2008年1月23日(木) 【道州異夢】

 岡山ー広島間の高速バス、サンサンライナーは、往復5000円。適度な混み具合で、合計で5時間あまりが、快適に確保されるので、大量の当初予算要求書を持ち込んで読むような仕事には丁度良いです。途中の休憩も、味があります。
 なお、次年度予算のトピックス等は、来週に紹介させて頂きます。

 もしも、道州制に移行して、中国州になって、州都が広島市になって、広島市に州議会があって、それよりも何よりも、州議会議員になることがあれば、議会には、サンサンライナーで行こうと思います。・・・って、いったい幾つの「れば、たら」がある話やら・・・。



 それにしても、広島に行くたびに、打ちのめされるような気持ちになります。広島交響楽団、サンフレッチェ広島、広島カープ・・。ファジアーノ岡山も、今なら、J2で、サンフレッチェと戦えますが。

 岡山のいったい何が、広島に勝っているのだろう?というか、勝つ必要があるんだろうか?というか、勝ち負けの基準って何よ?国際平和都市・広島の市街地を歩きながら考えます。
 特に、昨日の広島県主催の「道州制シンポジウム」のようなテーマになると、どこか卑屈に、こそこそと拝聴させて頂いたような自分に腹が立つやら、情けないやら。悔しいから、お好み焼きも食べませんでした。

 しかも、「だから、岡山県は、中四国州を言ってるんだってば!」というレベルの話は一切なく、よほど我々は、道州制の議論を腰を据えてやらないと、岡山県は、箸にも棒にもかからんな、というのが、正直な感想です。



 ところで、件の予算要求書の中で、企画振興のさらに親玉のような政策審議監からの「重点化事業」、すなわち、次年度予算の超目玉は、昨年からの継続ですが、「道州制・中四国州構想推進事業」です。

 特に、次年度は、1252万円要求の「道州制・中四国州構想連携事業」のうち、中四国州の妥当性を明らかにする「中四国学」の構築を目指したり、中四国州構想の理解者・応援者への情報提供、意見交換の連絡会である「中四国州倶楽部(仮称)」の設置に、381万9000円。
 ・・有史以来のイメージが沸きませんが、これは言っていかないといけません。

 が、しかし、結論を先に言えば、やはり、道州制導入と、区割りの話と、州都の位置の話は峻別すべきで、道州制の導入がほぼ決まって、区割りの話を持ち出す方が、道州制への道に近いように思います。

 中四国州の岡山と中国州の広島が、州都を意識しながら、鞘当てをして議論が進まないのを喜ぶのは、腹の底では、国会議員を馬鹿にして、地方をこけにしている霞ヶ関のエリート官僚だけです。
 岡山市の政令指定都市化の過程での学びは、岡山県にはないのか?と言いたいです。




 さて、昨日のシンポジウムの一貫した問題意識は、2つでした。すなわち、道州制の市民にとってのメリットは何か?そして、いつ道州制に移行できるのか?です。


 正直に申し上げて、道州制の話はおもしろくありません。ただ根本にあるのは、国の在り方・かたちを変える大改革でありますが、要は、国は、外交や防衛などに特化して、最も身近な地方自治体が、行政サービスを市民にきっちりと行うという理念です。

 突きつめれば、県の権限・財源を基礎的自治体の市町村に降ろすことで、あるいは、国から移譲を受けることで、よりきめ細かく、かつ大胆な行政サービスが展開できる、道州制イコール、最も市民に身近な基礎自治体の発展です。


 「基礎自治体からすれば、県は邪魔者になりつつある」という河内山柳井市長の言葉通り、むしろ、今、県に必要なのは、県の権限・財源をしっかりと市町村に移していくことです。

 ある意味で、県が真空状態になって、国の権限・財源を吸い込むことで、筋肉質の州政府が出来るのでしょう。
 さもなくば、屋上屋を重ねるだけで、つまりは、「県の創造的破壊」なくしては、基礎的自治体である市町村の真の自立、真の地方分権・地方主権の確立もなければ、我が国の持続的な発展はない、ということです。


 こうした観点からすると、岡山市の政令指定都市かを巡る議論の中で、大きな2つの視点が抜け落ちています。

 ひとつは、県議会の中に、いまだに、政令指定都市移行への時期尚早論がくすぶっていますが、時代の趨勢として止めるわけにはいかないのです。

 県が、権限・財源を出来る限り市町村に移譲することで初めて、県は、国から、権限・財源の移譲を受けるに足りる力を備えることになります。

 確かに、財政面等に不安がありますが、岡山県とて同じこと。言葉次第では、国から県が、行政能力を疑問視されるような屈辱的な話を県が市に対してしていることになります。
 今は、基礎自治体の自立を心底応援すれば良いのです。


 もうひとつは、市長が、行政効率をかなり強調されるように思うのですが、最も身近な基礎自治体の発展は、住民サービスが、それだけ強化されるものでなくてはいけません。

 むしろ、県や国から財源・権限の移譲を受けることで、きめ細かく、かつ大胆な住民サービスが向上することこそが大切で、行政規模が大きくなり、かつ、効率化することを当面は、同時には行い難いかもしれません。

 とりわけ、合併地区を多く含む行政区のため、支所等の強化充実が、まずは必要で、岡山県との連携も、しばらくは、最重要課題かもしれません。

 少なくとも、時間との勝負で、性急に動いているのは仕方ないのですが、時間とお金を掛けるべき時、場所には、しっかり使うことも重要だと思います。
 さもなくば、いずれ、かえって大きなツケになり、倍する時間とお金を要する問題になりかねません。



 ちなみに、広島県は、47都道府県中で最も市町村合併が進み、市町への権限移譲数も全国一です。審議会をつくったのは岡山県の方が先でしたが、道州制の広島モデルは、昨年2月の第28次地方制度調査会の「道州制のあり方に関する答申について」や、5月の九州地域戦略会議で検討中の「九州モデル」のベースになっています。

 こうした意味では、本当に岡山県が、県内の市町村合併に対して、しっかりと支援し、フォローできているのか、権限や財源を移譲しながら、その自立を促すことが出来ているのか、考える余地はあります。

 一方で、市町村に血のにじむ努力を強いながら、一方で、県は、州と名を変えて、生き残りを図っているように見られてはいないか。道州制の議論、いわんや、中四国州の議論が、県内の市町村に受け入れて貰えないとすれば、県の国との戦いを支援するほど、市町村が、最も苦しいときに、県から恩恵を受けていない何よりの証左でしょう。



 そして、道州制移行の時期が問題です。

 「2010年から15年の間に動かないと、道州制も一時の祭りに終わりかねない」という矢田北九州市立大学学長の言葉のように、前述の我が県の次年度の事業が奏効して欲しいですが、大きなうねりになりうるのか?

 「石井知事は、中四国州って言ってるけど、四国に失礼じゃし、無理じゃろう。広島があるけん、岡山市は州都にはならんじゃろう。したら、道州制やこ、やっちもねーが。なんであんな話しょんじゃろうか?利権でもあるんじゃろうか?」・・・岡山は、こう言いがちです。

 正直なところ、国会議員の先生方が、本気で霞ヶ関と闘って下さるのでしょうか?一極集中の東京が、地方分権を御指導下さるのでしょうか?これは、私たち地方の話です。

 つまりは、我々地方が、地方分権を地方主権を方々で言い出さない限り、我が国のかたちは、変わらないのです。


 ただ、疑問に思うのは、財政問題です。今日も、特別委員会への資料提出で、県債残高の推移や借入先利率別現在高の報告を求めて調整をしていますが、岡山県の臨時財政特例債を入れた1兆2171億円の借金は、どうするのか?いわば30年、35年ローンを組んでいて、革命が起きるか、徳政令でも公布しなくては、県が自己破産したので、州になりました!ということにはならないでしょう。
 あるいは、国が全都道府県債を引き受ける?????

 いずれにせよ、この話が始まらない限り、本当に道州制が、動き出していることにはならないでしょう。



 一方で、道州制の議論は、経済界が熱心です。特に、中国○○とつく企業は、中国州は良いでしょうが、地方ローカルの名称がついていたら、道州制ってどうなのかな?と思いつつ、それはそれとして、道州制規模で考える地域活性化の話です。

 例えば、台頭する北東アジアを見たときに、資源の豊富なシベリア、ロシア、端的には、ウラジオストックを新潟、富山ではなくて、境港と結んだときの道州という捉え方があります。
 あるいは、北朝鮮に将来大きな港町が出来たときの西日本という発想をしないと勝負が出来ないのだと知りました。

 岡山は、国際港・境港とどう結びますか?空港や港をどう機能的に役割分担するのか、できるのか。どうあれ四方八方が海の我が国を道州でいかに区切ろうが、まわりは全部、海。海か空でないと、陸続きでは外国には行けません。実は、どの地域も同じです。



 思うにしかし、最後はやはり、議員の質です。

 道州制に耐えうる議員でない者が、県議会議員をやってはいけないのです。さもなくば、反対勢力に堕することになります。

 道州制という言葉の印象は様々です。
 まさに、道州異夢。


 それにしても、最近、近視です。パソコンの影響もかなりあると思いますが、運転の際には、どうしても眼鏡を掛ける必要が出てきました。
 目だけは良いと思っていたのですが、ちょっと見えにくいというのが、本当にイライラするものだなとよく分かります。

 道州制についても、よう見えません。

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