2003年6月17日(火) 【市町村合併について】

 一般質問の原稿を執筆しようにも、ご依頼事の対応等で進まず、とってもまずい受験生の心境です。
 にもかかわらず、過去の議会答弁を穿り返し、様々な資料や、検索エンジンにいろいろかけたものや「こころ」を寄せ集める作業中、いつのまにやら、ネットサーファー、あぁ、なにやっとんねん!!


 ところで、昨日「岡山県政を考える会」で、改めて、岡山県下78ある市町村の合併の取組みについて伺いました。

 現在の合併重点支援地域は、7地域で、基本的には、早晩合併することになるであろう「法定合併協議会」は、6月13日現在で、以下の8つ。

 ○邑久郡(牛窓町、邑久町、長船町)
 ○吉備高原中央地域(加茂川町・賀陽町)
 ○川上村・八束村
 ○赤磐郡(瀬戸町、山陽町、赤坂町、熊山町、吉井町)
 ○阿新地域(新見市、大佐町、神郷町、哲多町、哲西町)
 ○津山地域(津山市、加茂町、阿波村、勝北町、中央町、久米町)
 ○苫田郡西部(富村、奥津町、上斎原村、鏡野町)
 ○高梁地域(高梁市、有漢町、成羽町、川上町、備中町)

 その前段階の「任意合併協議会」が1つ。さらに、その前段階の「合併研究会」が19あります。

 単純に言えば、平成17年までに、少なくとも8〜9地域で、合併が行われ、新しい市が3つ(邑久郡、赤磐郡、真庭郡)生まれ、3つの市域(津山市、新見市、高梁市)が拡大する可能性があります。


 ちなみに、市町村合併に係る住民投票は、実施済みが4町。住民投票条例まで作って未実施が、3町1村。条例制定の動きが、1町。

 法定合併協議会設立のため、議会の議決による方法の前にした住民発議手続きは、2町。いずれも、結果として不調に終わっています。

 また、政令指定都市を目指す岡山市・玉野市・御津町・灘崎町の合併については、「法定合併協議会」の前の前の段階である「合併研究会」から「任意合併協議会」を目指して難航中です。


 一般的に22ヶ月かかると言われる市町村合併ですが、最短では、邑久郡が、来年3月に、瀬戸内市、東岡山市、東備市、夢路市、あけぼの市のいずれかの名称の市になる流れにあります。
 そのためには、今年9月の各町議会で、合併議決、12月には、県議会の議決が必要になります。


 行政効率的に言えば、広域合併を伴い保健福祉業務等で県の手を離れる「市」に、全ての市町村が移行してしまうのが好ましく、市になるための要件を平成16年3月末までの合併なら3万人、17年3月末までなら4万人、さらに、「片山プラン」で、18年3月末まで「3万人市特例」の期限を延長する動きがあります。

 岡山県下で言えば、だいたい、現在の9つの地方振興局の所管のイメージ(岡山、倉敷、津山、井笠、阿新、東備、高梁、真庭、勝英)が近いと思います。


 しかし、あの手この手で、国が市町村合併を誘導しようとも、例えば、県内でも、人口1051人の新庄村、6690人の奈義町が、合併しない宣言をしています。

 県北には、681人の阿波村、801人の中和村、851人の富村、948人の上齋原村など1000人を割る村もありますが、もとより、地域地域には、伝統も文化も歴史もあり、高齢化と過疎化に苦しむ地域に、合併を強要できるものではありません。

 かと言って、岡山県の人口は、195万1000人が、2030年には、174.2万人に減り、逆に、65歳以上の高齢化率は、39.4万人から、52.6万人と跳ね上がります。
 単純には、現在の5人に1人の高齢者割合が、30年後には、3人に1人(私も、68歳で仲間入り)になるわけです。
 このままの構造では、福祉以前に、まず、財政が持ちません。


 こういった状況の中で行われる「平成の大合併」ですが、「明治の大合併」で、町村数を5分の1に、「昭和の大合併」で、市町村数を3分の1にした(トータルで、71314が、3190に)わけですが、先人達が、後世を考えて下さっていたとすれば、我々にも、大きな決断を迫られる時期が、早晩やってくると思われます。

 ただしかし、大切な視点は、あくまで住民サービスをしっかりと維持しながらも行政のコスト削減を図るということです。


 こういった状況の中で、岡山県が、道州制で中四国州を目指すと言うことが、県も捨て身であることを示し、市町村合併を促進するという説と、単純に、市町村合併当事者の神経を逆なでするだけではないか、という説があります。

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