2002年9月14日(土)
【政令指定都市を考える その5 分権型政令指定都市】

 本日は、 玉野市で、「岡山都市圏の未来を考える」というシンポジウムが開催されました。地元玉野市で、十分にコンセンサスがとられていない中で、合併促進の方向を打ち出すシンポジウムということで、灘崎町などからは、動員のバスも出、少なくとも岡山市は、執行部以下幹部が揃い、玉野市総合体育館は一杯の人になりました。

 現段階では、会場に来られた方の多くが、むしろ関係者で、一般市民という感じには遠いように感じましたが、おそらく、パネリストである地元の商店主の方が言われるように、岡山市との合併、政令指定都市化問題が、「青天の霹靂」であり、まさにこれから、スピードアップした論議が、始まるということでしょう。
 熟度の低さは、玉野市長以下も認められているようです。

 片山総務大臣は、「将来を見越した賢明な判断、選択を市民の皆さんにして欲しい。大臣であろうがなかろうが、応援させて頂く。」ということを言われました。
 また、135年経った都道府県制の見直し、特に、府県と大都市の関係の見直し、さらに、小規模市町村を県が垂直的に補完するのか、隣接の市が水平的に補完するのか、という今後の課題を示されました。
 さらに、5兆500億円に及ぶ税源移譲(所得税を減税し、市町村税に3兆円。地方消費税を1%から2%で、2兆500億円。)の方向を示されました。

 また、中核市と違う政令市のメリットを総務省の方は、県道整備、教員採用、区役所設置とされ、役所にはきついが、市民異は一番良い、地方分権の究極の制度が、政令指定都市であると強調されました。

 さらに、浦和市議会議長さんが言われるに、さいたま市合併のために擦り合わせの必要な項目が、3400あったということで、メリット、デメリットは、その極端な部分を強調しているに過ぎない、ということでありましたが、同時に、合併マニュアルなるものは存在しない、個々のテーマを皆で根気よく話し合いながら議論していくこと、議員・首長の役割の重要性も、強調されました。


 政令指定都市が、地方分権の時代に、必要かつ重要であるということに、異論を挟む余地もなければ、総論的な夢の部分については否定する理由は、なにもないわけですが、総務省の方が、最後に言われたように、「大きな都市に謙虚さがいる」、今後は、要は、それに尽きると思います。外部から提言するにしても、受ける側がどう感じるか、謙虚さがないと、どんなに良い案も、受け入れられません。
 街づくりの主役は、あくまで、市民です。

 地元の方の分権型政令指定都市を希望するという言葉は、重いです。

 個人的には、今回のように、行政側が音頭を取り、市民に動員をかけて進めるシンポジウムは、良いことだとは思いませんが、ただ、こういう形でないと事が動かなかったのも、また、事実です。
 いずれにせよ、今後は、市民や経済界が、主体的に動かないことには、話は進まないでしょう。ある意味で、行政側から川面に石が投げ込まれ、どう波紋が広がっていくか、ここから先は、市民に委ねられています。

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