 かような「電子自治体」ですが、問題がないわけではありません。
 市民は申請書類を出しに行くだけではなく、「相談」に市役所の窓口に出向くのです。どこまで、対応しきれるのか。
 また、パソコンを操作できない方、それ以前に、そもそも購入できない方もあるでしょう。IT革命下のデジタルデバイドは、産業革命の資本家VS労働者と異なる新しい差別を生み出すかもしれません。等々・・・。

 それでも、これだけは、断言できます。
 市町村合併と相俟って、将来的に公務員や議員は、まずこんなにいらなくなるでしょう。

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