2002年8月13日(火) | ||
【岡山市政令指定都市化について その1】 | ||
さて、昨日、第2回岡山市及び周辺市町合併問題議員研究会が開催されたわけですが、そもそも、なんでこの時期に、岡山市と玉野市と灘崎町が合併して、岡山市が、政令指定都市になろう、などという話が出てくるのか、賢明な読者の皆様にもご理解頂けていないのではないか、と危惧致しております。
私の議員活動の中において、岡山市中心部の幼稚園・小学校の統合をめぐる問題と、この岡山市政令指定都市化をめぐる問題については、極めて重要な動きをしていると自負はしているのですが、落書き消去活動のようには、お伝えできない動きの方が多いため、もどかしい思いも致しております。 今回は、岡山市及び周辺市町合併問題議員研究会事務局次長という立場で、なるべく客観的に、県議会サイドから捉えた岡山市政令指定都市化について、数回に渡り、分かり易く言及させて頂きたいと存じます。 <政令指定都市への提言書> この問題が、県サイドに大きく受け止められたのは、今年2月14日、私も所属させて頂いている社団法人岡山青年会議所(JC)から、岡山市長に対して「政令指定都市に向けての提言書」が、提出されたことに始まります。 この時期に提出された理由については、実は、私も、十分に把握できておりませんが、非常に時期に適ったものでした。 私も、この提言書の写しを市町村合併を推進する岡山県の市町村課に届けたのですが、その段階では、県としては、まさに青天の霹靂の状態で、玉野市側に動きはあったものの、岡山市サイドで、諮問に対する答申でもない提言書を岡山市長自ら受理されたことは、非常に重いこととして、捉えられました。 そもそも、平成13年3月23日に策定された「岡山県市町村合併推進要綱」には、岡山市が他市町村と合併するという発想はあっても、政令指定都市を目指すという記載は、一切なされていませんでした。 また、平成13年9月3日、自主的な市町村合併の全庁的な支援体制を整備するため、知事を本部長として、設置された「岡山県市町村合併支援本部」や、各地方振興局においても設置された「地域支援本部」でも、なかった議論です。 ちなみに、岡山県が示した合併パターンは、19エリア。下記の通りでした。あくまで、それぞれの地域において、具体的な議論を行うための参考や目安として示された、いわば叩き台でしたが、今回のパターンは、全く予測外の組み合わせでした。 http://www.pref.okayama.jp/kikaku/sichoson/gappei/pattern.pdf <そもそもなぜ市町村合併か> それにしても、最近話題の市町村合併ですが、そもそもなんで、市町村合併なのか、ということです。わざわざ県が、合併パターンまで示し、市町村合併を促すのでしょうか。 表向きの説明はこうです。 そもそも、地方分権が進んでいく中で、少子高齢化や広域的な行政課題に適切に対応するため、住民の暮らしに最も身近な行政サービスを提供する市町村の役割がますます大きくなっています。 こうした市町村の行政サービス水準を維持・向上していくとともに、行政の効率化を図るため、市町村合併の推進が求められています。 と、いうのは、建前で、要するに、国に、全国3000市町村の面倒を見るお金(地方交付税・補助金)が無いわけです。一昨年の地方分権一括法も、国と地方が「対等・協力関係」であり、自己決定・自己責任の原則をうたいながら、十分な財源の委譲がなされているわけではありません。 各自治体が、法定外目的税で、あれこれと税収を上げようと考えるのも、このことと裏腹です。 ちなみに、地方交付税とは、地方団体の財源の均衡化を図り、交付基準の設定を通じて地方財政の計画的な運営を保障する制度です。 全て国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する(憲法25条)わけですが、財源不足はもちろん、この仕組み自体が、地方の自立に向けた活力・意欲を削いでいると、配分方法について、見直す方向で検討されています。 こうして、市町村合併を進めるために、国は、平成17年3月末までと区切って、例えば合併後10年までは、地方交付税額の算定の特例や特別交付税など飴の財政支援策と制度的な特例をもって、21世紀は、分権の世紀とうたいます。 もともと幕藩体制では、日本は、地方分権国家であり、列強と伍して戦うために廃藩置県で、中央集権国家になり、さらには、戦後の復興、高度成長を支えるために、さらに、中央に権力を集中させ、バブル崩壊以後、逆に今度は、支えきられなくなった中央から、分権が言われ、死に体の中央に対して、反撃の狼煙が上がっていると、極めて単純に説明はできると思います。 ちなみに、実際には、市制町村制施行は、明治22年(「明治の大合併」)。この時、岡山県は、1市454町村。昭和28年に、町村合併促進法が施行された時で、9市259町村、以後、「昭和の大合併」という時期があり、昭和40年に、市町村の合併の特例に関する法律が施行された時には、12市85町村。 そこからの進捗は緩く、現在10市68町村(18郡)で、ここから先、延長された時限立法である合併特例法の期限を平成17年に迎えて、「平成の大合併」が、どこまで進むか、といった状況です。 ただ、個人的には、あてがわれたようなアメリカ版の民主主義ではないですが、結局は、お上の意向に従い、掴み取る地方分権でないところに、合併議論に盛り上がりが欠けている遠因があるように思います。 ・・・・・つづく それにしても、噂には聞いていましたが、「ウルトラマンコスモス」は、素晴らしい!!ビデオで観て、「みなしごハッチ」のような感動!まさに、佐藤真治の句「鳴かぬなら その訳聞こう ホトトギス」のような、怪獣にも50mの魂というか、こっちにもこっちの理屈があるんだよ、でも、やる時はやるぞ、という、なんとなく同世代が作ってるなぁ、とわかります。 価値相対主義に立つ怪獣との共存をブッシュ大統領に見せてあげたい!! | ||
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