2003年6月28日(土)
【中四国州のための岡山・倉敷連携】

《中四国州についての知事答弁》

 今回の定例会では、「岡山県政を考える会」の調査をもとに、中四国州構想について、2名の自民党県議が質問を行いました。
 実は、私が質問をすると何か調査自体が、お手盛りのような気もして、敢えて、自分の一般質問では触れませんでした。


 中四国州に関する知事答弁は、以下の通り。


「中四国州が実現すれば、国からの大幅な権限や財源を受け入れた、人口、経済規模も九州に匹敵する「自立力」ある広域的自治体が形成され、道州独自の景気・雇用対策、諸外国との直接的な交流、産業政策やそれを支えるインフラの整備など、地域の発展に必要な重要施策を「自己決定・自己責任」のもとに展開することが可能となり、地域に大きな発展がもたらされるものと期待したい。

 また、国を作る意気込みについてであるが、こうした将来展望のもと、地方からの情報発信により道州制等の国民的議論を展開し、都道府県再編に向けた抜本的改革を推進することにより、真の分権国家の実現を目指してまいりたい。」

 「道州制実現へのプロセスとしての都道府県合併を否定するところではないが、道州制の導入と、その場合における中四国州の必要性を提唱しているところであり、現時点で、香川県、鳥取県との合併論議を先行して進めることは、混乱を生じかねないと考えている。

 現在、中四国サミットや中国地方知事会では、広域防災体制の強化や情報通信システムの共同化等に取り組むとともに、環境問題等についても、共同研究を進めているところである。今後も、こうした広域連携事業を積極的に提案・推進することにより、中四国の一体感を醸成し、その熟度を高めながら、中四国州の実現を目指した取組に繋げて参りたい。」


 中四国州は、知事自らの提唱でありますが、当面、答弁もここが限界であると理解いたします。ただ、中四国州の中心を岡山に持ってくるために、四国との連携を言うわけですから、そこをよほど強く訴えないと、常識なら中国州で、広島が中心です。

 そして、中四国州の州都として、その前提として、岡山市が政令指定都市になる、実は、政令指定都市の話と中四国州の話は、関連しているわけです。



《都市間連携の時代の岡山・倉敷》

 本日は、倉敷であった岡山県商工会議所連合会他の主催の「21世紀のまちづくりの理念」というシンポジウムに出席しました。

 知事がパネリストであるということよりも、国土交通省の前道路局長のお話が伺いたかったのです。
 かなり、おもしろかったです。


 観光とは何か、というテーマでは、まずは、地域住民が、地域を大事にし、地域にこだわって、共存し誇りを持っていきる様に、観光客が共感、感動し、自らの生活を振り返ることである、という指摘は、すぐに、岡山を「つまらんところでしょう」と卑下してみせる岡山県民に、一番欠けていることだと思います。

 岡山県民ほど自分の暮らすところを悪く言う県民は、全国にも、そういないと思いますが、なぜなのでしょう?


 また、私は、岡山の2時間圏域に1200万人というデータが凄く嫌いなのですが(飛行機で2時間で行けるのだから、ソウルも圏域?)、あくまで、国道、高速道路の利用に限った流動のデータを示されました。もちろん、不十分なデータだと思います。

 いわく、全国230の主要都市は、82の都市群に分けられる。岡山は、岡山市と倉敷市が一体になった都市圏になり、82圏域の中でも、大きい方になる。
 さらに大きく、東京、大阪といった200万人以上の大人口圏をはじめ、6つの圏域に分けられるが、100万〜200万の圏域では、広島、熊本の都市圏に次ぐ、集積がある。
 さらに、相互に流動する都市圏をまとめると、8つに分かれて、最大は、もちろん京浜だが、岡山・倉敷は、広島、福山、岩国の流動都市圏域に入り、京阪神圏ではない。
 こうしてみると、岡山の移動レベルは、中国地方一体と言える。

 情報について言えば、固定型の電話通信では、完全に東京一極集中で、サブが、大阪、そのサブが、岡山・広島・島根になる。


 また、そもそも、全ての地域が、必ず大きくなる、隣の街にあるものは、いずれ我が街にもできるという高度経済成長史観に引きずられている。
 東大月尾教授は「縮小文明への展望」を言うが、あれか、これかの時代がやってくる。
 岡山にあるものを倉敷が使いこなす、所有から使用への発想の転換が必要。

 さらに、1200万人が海外に出る時代に、国民の目は肥えていて、例えば、大原美術館に来る人は、ルーブルも観ている、リピーターを呼ぶためには、教育同様、得意分野を伸ばすべき。


 国も、四全総は、「交流」ネットワーク多用分散型を指向したが、五全総は、国土のグランドデザインとして、「連携」という言葉を使った。すなわち、岡山・倉敷は、どう役割分担するのか、それでインフラをどう整備するのか、兵庫や広島に対して、岡山がどういう存在であるか、「意志」が、必要になる。

 等々、いちいち首肯するものばかりでした。全てが、もっともな指摘であり、最近でこそ、ゴミ問題を契機に近づいてきた岡山市・倉敷市の関係ですが、これだけ近接しながら、きとんとした連携、役割分担がきちんとできているでしょうか。

 また、中四国州構想では、岡山は、広島に喧嘩を売っているようなものですが、地域間競争とはいえ、生き残りをかけた闘いという視点だけで良いのか、なによりも、香川や鳥取という大切な仲間をどう扱っているでしょうか。
 ちょっと考えるところがあります。


 いずれにせよ、具体的には、私は、岡山市と倉敷市の連携の必要性を強く感じます。
 また、やはり、香川との連携強化の必要性も強く感じます。そのためにも、瀬戸大橋の料金は、来週から1割安くなるとはいえ、いかんせん高すぎます。

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