2002年12月18日(水) 【政令指定都市を考える
最終回 その13 岡山県議会報告書】

 お盆の「岡山市政令指定都市化について」の連続4回と「政令指定都市を考える」13回シリーズも、いよいよ今日をもって終わりにしようと思います。

 あまり反響を呼びませんでしたし、自慢するわけではないですが、この合計17回の項は、岡山県政の一級資料であると自負します。市町村合併の流れの中で、本当に大切な議論でありました。
 このことについて、でたらめに考えてきたわけではありません。17回分のトータルで、ご判断頂ければ、ご理解頂けると思いますが。


 12月定例会最終日の今日、岡山県議会の「岡山市及び周辺市町合併問題議員研究会」が、報告書を知事に提出しました。私は、事務局次長として、総会で、経過報告と「結び」を読み上げをさせて頂きました。要するに、岡山県議会としての見解です。
 マスコミの報道も、そこそこに大きいと思われます。

 何度も申し上げますが、私は、岡山市の政令指定都市化そのものには、反対ではありません。 ただ、玉野市民にとってどうか、ということを問題にしていました。今も、倉敷とツインシティーの政令市を目指すべきだと思います。

 しかし、あるいは、私は、唯一とも言える政令指定都市化肯定の発言をしてきましたし、22人の超党派の関係議員全員に発言の機会はありましたが、報告書がまとまった今、研究会の見解は、県議会の意向として、尊重されるべきものだと思います。

 すなわち、22人の連帯責任による見解で、研究会の所属議員も、誰一人、途中に抜けなかったのですから、ある意味、責任として、この見解に縛られます。それは、当然のことです。

 正直に書いて、議員になって、短期間で、しかも、超党派で、これだけ熱心に議論し、報告書をまとめ上げたのは初めてですし、県政史上希に見る全国をまたにかけた大調査活動であったことは、大変に評価できると思います。本当に、誰もが本気でした。
 それだけに、36ページに渡る報告書の意味は、極めて重いです。

 結びにいわく、「今回の当研究会の限られた調査・研究をもって、市町村合併・政令指定都市問題の是非を論じられるものではないが、当研究会としては、県南政令市構想について、関係市町が、本年7月以降の短期間の検討によって結論を導き出すことは、いささか時期尚早と考えざるをえない」。
 要するに、「時期尚早」という見解です。

 おそらく、この報告書に、少なくとも、5年やそこらは、県議会は、縛られると思います。これを突破するのは、2倍3倍するエネルギーが、必要でしょう。少なくとも、改選までは、確実に見解は変わりません。


 個人的に悔やまれるのは、根回しや計画性のない唐突な構想の展開に、これだけ、各自治体が振り回されたということです。しかも、岡山市と県との関係に、多少なりとも、ある種の不愉快な空気を持ち込んでしまったことの責任は、極めて重いです。
 しかし、大切なのは、善後策です。
 少なくとも、岡山市の政令指定都市化の可能性がゼロになったという意味でもなんでもありません。


 そうは言うものの県議会の側の見解が出た今、県議会議員として、この問題について、達成感というより、ある種の虚脱感すら覚えます。特に、岡山市議会側からの反応を思うと、正直、これは、たいへんなことになるな、と思いながらも、県議会は、県議会のスタンスがあって当然であり、今更、「私だけ本当は賛成だったんです」などという言い訳はありえませんし、一方的に、県議会だけが悪いのでしょうか?とも言いたいですが、ともあれ、覚悟が要ります。

 もっとも、多くの市民にとって、だからどうしたの?ということであれば、それだけ、この問題が浸透していない、時期尚早の証左であるということでしょうか。

 波紋は、広がるでしょうが、それ以上に、県議会が超党派でここまで出来るのだということは、他の問題にも応用がかなり利くという意味で、得難い体験でありましたし、一つの自信ともなりました。

 いずれにせよ、今日、一つの答えが出ました。

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