2007年10月16日(火)【関門海峡にて】

 この夏に家族出来た関門海峡を仕事で訪ねるにつけ、やはり、子供が笑っている姿が、一番私には幸せだと再認識します。


 行財政改革・道州制等特別委員会県外調査初日は、新山口駅で降りて、山口県庁で、道州制に関する調査。

 山口県知事は、「道州制については、基本的には賛成だが、早く進めるべきとの積極的な賛成ではなく、道州制ありきだと本質を見失うおそれがある」とされています。将来的には避けて通れないにしても、まずは、地方分権改革の中で、国と地方の役割分担を明確にする方が大切だということですが、これも、地域特性があるのかもしれません。

 山口県は、三方が海に囲まれ、全国6位の1500kmの海岸線を持ち、50市町村が22市町村になって、今年度末には、さらに、20市町村になるということですが、最大が、人口約29万人の下関市で、山口市、宇部市、周南市も、20万人に届いておらず、やや格となる都市が分散している感もあり、人口も減少傾向にあります。

 こうした中、枠組みが云々と言うよりも、基礎自治体に権限を移譲して道州制を導入した後の県の仕事がなんなのか、見極めたいということで、内々に州都論争を積極的に展開するような状況にありません。

 なによりも、知事会についても、中国、九州の両方に参加されており、県議会の方も、道州制が付託事件になっている委員会や議連もなく、道州制の議論自体が、低調であると言えると思います。



 一方で、午後から、関門海峡を渡り、北九州市役所で、関門特別市構想についての調査。

 北九州市は、海峡を鋏み隣接する下関市と合併?し、道州とほぼ同様の権限を持つ自治体であり、中国州or中四国州、九州州のいずれにも所属しない特別市を道州制に対するアンチテーゼのように、研究を始めています。

 これも地域事情があり、非常に近くに、政令指定都市の後発である福岡市が誕生して、ある意味、お株を奪われ、しかも、北九州空港で攻勢をかけるものの、大分県、宮崎県という南北交通軸が弱く、九州州の端にならざるを得ない北九州市の積極的な都市戦略と考えるべきだと思います。

 まさに一衣帯水の下関市と名実ともに連携していくことは、生き残りをかけた戦略と言えます。
 ただこのことが、山口県最大の都市が絡むことでもあり、また、中国州or中四国州という括りからするとかなり刺激的であると言わざるを得ません。

 しかし、岡山市が政令指定都市を目指すのが、広島市を意識しつつ、中四国州の州都を目指す前提であるとするならば、岡山県あるいは岡山市は、瀬戸内海を鋏む高松市ともっと積極的に連携する戦略を立てるべきではないかと、関門特別市構想から感じます。

 やはり、岡山には、どこか危機感がないのかな。

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