2004年2月14日(土)
【どうも玉野は雰囲気が違います】

 昨夜、「岡山市及び周辺市町合併問題議員研究会」「事務局長」と「事務局次長」で、久々にお会いして、県南政令市構想についての玉野市の説明会にお邪魔しました。

 生の声と言うと、昨年9月に、熊本の馬場・大西両県議と玉野市役所や灘崎町役場を訪ねて以来、特に、市民の皆様の意見を直接伺うのは初めてでした。


 一言で言って、岡山市側と全く雰囲気が違います。

 基本的には、圧倒的に懐疑的な意見が多いのです。また、それが、「仕込み」でもないようであるにもかかわらず、市民からの質問の内容も、かなり勉強されているもので、特に、「住民投票」を求める声も多くありました。
 ただ、それに対して、「政争の具」になると否定的でした。

 私自身も、議会制民主主義に対してどうと言うよりも、法定協議会になって初めて基本計画が作られ詳細が明らかになることもあり、一般的に内容が示すに示せない任意協議会の段階で、住民投票をしても、正確な判断はできないと考えます。


 特筆すべきは、玉野市の場合は、岡山市では基本資料とされた「協議会だより」以外に、「住民説明会資料」を独自に作っていることで、特に、財政シュミレーションは、岡山市より詳細です。

 この点で、財政改革のためにも、市町村合併が言われているはずなのに、合併しようが合併しまいが、大赤字は変わらず、母体が大きくなって大きな赤字を抱えるだけという不安の声があります。

 また、5年間の据え置きはあるものの、6年目から、個人市町村民税の均等割りは、2500円から3000円。都市計画税が、0.2%が0.3%に。事業所税が課税されるようになる等々住民負担が上がることは、もちろんマイナスの評価です。

 また、葬祭事業、シーバス事業と言った特色ある事業が、区制が敷かれた後、本当に維持されるのかという不安の声。
 ただ、乳幼児医療費が、就学前になる、というのは、合併に関係ないので、サービス向上になると記述するのは、如何なものか、と、個人的には思いました。


 さらに、対等な合併である「新設合併方式」で行こうという流れの中、ことさら玉野市側が訴えようとするのは、副都心構想で、宇野港を核とした副都心構想。
 加えて、都市分権型の政令指定都市として、区役所に多くの権限や財源を与えたものにせよ、ということです。

 すなわち、旧玉野市の枠は、維持しながら、宇野港周辺の活性化を図る、そこに、玉野市側の主眼があるということで、本来合併話などなかった岡山市と合併し、政令市になる理由として、これはもっともなことです。

 しかも、岡山市側は、現に、吸収でなく、対等合併方式で良いと折れており、岡山市長は、「合併特例債は、岡山市以外の1市2町で使って良い」と「個人的に発言」しているのを信じようではないか、そういう論調です。
 つまり、言質を取られている、あるいは、言葉が、一人歩きしているような状態です。


 「合併特例債は、岡山市以外で使います」というのは、岡山市側の説明会では口外されていないことですが、私は、このことが、今回のキーポイントになると思いますし、法定協議会のメインテーマは、合併特例債配分問題で、仮に、法定協議会になって破綻するとしたら、あたかも遺産相続争いの末の破談である、と思います。

 あるいは、御津に、灘崎に、玉野に、それぞれ幾ら、という話が、既にあるか、これからないと、話は、前に進みません。
 岡山も、やや危ういのですが、既に、獲らぬタヌキの皮算用的に、動いているフシがないでもありません。

 しかし、合併バブル、合併特需の後には、合併しなければ発生しなった膨大な借金も生まれますが、放っておいても、それぞれ借金まみれなのですから、集まれば、新しい起爆剤が生まれないとも言えません。

 やるなら、もう、「えい、やー!!」です。飛んでみなければ、向こう岸は、わかりません。いずれにせよ、「賭け」であり、「チャンス」ではあります。あとは、一緒に飛びたいかどうか、だけです。


 ただ、しかし、玉野市の資料には、玉野市の今後の方針として、県南政令市以外の選択の項も準備されています。
 単独で行くか、岡山県の示した「合併パターン」通り、灘崎町と合併するかも、可能性として、政令市と同等に扱われています。


 このあたり、まだまだ雰囲気がわからないために、再度玉野市側の説明会に参ります。

 それにしても、県議会の議決があるわけですから、この議論は、県議会議員も、知っておくべきだと思うのですが・・・。

 少なくとも、「さぁ、みんな、一緒に飛びましょう!!」と言っても、他が飛んでいなかったということになったら、これはもう街として、非常に風の悪いことです。

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