2005年4月26日(火) 【州都と政令指定都市】

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 市町村合併に伴う地方選挙が、やっと一段落しました。
 どの地域にも「周辺部」というものがあり、どの候補も、「周辺部に、合併して良かったと言って貰えて初めて合併は成功だったと言える。そのためには、まずは、この地域が気持ちの上でも、一体化していくことから始めたい。」と主張してきたはずです。ですから、周辺部に手厚く、出身地には冷たいなぁと言われて丁度良いくらいではないかなと思います。
 もっとも、岡山市の場合は、この合併が成功であったと言えるためには、さらに、政令指定都市を目指すという目標があり、仮に手段が目的化しているという謗りを受けようとも、政令指定都市実現のために、あらゆる策を講じることは、理解します。さらに、応援もしたいと思います。どうあれ、ここから引くわけには行かないのですから。中途半端が一番困るのです。
 ただしかし、これを州都論争に絡めて、州都になるために、政令指定都市になるのだと、公に発言が出ると、道州制移行、少なくとも、中四国州という枠組み自体が、破綻してしまう恐れがあります。
 これは、内心はそういう夢を持っていても、公式の場では、知事も自重されている内容であり、私も、本会議の場で、軽軽に論ずるべきではないという立場を取っています。
 まずは、都市に欠かせないのは、人品とも言える品格の部分です。腹の中で、どつきあいをしながらも、にっこりと上品に微笑む必要があります。
 そして納税者にとって、根本的な問題は、行政の財政分担や役割分担ではなく、要は州都や政令指定都市になることで暮らしがどのように豊かになるのかということです。
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     ↓ 詳しくは

 知事は、昨年12月定例会の提案説明の中で、「変革の流れを的確にとらえ、岡山県の将来の姿を明確に示される」という表現をされ、特に、道州制の導入、さらには、その規模として中四国州を提唱されています。

 しかも、国民的な議論が展開されるよう、あらゆる機会をとらえて積極的に発言されるということですが、まず大切なのは、県民的な議論を起こすことです。


 私は、真の地方主権確立のための構造改革として、県という枠組みを取り払うことは、市町村合併で自治体の数を減らすことよりも、重要だと思っています。

 したがって、岡山市が、州都になろうがなるまいが、道州制に移行しなくてはいけないという立場です。例えば、「広島市が州都になるから、中国州は実現できませんよ」と言うことはできません。「この際、中四国州の枠組みで良いから、広島市を州都にしてよ」と言われたらどうするんだろう?あるいは、応えないといけないかもしれません。

 「広島市が州都になるのは気が悪いから、岡山市が州都になるわけはないが兵庫県とくっつくんだ」というわけにはいかんでしょう。

 どうあれ、県という仕組みは、変えていかないといけないのです。まずは、州都よりも、道州制の議論から始めないといけないのです。


 また、敢えて言えば、州都が政令指定都市であることが絶対条件ではないという論法もあるとも考えています。むしろそれは、都市の品格の部分であり、政・経分離ということがあってもおかしくないと思います。

 例えば、静岡市は、70万人で政令市にはなりましたが、横の浜松市は、多くの大企業を抱えた80万人を越える政令指定都市になります。しかし、県都は、静岡市です。
 人口だけで測るができないのが街です。

 ただどうあれ、内心は、岡山市(あるいは吉備高原都市)を州都にという夢は持っています。そのために、理屈を考えるわけですが、人口で広島と勝負するなら、端から岡山・倉敷合併で堂々の100万人の政令指定都市しかないと言い続けてきたわけです。
 それが無理なら、街の品格だと言い張るということです。



 しかし、当初から州都がどこか云々を言ったら、市町村合併で、「役場は、うちの町にあることを前提に合併しよう」と言って破綻するのと変わらない結果を招くように思うのです。
 自民党の広島県議団に一笑にふされるのが目に浮かびます。



 知事は、21世紀の地方自治を考える懇談会を設置した平成13年9月の会見で、「道州制の枠組みは、中四国州が適当」と表明され、平成14年9月の第14回中国四国知事サミットの際には、岡山県が提唱した中四国州の優位性が認められ、その実現の可能性をにらんで議論を深めることを各県知事も了承されたものと、私は、理解しています。

 ただ、平成15年3月の21世紀の地方自治を考える懇談会報告書以降、市町村合併の問題がある程度落ち着き始めたところで、何か風向きが変わってきたように感じていす。

 特に、昨年9月には、四国4県の経営者のアンケートで、「四国4県で1つの州に」という声が77%と圧倒的であると伝えられ、11月15日には、広島県が道州制を導入し、中国5県を行政単位とする「中国州」の設置を目指す分権改革推進計画を発表しました。

 おまけに、藤田雄山広島県知事は,「州都は広島市が最適ではないか」と発言されています。

 確かに、州都の議論は、道州制の中の重要な議論であるということは理解いたしますが、広島県知事自ら公言されたのは問題で、この点については、岡山県知事は、「国と地方のあり方を抜本的に変えようと考えていく時期に、州都はどこに置くかが先行すると、関係のない県で議論が進まなくなる」との認識を示し、「まずは大局的見地から議論を進めていきたい」と、大人の対応をされたのです。
 私は、石井知事のそういった発言は、適切であったと思います。



 少なくとも、道州制やその枠組みについては、県が中心に議論していく分野です。市町村合併で県議会が議決するのと仕組みが違います。いわんや、知事はこの分野の先駆者です。
 あるいは、県・市の首長や議会同志のかなり綿密な打合わせを持って、誰もが、戦略的に発言すべきだと思います。

 例えば、
 中四国州・州都岡山 VS 中国州・州都広島という対立ですが、岡山も政令指定都市だから州都になる資格があるんだと言うか、地方主権の州に、国の政令なんて関係あるか、政令指定都市ではないけれど、岡山が州都で良いではないか、と言うのか・・・・・・
 最悪、中国州という枠組みで、政令指定都市でない岡山が州都で、何が悪いのか?と言うのか・・。
 これらは、道州制の議論でも、やや先の話です。

 どちらにせよ、どうあれ、岡山市は、政令指定都市を目指してばく進して頂き、岡山県は、中四国州を前提に、道州制の議論を喚起すべきです。敢えて、州都には、触れずに。くれぐれも、本当に岡山市を州都にと願うのなら、関係各位に、まずは州都論争は、自重して頂きたいものです。



 内向きに、州都を目指すので政令市になろう!州都が岡山だから道州制に移行しよう!と言うと、広島市がよりでかくなるという結果を招くだけで、お勧めできません。

 仮に、州都でなくても、政令指定都市でなくても、私は、岡山を愛しています。逆に愛している岡山だから、州都にも政令指定都市にもなって欲しいと思います。

 そして納税者にとって、根本的な問題は、行政の財政分担や役割分担ではなく、要は州都や政令指定都市になることで暮らしがどのように豊かになるのかということです。



 ところで、最近の私は、全く違うことも考えています。街が大きくなるのも良いですが、田舎暮らしも良いのう・・と。

 60歳で引退して、郡部に住むのではなく、今から都市部と郡部と二重に暮らすのです。
 暮らすというのは、本当に二重居住するということで、両方のコミュニティーに参加するということです。ですから、別荘でなく、どちらも家なのです。村の祭りにも、参加するのです。
 場合によっては、住民税を按分納付できないかしら。

 都市部は、借家で良いので、郡部には、家を持ち、金曜日の夜には、家族で郡部の家に帰るのです。気が向いたら平日も行き来するという・・・。クラインガルデンとも少し違います。
 これで、人口は半分になっても、都市部も、郡部も、地域の人口は減りません。

 岡山の地勢ならそれができそうに思うのです。
 さもないと郡部の郡部は、いよいよ過疎に拍車がかかり、歯止めが利かなくなるのではないかしら。
 政令指定都市・岡山が北部は山ばかりでも、そういう暮らしなら、ロシアみたいで良いではないですか。

 もっとも私の一戸建ての理想は、新庄村ですが・・・。
 先立つものがないので夢の話です。

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