2002年8月14日(水)
【岡山市政令指定都市化について その2】

 昨日に引き続き。政令指定都市の話になかなかならず、市町村合併の説明が続きます。


<なぜ市町村合併を「急ぐ」のか>

 財政状況に起因する市町村合併の必要性は「その951」の通りですが、では、なぜ市町村合併を急ぐのか、特に、平成17年までに、という意味合いは、なんなのか、です。

 この理由は、比較的わかりやすいのですが、「市町村の合併の特例に関する法律(「合併特例法」)」は、時限立法であり、平成17年3月31日の期限到来により失効するからです。

 ただ、この法律は、「第2の昭和の大合併」を目指して、昭和40年に、10年の期限付きで制定され、昭和50年、60年、平成7年と3回、10年ずつ延長されています。平成7年改正では、住民発議制度の拡充、地域審議会の設置、市となる要件などについての特例措置が盛り込まれています。

 市町村合併は、平成13年の国の中央省庁改革など「行政改革」の流れの中にあるわけですが、どこまで徹底できるのか、再延長はないというものの、3度ある事は、4度ある?という説もあります。
 ただ、もう10年伸ばすだけの体力が国にあるのか疑問です。


<市町村合併の手続きについて>

 では、市町村合併の手続きはというと、まず、「法定合併協議会」の設置が必要です。

 これは、2通りあって、いずれにせよ、市町村議会の議決が必要ですが、ひとつは、事前協議として、研究会や任意の合併協議会から進める、いまひとつは、市町村の有権者の50分の1以上の署名をもって、「法定合併協議会」の設置を市町村長に対して請求する住民発議の方法です。

 岡山市で言えば、1万人の署名があれば、請求自体が可能なので、提言を受けて合併研究会をつくるという流れでなく、住民発議で一挙に「法定合併協議会」設置について、議会に諮るという、手法も法的には、ありえました。


 実は、この「法定合併協議会」を作るというのが、スタートです。そこで初めて市町村合併の流れに乗ったと言えます。

 岡山県では、合併研究会そのものは、20以上ありますが、実際上は、動いていないところも多く、複数の研究会に参加している自治体が通常で、具体的に確実に、町村合併の流れに乗ったのは、邑久郡だけと言えるかもしれません。

 想像するに、この「法定合併協議会」設置に成功する研究会が、どれだけ出てくるか、年内に設立を目指していても、時間切れアウトないしはドローになる可能性もある研究会も、多いのではないでしょうか。


 時間切れアウトの意味はこういう事です。

 すなわち、、「市町村の合併の特例に関する法律(「合併特例法」)」は、時限立法であり、平成17年3月31日までに、市町村合併を完了させなければ、飴の施策は、適用されません。そのために、逆算すると、いつまでに、「法定合併協議会」を作らなくてはいけないかというと、実は、平成15年6月ということになります。

 これは、総務省の手引によるもので、法定合併協議会立ち上げに2ヶ月、合併協定書の調印までの合併協議期間に14ヶ月、市町村合併の各市町村議会での議決、知事への申請、県議会の議決、知事の決定、総務大臣への届出、総務大臣の告知といった合併準備期間に6ヶ月、計22ヶ月かかるので、逆算すると、リミットは、来年の夏前なのです。

 これを逆算すると、法定合併協議会設置には、当然来年度予算を伴うものですから、来年2月議会でM予算では、確実に上がっていないといけません。
 とすれば、12月議会では、方向は見えていないといけませんから、この夏から秋にかけて、一挙に盛り上がらないと、法定合併協議会そのものが作られないということになります。

 ゆえに、今、議論・研究をしているのです。結果、冬までに答が出なければ、タイムアップです。


 しかし、こうして研究会、任意協議会を作る自治体は、過去の経緯があります。すなわち、多くの団体が、ごみ処理の問題で、広域事務組合を作って、広域行政を行い、さらには、介護保険の導入に伴い、さらに、連携を強くしたという広域行政の歴史的経緯があります。

 もちろん、郡や振興局単位で、同じような問題を抱え、財政難に喘ぎつつ、ひとつのエリアとして、動いてきた心情的な結びつきもあります。
 こういった地域は、あるいは、このスピードに、耐えられるかもしれません。 合併の必然性はあるのですから。


 ただ、岡山市の政令指定都市の議論は、こういった市町合併が成った後に、続く議論です。


 またまた、つづく

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